多言語話者として現在海外の拠点から英語と複数言語を教えさせていただいているMULTILINGIRLです。twitterなどに動画(日本語以外の6言語を話している)も載せていますので気軽に絡んでください('ω')ノ
twitter→@_multilingirl_
さて、このページに訪れた人は、英語の発音をきちんと学びたい。という人が多いと思います。そんな私も英語を学び始めたころは、やたらとRの発音を強調して、いかにも、英語話せますよー。みたいに、訳も分からずアメリカ人っぽく発音することだけを考えていました。
そんな、数年前発音すら知らなかった私が今では、ユーチューブでも動画を公開していますが、母語の日本語も含め、
①日本語
②英語
③中国語
④アラビア語
⑤韓国語
で、相手が理解できる発音でスピーチができるレベルに達することができました。
やはり、ネイティブではないので、完ぺきでも、上手でもないかもしれませんが、一応、現地の人たちがきちんと理解できるスピーチをすることができています。
このページでは発音の仕組みをカンタンに説明していきたいと思います。(イントネーションなどではなく、発音のことだけにフォーカス)
なので、それ以外のもっと重要な部分を理解したい方は以下の記事もお勧めです。
「プロソディ / 発音 / アクセント / イントネーション (抑揚) 意味の違い」
この記事では英語の発音の解説をしていますが、世界には大きく分けて4つの英語があり、この記事で対象となっているのは、一般アメリカ語(General American)です。
・一般アメリカ語(General American)
・容認発音(Received Pronunciation)
・オーストラリア英語
・カナダ英語
「英語の発音には5種類ある。一般アメリカ語、容認発音、カナダ英語、オーストラリア英語、インド英語」
なので、義務教育でイギリス式の発音を刷り込まれている多くのひとたちには、衝撃的な部分もあるかもしれません(^-^;それでは、解説を始めますねー!!
①国際音声記号(IPA)とは何ですか?
日本人が発音が上手!っていうのと、英語でいう "pronunciation" は少し違っている場合がある。たとえば、日本人は会話における上げ下げ、つまりイントネーション(抑揚)、そしてどこを強調して発音するか?を意味するアクセントなど、すべてを総合して、”あの人の発音はいいよねー‼”と言ったりする。けれども、英語では、発音というより、そいういう全体的な言語の良し悪しを、"His accent is good!" という風に、アクセントで済ませたりもする。
この記事では、単純に言葉をどうやって読むか?を意味する、本来の意味である発音 (pronunciation) について語っていきます。
国際音声記号 = (International Phonetic Alphabet)
これは、いわゆる日本でみんなが知っている発音記号の正式名称です。
世界にはいくつもの言語があるので、それらを ABCDEFJ... などで発音を区別するのは難しい。そういうことで、こういう国際音声記号という表記が誕生したと言えばわかりやすいでしょうか?
ABCDEFJ... では表記できないので、→ ɑ ɔ ɛ i ɪ æ ʌ ə ʊ u というような複雑に見えるアルファベットを使っています。
②母音(ぼいん)と子音(しいん)の意味くらいは覚えよう
私は中国と韓国で日本語教師をしていた時期があるのですが、ほとんど学校の成績もよくなかった私は、当時日本語教師だった時、母音と子音って何?っていうところからはじまりました。そんな私も今はこんな記事を書いているくらいですが…。
日本人である私たちは、私たちが普段話している日本語の母音と子音(以下)を使用して会話をしています。英語話者もそれは、同じことなのです。
母音(vowel)→”あいうえお”のことです。
子音(consonant)→”かさたなはまやらわ”のことです。
つまり、発音って何?って言われれば、これら母音と子音の組み合わせに過ぎないのです。
③アメリカ人がフランス語の発音を覚えるとき
日本人は、英語の発音を覚えるとき、単語をそのまま読む癖があったりします。そしてそれを読んでも通じないことが多い。けれども、スペイン語やドイツ語の場合、スペルと発音が一致することが多く、そのまま読んでも意味が通じることが多かったりします。
日本語が世界で一番難しいと、ウソの教育をされてきた純粋な日本人は、アメリカ式の英語の発音が世界でも難しいレベルに入るということはあまり知らない。それゆえ、英語って簡単!で済ませてしまっている場合が多く、発音も通じるだろう。と疎かにしている人が多い。
けれども、アメリカ人が日本語を話すのを見たことがある人はわかると思いますが、彼らにとって日本語の発音は簡単です。逆に発音の種類が少ない日本人にとってアメリカ式英語つまり、米語を話すのにはかなり練習時間を要します。
けれども、アメリ人にとっても、ちょっと難しい発音の言語があったりする。それがフランス語。
例えば、アメリカではフランス語学習者がスペイン語の学習者についで多いですが、フランス語には英語にはない音が多数あるため、発音を覚えるのに、
アメリカ人は英語にないフランス語の音をどのように覚えるのでしょうか?
そう、国際音声記号 (IPA) で覚えているわけです。
私たち日本人も日本語に存在しない音は、この IPA を用いて覚える必要があります。
④発音上達に必要な筋肉と発声法
①鼻 nose
②喉 throat
③肺 lungs
④腹 stomach
これは意外と知られていません。
そのために、よく笑うことを心がけながら、話すようにすると楽になります。それは、大声で笑うという行為ではなく、表情筋を鍛えることです。笑いながら話すと、呼吸器官が活発化するし、顔がゆがむので、鼻からも声が出てきやすくなると思う。
⑤ネイティブもIPAを確認する場合がある
英語のネイティブスピーカーでさえ、大勢の前でスピーチをしたりするときなど、このIPA を参考にする場合がある。実際に、英語をユーチューブなどで教えている英語教師のほとんどは、IPA を用いて教えていることを見てもお分かりいただけるだろう。
英語を読む方法として、フォニックス (Phonics)というものもあるのですが、これは他の外国語に対応していないため、英語のほかにフランス語や、アラビア語などを勉強して国際舞台で戦っていきたい人には、 IPA を勉強している人が多い。
IPA がわかると、英語だけではなく、フランス語、アラビア語、中国語といった、英語以外の外国語の発音もすぐに理解できるようになるからです。なので、マルチリンガルのような、3外国語以上を話す人は、IPA を知っている場合が、非常に多いです。
是非、この機会に IPA の習得を考えてみることをおすすめします。
⑥日本語の母音と米語の母音を比較
ここでは、日本語と英語の母音・子音を比較することにより、私たちの舌をどこに動かして発音すればいいのか、分かるように明示していきたいと思っています。
5つしかありませんよね?”あいうえお”だけです。
けれども、英語の場合はそうもいきません。
日本語は言語を漢字を使っていろいろ表現できる分、漢字という視覚に頼っているので、発音は簡単なのですが、英語の場合、漢字のように視覚で認識できる言語ではないので、発音のちょっとした違いで、単語を区別したりします。そのため、とにかく母音の数がハンパないのです。
じゃ、米語(アメリカ英語)は?というと…。
米語における母音はさまざまな組み合わせによって、36個もあります。
子音は日本語と同じ場合が多いので、あまり気にされなくても大丈夫です。"L vs R" とか、"F vs V" などを除いて。
つまり、なぜ、英語を話すのが難しく感じるかの理由は、母音にあります。
日本語の母音が世界の言語の中でも少なすぎるのと、英語の母音が世界の言語の中でも多すぎるというギャップからこういう問題が生じてしまっています。
私たちは5つの”あいうえお”しか話せません。これが、英会話の発音を習得する際にネックとなる第一ポイントです。
そのため、英語を聞き取れないというアクシデントが生じてしまうわけなのです。
けれども、上の図を見ると一見、このアメリカの母音は数が多いように見えるけれども、ほとんどの場合は、伸ばすか、伸ばさないか?で分けている場合が多いです。
これを日本語のあいうえお。的に並べていくとこういうふうに整理することができます。
あ
英語にはアの発音が3つあるというのは有名な話です。以下の順で弱くなっていきます。
æ(長母音。伸ばしてください)
・have [hæv]
・bad [bæd]
・act [ækt]
・apple [ˈæpl]
エとアを同時に発します。その時、喉から声を出すことになります。舌の位置は、舌前歯の裏に固定します。
日本人が一番嫌いな、苦手な、発音がこのアではないでしょうか?私のレッスンではこの発音をアップル発音と呼んでいます。
たくさんの日本人の生徒さんを見てきていますが、ほとんどの生徒さんがこの発音に抵抗があるようです。日本でこの発音をすると、結構注目を浴びるので…。( ´艸`)
ちなみに、この発音はイギリス英語では、長母音ではなく、短母音になります。
a(長母音。伸ばしてください)
日本語のアよりも口を大きく開けて、伸ばすということを意識して覚えてくれれば大丈夫です。注意が必要なのは、日本人の多くが hot や、body をイギリス式のオで発音してしまう点です。
米語ではこのようにアーって発音することがポイントなのです。
ʌ(短母音。伸ばさない)
・love [lʌv]
・blood [blʌd]
・trouble [ˈtrʌbl]
・culture [ˈkʌltʃər]
ɑ に比べて、このアは伸ばしません。そして、どこにも力が入らない状態でリラックスして発します。けれども注意が必要なのは、単語によってはアよりもオに聞こえるものもあるということです。
なので私はこの発音をアとオの中間音と呼んでいます。
love の場合はラブと聞こえるのに、culture の場合は、コルチャーのように発音するネイティブスピーカーが多いのです。
い
i(長母音。伸ばしてください)
・heat [hit]
・be [bi]
・receive [rɪˈsiv]
日本語のイーって伸ばした感じと同じです。とても簡単な発音なので誰でもできます。
ɪ(短母音。伸ばさない)
・him [hɪm]
・been [bɪn]
・women [wɪmən]
イーまで口を横に広げません。エの口の形でイを言うようなイメージです。たとえば、check it out とうのは、チェケラって聞こえますよね?これは、it [ɪt] の発音が実は、イットではなく、エットのように聞こえる証拠です。
う
u(長母音。伸ばしてください)
・blue [blu]
・do [du]
ʊ(短母音。伸ばしません)
・book [bʊk]
・could [kʊd]
・pull [pʊl]
u に比べて、このウは伸ばしません。そして、どこにも力が入らない状態でリラックスして発します。
え
ɛ(短母音。伸ばさない)
・said [sɛd]
・head [hɛd]
・says [sɛz]
日本語のエだと思った方も多いと思いますが、アの口の形でエを言うような発音です。
エだけれども、日本語のエとは違い、エとアの中間音。Guest [ɡɛst] が、ガストに聞こえるのはこのためです。
たとえば、bed という単語も、バッドに聞こえるときがあります。
お
ɔ(長母音。伸ばしてください)
オーと伸ばす長母音です。thought [θɔt] などでよく出てくる発音ですが、日本人はこの発音を二重母音のオウ [oʊ] で発音してしまうくらいがあります。
日本語の発音でオーと伸ばすだけでなく、舌を必ず引いたままの状態にしてください。日本語のオという発音も舌が後ろに自然に引くような発音ですが、それよりも引くイメージです。若干、日本語のオとは違うのです。
・law [lɔ]
・daughter [ˈdɔt̮ər]
・caught [kɔt]
あいうえお。でもない母音
ə(シュワー)
・sofa [soʊfə]
・about [əˈbaʊt]
これは国際音声記号ではシュワ―と呼びます。色々な単語の真ん中に入っているものであり、それらスペル上で書かれている母音を曖昧に発音しますよ。という意味です。
けれども、発音しなくても大丈夫です。それにより、よりネイティブっぽく聞こえます。英語はストレスタイミングの言語なので、どこかが強調されたときに、このように、シュワーになることで、曖昧な音になるのです。
⑦英語には日本語にはない二重母音(Diphthong)がある
一見難しく聞こえる言葉ですが、簡単なので覚えてください。
この矢印は、中国語のような声調ではないですからね?(;^_^A→舌の位置がこのように動くのだよー!ってことを説明している図です。
二重母音を簡単に言うなら、
け・い・た・い・で・ん・わ という日本語の ”け・い”の部分を一回で読むことです。
"KEI" を一発で読む。これが二重母音です。
というような感じです。この中で、aʊ という発音は、イギリス英語では文字通り、アウというような発音なのですが、アメリカ英語では、アーオという発音になります。
この通り、二重母音って日本人なら誰でもすぐにできる音です。二つの音を一発で発音すればいいだけなのですから(^^)/
⑧IPAのプロ、レイチェルに学ぶのもアリ
私が昔から、みていたレイチェルのビデオ・・。いつか、レイチェルに連絡しようかしら。(笑)
このように、IPA を学ぶ重要性は、国際的に活躍する人に強く求められています。スペルは、パソコンが自動修正してくれますが、外国語を話すとき、誰も、あなたの英語の発音を修正はしてくれないでしょう。つまり、会社でメール対応は辞書が助けてくれますが、電話応対の発音は誰も修正してくれません。その意味でも、スペルを学ぶ前に、IPA を学ぶ必要があります。
⑨英語以外のIPAも作成しました
IPA って一度はまってしまうと、抜けられなくなるくらい面白いです。(笑)以下の記事は長いです…。
・英語にはないけど、フランス語、スペイン語、ドイツ語にはある IPA(国際音声記号)を考察
⑩アメリカの発音に関してお勧めしている本
こちらの本は、外国人の間でアメリカンアクセントを身に着けるバイブルともいわれている良書です。つまり非ネイティブの人たちにとても人気な一冊。
とりあえずはCD5枚入っているので、時間がない人は聴いてシャドーイングするだけでもいいのですが、慣れてくると、何を説明しているのか?ということを理解して1年くらいでマスターできるようにしたほうがいいかもしれません。
というのも、最初から英語で書かれた部分を理解しようとするとなかなか進まないのですが、聴くだけなら少しずつ、着実に脳にしみこませていくことができるからです。アマゾンのレビューをご覧になってもお分かりの通り、かなり評価の高い本です。
また、この記事の主旨に戻りますが、上のようなイントネーション習得ではなく、IPA(国際音声記号)の発音、つまり口の形など舌の位置などをしっかり学びたい方には、以下の本がおすすめです。
こちらはDVDもついていますし、ネイティブスピーカーの口もとを見ながら、どのように発音しているのかを、IPA付きで解説してくれます。また本とDVDがセットで、本に書き込むこともできますし、日本語で書かれているため、安心なうえ、アマゾンでの評価もかなり高いです。
私もそうでしたが、最初にIPAを学んでから、その後に、イントネーションを学んだほうが、より効果的です。急がば回れですね。
また発音矯正に関しては私もオンライン・レッスンをしています。気になる方は覗いてみてくださいね。
「スマホ英語、無制限サービス(通話授業つき)/ English Mentor (英語メンター)」
私のサービスではなくても、今はアプリでも、発音矯正ができるので、以下のレビューも英語学習の材料になっていただけたら幸いです。