この記事では、ロシアがヨーロッパなのか、アジアなのか。ということを解説していきたいと思う。日本人の中にはロシアはヨーロッパと思っている一方、ヨーロッパ人(特に西欧)から見ると、人種的にロシア人は白人ではない!と思っている人までいる。
白人とアジア人のハーフと思う人もいれば、シベリアのモンゴロイドをイメージする人もいるように、ロシア人に対する印象は人それぞれ違うのだ。
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ましてや、ロシアという国は広大で、シベリア一帯はそもそもロシアの領土ではなかったうえに、今でも日本人の顔に近いモンゴロイド系のヤクート人やエヴェンキ族なども住んでいる。
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ロシアは広大なので、人種的にも、地理的にも、一つには括ることができないのだが、この記事では、西洋からみたロシアや、ロシア人からみたロシア。など、いろんな角度から掘り下げていきたいと思う。
①西洋では、ロシアをヨーロッパの含めない場合があるのは、なぜ?
まず、人種的な観点からみてみると、フランス、ドイツ、イギリスを中心とする白人の中には、ロシア人は明らかにウチらとは違うよね?と思っている人も多い。
その理由は、ヨーロッパにいる白人の中でも、そのサブカテゴリに入る白人の種類が違うからである。
たとえば、こういう人種(白人)をそのまた下層に分けるのは難しく、現在は見た目ではなく、話す言語によって、
・ゲルマン系(北欧など、ドイツが中心)
・ラテン系(スペイン、イタリア、ギリシャなどの南欧が中心)
・アラブ系(北アフリカ、中東)
・スラブ系(ロシア西部、東ヨーロッパ)
などに分けることができる。もうザックリ書いてしまったけれども、だいたいこんな感じである。
ちなみによく言われるイギリスなどのアングロサクソンというのは、ゲルマン系の3つの部族(アングル人、ジュート人、サクソン人)の総称である。
なので、アングロサクソンというのはゲルマン系である。なので、英語という言語も、ドイツ語と同じ、ゲルマン祖語なのである。
「白人には何種類ある?北欧系、南欧系、中東系、インド系、アフリカ系を比較」
白人の種類はこの記事でも書いたので、参考になれば幸いである。また、スラブ系の顔の特徴として、少し東アジアにいるようなモンゴロイド系に近く、彫が深くなく、女性の場合、美女が多いともいわれる。(白人の世界ではロシアやウクライナに美女が多いと言われる理由がそれではないだろうか?)
現在のヨーロッパは北欧と南欧のミックスの人が多いので、ヨーロッパ人からすると、ロシア人のようなスラブ系は、同じ白人に見えない場合もあるのかもしれない。
と私は思っている。
以下に、世界主要国家の平均顔を比較したものがある。やはりこれをみても、ロシアや東欧のグループの顔はわかりやすくいうと、それほど濃くなく、白人の中でも、薄顔である。
「日本人女性は話題にもならない?世界40ヶ国、女性の平均顔が比較されていた件【海外の反応】」
よって、人種的に見た場合、ロシアはヨーロッパには見えないのかもしれない。これは、フィンランドが、言語的に、ヨーロッパの言語と孤立しているという理由で、スカンジナビア(北欧)と見なされない場合があるという現象にも少し似ている。
北欧の中心であるデンマーク、スウェーデン、ノルウェーの言語は、インド・ヨーロッパ語族に属しているけれども、フィンランド(ハンガリーも)、この二つの国はヨーロッパでも唯一、ウラル語族というものに属する言語を話している。
ちなみに、ロシア語は、インド・ヨーロッパ語族のスラブ語派であるので、一応言語的にみればヨーロッパに分類される。
②ロシア人の大部分が、「ヨーロッパ・ロシア」に住んでいる
ロシアといえば、ヨーロッパかアジアかわからない、どっちにも属さないような国のイメージがある。私も、どっち?と思ったことがあった。
ロシア語にはこんな言葉がある。
Европейская часть России(European Russia)
この言葉は直訳すると、ヨーロッパ・ロシアであり、つまりヨーロッパ側にあるロシアのみをこのように指すことが多い。(ウラル山脈によって地理的にも隔離されている)
しかも、このヨーロッパ・ロシア地区には、ロシア人口の約77%(ロシアの全人口約1億4000万人のうち約1億1000万人)が居住しているということは、あまり意識されていないのではないだろうか?
ロシアは国土の広さにしては人口が少ないなと思われがちだけれども、このようにヨーロッパ・ロシアだけを考えると、とても人口が多く感じるのは私だけだろうか?
このような視点で考えられる日本人もまた少ないのも事実かも知れない。
ピンク色の部分がヨーロッパ・ロシア。濃い緑はロシアに編入されたクリミア半島、薄緑はウクライナである。
多くの人は、5億人規模の大経済圏でもあるEU(ヨーロッパ連合)の外側に、モスクワやサンクトペテルブルクといったロシアの大都市が存在する。という目線で考えている。
またロシアの人口は、あの広大なロシアの国土に分散されているから、人口密度が低いと思っているかもしれない。
けれども、上記にも書いた通り、ロシアの人口のうち、大部分がヨーロッパ・ロシア(地図のピンクの部分)に住んでいることを考えると、イメージがガラっと変わってしまう。
(ヨーロッパ・ロシアの中心都市、モスクワを衛星写真からみた画像)
以下のように、数字を見てみると、結構驚かされる。
面積
3,984,000 km2 = ヨーロッパ・ロシア
4,324,782 km2 = ヨーロッパ連合
と、ヨーロッパ連合のほうがちょっと大きいくらいであり、面積に関して言えば同じくらいと考えてもいいだろう。
けれども、人口を比較すると、かなりの差が出る。
1億1千万程度 = ヨーロッパ・ロシア
5億人程度 = ヨーロッパ連合
で、私は何を言いたいかというと、これほどの面積に、ロシア語だけを話すひとたちが、1億人以上も住んでいる。ということを考えれば、ヨーロッパで最大の国と言っても過言ではないということだ。
ちなみに上の地図で、ちょうどポーランドの北側に少しばかり赤くなっている部分があるけれども、こちらもロシアの領土で、昔ドイツから奪ったものである。
また、ロシアはヨーロッパ地区では最大級の都市圏であるモスクワを有している。(For your reference)
1位 モスクワ (1617万人)
2位 ロンドン (14,37万人)
3位 イスタンブール (1403万人)
4位 パリ (1200万人)
5位 ライン・ルール地域/デュッセルドルフ周辺 (1147万人)
こういう部分を考えれば、ヨーロッパ・ロシアというのはアジア人からみたら、ヨーロッパの一部に見えるが、フランス・ドイツ・イギリスを中心としたヨーロッパからみれば、アラブ諸国のように、ウチらとは違う、もう一つ大きい極として存在しているように見えるのではないだろうか。
つまり、地理的、経済的に見た場合、ヨーロッパ人からすると、ロシア人はヨーロッパ人ではあるけれども、その中でも異質の存在なのかもしれない。
③ロシア人自身は、自分たちのことをどう思っている?
ちなみに、日本ではあまり意識されていないけれども、ロシアの少数民族の数は、中国よりも多い。
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④世界の人々はロシアをヨーロッパと見なしている?
⑤ユーラシア連合と、ロシア語圏の規模を考える
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