多言語話者として現在海外の拠点から英語と複数言語を教えさせていただいているMULTILINGIRLです。twitterなどに動画(日本語以外の6言語を話している)も載せていますので気軽に絡んでください('ω')ノ
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さて、日本と中国を15回ほど往復しているマルチリンガールりょうこです。( *´艸`)
英語を専門的に勉強している私にとって中国語はそれほど得意なレベルとは言えませんが、仕事で電話をとったり、メールを書いたり、つまり中国語をビジネスで使用した経験があります。台湾の会社で台湾人女性二人と中国語で会話をしながら仕事を進めたり…。
というように、現在はフリーランスでブログや英語教師だけの私ですが、以前は語学を使う仕事を結構しておりました。
最近は難しい中国語ではなくても、簡単な中国語会話が求められるビジネスシーンが非常に多くなってきているような気がします。
以前、こちらの記事でも紹介しましたが…。
で、この記事では、タイトルにもあるように、私が中国語の日常会話程度、その中でも簡単に話せたりする程度になるには、どの程度の語彙力が必要なのか。ということや、新HSK4級に受かるにはどのように勉強すればいいのか。ということを書いていきたいと思います。
①中国語の新HSK4級指定の「1200単語」と、英語における「OXFORD3000単語」の違い
中国語で日常会話程度を簡単に話せるようになろうと思うのであれば、新HSK4級で指定されている1200単語を覚えることをお勧めします。
これは英語における OXFORD3000単語に非常に似ている考え方で、英語や中国語に限らず、どんな言語であれば、日常会話で使う言葉は意外と限られているからです。
まず、こういう考え方を頭に入れることが重要と言えると思います。例えば、新HSK4級の1200単語と、OXFORD3000単語は、明らかに二倍の差がありますが、OXFORD3000単語の場合は、
・surprise
・surprised
・surprising
・surprisingly
のように、変化したような元々の語源は同じ単語がいくつもあり、実際は1200単語くらいしかありません。中国語の1200単語は、このような元々は同じ単語だけれども、形が違うというようなものはリストにありませんので、1200単語をきちんと覚えるだけで、自分が想像もしていないくらいたくさんのことが表現できるようになります。
②新HSK4級のレベルを検証
さて、こちらは新HSK4級を取得すると、どのようなレベルなのか?を示したスクリーンしょっとです。
「幅広い範囲にわたる話題について、中国語でコミュニケーションをすることができ、中国語を母語とする者と流ちょうに話すことができる」ことが求められる。1200語程度の常用単語と文法知識を習得しているものを対象としています。
と書かれています。そして、以下の図は、HSK1級~6級までを図で表したものです。
4級はこの試験の中で中級の上と言えますが、会話に関していうなら、私はこれだけで十分だと思います。また簡単な電話応対や、接客などのビジネスにも使えると思います。
③新HSK4級に満点レベルで合格すると、ビジネスでも使えると思う理由
実際に私の中国語力が、新HSK4級の満点レベルなので言えることなのですが、新HSK4級のレベルには上にも書いてある通り、日常会話が焦点になっています。つまり、日常でよく使う言葉の90%以上は、この級で学べるわけです。
中国語全体をマスターするということは、中国人にとっても無理だけれども、この4級の範囲をきちんと勉強して覚えるということは不可能ではなく、そのように満点レベルで勉強すれば、ビジネスで中国語を使う場合も、仕事の内容をきちんと理解できて新しい単語を吸収する意欲さえあれば、中国語を使い意思疎通ができるようになるのです。
つまり新HSK4級で日常単語、発音(声調含む)などをきちんと勉強すれば、あとは自身でもっと発せるフレーズを増やしたり、習慣的に中国語の音声を聴いたりして磨いていくことができるのですから。
逆に新HSK6級などを一生懸命勉強しても、会話には出てこない部分に気を取られてしまい、いわゆる流暢だね!ペラペラだね!というような中国語の会話力にはならない場合もあります。これは、TOEICで900点以上取っていても会話ができない。
というような人と似ていて、あまりにも専門的な内容(日常に頻出しないトピック)ばかりを勉強していても、それは中国語の日常会話の練習にはならないということです。
ちなみに私の英語の生徒さんでも、TOEIC800点以上や、英検1級を取っていても、英語の発音が上手ではないという方もいますからね…。
つまり中国語の日常会話が上手になりたい。ということに焦点を絞るのであれば、新HSK4級の単語をきちんと覚えることです。
④中国語辞書の使い方
私が中国語の単語を吸収するとき、以下のような新HSK4級の単語を漢漢辞書を使ってこのように書きます。
・艰巨=困难而繁重(~的任务 ㄧ这个工程非常~。)
・艰苦=艰难困苦(~奋斗 ㄧ环境~ㄧ~的岁月 ㄧ~的工作。)
・简历=简要的履历。
・简直=表示完全如此。(屋子里热得~呆不住。)
・嘉宾=尊贵的客人。
で、これだとただ漢字を書いているだけであり、漢字は頭の中にイメージされるけれども、中国語を聴いた時に全くわからないので、全てピンインに書き直します。
・Jiānjù=Kùnnán ér Fánzhòng(Jiānjù de Rènwù. / Zhège Gōngchéng Fēicháng Jiānjù.)
・Jiānkǔ=Jiānnán Kùnkǔ(Jiānkǔ Fèndòu / Jiānkǔ Huánjìng / Jiānkǔ de Suìyuè /Jiānkǔ de Gōngzuò.)
・Jiǎnlì=Jiǎnyào de Lǚlì.
・Jiǎnzhí=Biǎoshì Wánquán Rúcǐ.(Wūzi lǐ Rè dé Jiǎnzhí Dāi Bù Zhù.)
・Jiābīn=Zūnguì de Kèrén.
全く違う言語になりましたよね?
ベトナム語のような…。ベトナム語の中には漢字語はたくさん入っていますが、中国語のピンインのようにすべてアルファベットで書かれているので、上のイメージは、ベトナム語のイメージに近いと思います。
→西洋人は漢字が読めないので、このようにピンインだけで覚える場合が多く、彼らのほうがむしろ会話力が伸びています。
このように漢漢辞書を使い中国語で解説することと、例文を用意することで、どんどん単語力や文法力、発音力は上がっていくので、このやり方は非常に効果的と思いっています。
⑤中国語=普通語というわけではない
中国はとても広く、実にさまざまな中国語が話されています。たとえば、上海語・広東語・福建語・客家語など。もっとあるのですが…。
それを中華人民共和国成立後、北京語に近い北方官話を基本としたマンダリン中国語(現在の中国語の普通語)に統一したため、たとえ外国人である私たちが1200単語で話したとしても、きちんと理解してくれると思います。
なにせ、中国人同士でも共通語として普通語を使っているので、広東省の人と、中国東北部の人たちが普通語で会話をしていてもたまに通じないことがあるくらいなのですから…。
そういうこともあって、1200単語という限られた単語でも、うまく組み合わせれば通じるようにできていると考えればいいと思います。1200単語にある様々な単語をうまく組み合わせることで、色んな単語が生まれますから。
中国語を最後まで極めたい人は、新HSK6級まで頑張ってほしいですね。けれども、中国語を使って貿易業務や電話での簡単なやり取りをしたい。とか、中国の大学に編入したいという人は、新HSK4級を取得するのが妥当と私は考えています。
新HSK4級をとれば、中国の漢語本科(外国人が中国で大学の卒業証書がとれるシステム)の2年生から編入できるところも結構多いです。また新HSK5級に合格すれば、大学の3年生から始めることができる大学も多いです。
もう一つ重要なコトは、
新HSK4級の240点と、新HSK5級の180点は同じくらいのレベルと認識されています。
つまり、HSK4級でこの点数を取るということはリスニングがある程度できていないと達成できない数字である一方、HSK5級の場合は、180点なので筆記だけができていてリスニングがちょっとできる場合でも達成できる数字だからです。
ですが、多くの会社では、HSKの仕組みについてよく知らないため、とりあえず新HSK5級の●●点と書いておけば、中国語ができる人材なのだな!と思われることも多いです。(;^_^A
最後に。
何のために中国語を勉強するのか?というのを一番最初に決めなければならないものだと思います。私はHSKの5級でストップしました。なぜなら、会話を操るにはこの2500語で全然十分だと考えているからです。
仕事で使うにしても、交流するにしても十分すぎます。HSK6級のように5000語も習得する必要は私にはないと思っています。それだったら、スペイン語の1000単語を覚えて、中南米との交流を加速させたいですね…。
hsk 4 vocabulary excel というようにグーグルで検索してみてください。または以下のURLからそのリストも確認できます。
また、よくこの記事をご覧いただいた方から、新HSK4級は、中国語検定にすると、何級くらいなのか?という質問をいただいています。
単語量からすると、
中国語検定のHPから察するに、中国語検定3級レベルと同じくらいなのではないかと思っています。
中国語検定3級の単語数は~2000単語なので、最大で2000単語ということですが、そのうちのほとんどは新HSK4級リストに載っている基本単語であることは確実なので、新HSK4級をきちんと理解できる人は、中国語検定3級もそれほど問題にはならないのかな?というふうに考えています。
いずれにしても、世界では中国語検定というのは認知されていないですが、新HSK試験というのは中国政府公認の試験なので、イメージ的には新HSKテストを受けたほうが良いと思いますね。( *´艸`)
以下、テストに受かるためのコツを追加しました。(2018年9月12日)
一、听力(第一部分)
テストの最初の部分は、聞き取りテストです。聞き取りは、第一部~第三部まであります。第一部では、以下のような問題が出題されるので、リスニングの問題集を何度もやることが重要です。
また、この部分のリスニングはそれほど難しくはないものの、読むことと聞くことはかなり違ってきますので、以下を視覚化して読めた場合でも聞き取りでは聞き取れないことも多いです。
例題①(短めのリスニング)
我想去办个信用卡,今天下午你有时间吗?陪我去一趟银行?→(リスニングの部分)
★ 他打算下午去银行。 ( √ )→リスニングに対して、( √ )か、( × )を入れるだけ。
例題②(少し長めのリスニング)
现在我很少看电视,其中一个原因是,广告太多了,不管什么时间,也
不管什么节目,只要你打开电视,总能看到那么多的广告,浪费我的时间。
★ 他喜欢看电视广告。 ( × )
一見簡単に見える問題だけれども、これは視覚化しているから簡単に見えるだけで、何度も聞いて同じような問題に多く出会うことが重要です。
一、听力(第二部分)
聞き取りの第二部は、誰かと誰かが話している内容となっています。
例題:
女:该加油了,去机场的路上有加油站吗?
男:有,你放心吧。
问:男的主要是什么意思?
A 去机场
B 快到了
C 油是满的
D 有加油站 √
ここでは男女の会話が一文ずつあり、その後、質問が流れます。ABCDから選択すればいいだけなので、非常に簡単な問題と言えます。どれも日常会話で中国人の子供でも発することができるような単語であり、このレベルのリスニングや、会話力はものすごく重要な部分であるため、声調などもきちんと暗記して、完全に覚えることをお勧めします。
たとえば私の場合、上の漢字を見ただけで、
A Qù Jīchǎng
B Kuài dàole
C Yóu Shì Mǎn de
D Yǒu Jiāyóu Zhàn √
のように、ピンインだけをすぐに書くことができます。それだけ基本単語レベルにおいて、しっかり学習したということなのです。
日本人は他の外国人と違い漢字が理解できるわけですから、上のようにピンインを暗記しない限り、会話力が伸びないので、中国語の学習初期段階からピンインでノートを取ることなどもお勧めしています。
上のピンインを読んでもシックリこない場合、自分自身の中国語の会話力を疑ってもいいかもしれません。
一、听力(第三部分)
第三部は、第二部の二倍バージョンです。話している内容は非常に簡単であり、どれも日常会話で必要な内容となっているので、何回も聴いて日常会話で使うことを想定したりすることも重要でしょう。決して感覚で考えたりしないで、一つ一つ発音を覚え、確実に理解できるレベルまで意味やピンインを覚えることをお勧めします。
以下の内容がスムーズに聞けると、日常会話では中国人が話している内容を盗み取って自分で言葉を組み立てて話せるようにもなってきます。
例題:
男:把这个文件复印五份,一会儿拿到会议室发给大家。
女:好的。会议是下午三点吗?
男:改了。三点半,推迟了半个小时。
女:好,602 会议室没变吧?
男:对,没变。
问:会议几点开始?
A 两点 B 3 点 C 3:30 √ D 6 点
ここで、听力(聞き取り)は終了です。つまり、新HSK4級では、日常会話の簡単な言葉のみがリスニングの対象となっており、新HSK5級では、それがもうちょっと長くなり、出てくる単語が変わってくるだけです。
また、新HSK6級になると、新HSK5級とのリスニングの差はかなり広がり、話す人のスピードも中国版のニュースのように、ネイティブスピードになったり、かなり専門的な話をしたりするので、新HSK6級のリスニングは、やはり難しいです。
つまり、新HSK4級のリスニングは、スピードも単語数もかなり易しく、きちんとリスニングの勉強をすれば解ける問題がほとんどだということなのです。
また新HSK4級のリスニングをきちんと勉強することで、中国語会話の向上が期待できます。これは読解などとは違う、耳を介して聴くという、コミュニケーションにおいて非常に重要なことだからです。
二、阅读(第一部分)
この問題は、ABCDEF の単語を、46,47,48,49,50 に埋めるという非常に簡単な問題であり、漢字が分かる日本人はこの部分は簡単にクリアできるので、リスニングに時間を使うことをお勧めします。
A 禁止 B 海洋 C 推迟 D 坚持 E 顺便 F 估计
46.你去买啤酒吗?( )帮我买一盒牛奶吧。
47.刚才听广播说明天可能会下大雨,足球比赛恐怕要( )了。
48.飞机上( )使用手机,飞行过程中手机也要关上。
49.明天就可以在网上查成绩了,我( )这次考得不坏。
50.地球上约 71%的地方是蓝色的( )。
二、阅读(第二部分)
第二部では、ABCの順番を正す問題です。どの順番が自然か?ということを考える問題です。特別自分で文章を作るわけでもなく、順番を書くだけですから、中国語の会話力とはほとんど関係ありません。
A 可是今天起晚了
B 平时我骑自行车上下班
C 所以就打车来公司
答え→B A C
二、阅读(第三部分)
次の問題も簡単で、例題を読んで、★の質問に当てはまる ABCDのどれかにチェックをつけるという問題。
例題:她很活泼,说话很有趣,总能给我们带来快乐,我们都很喜欢和她在一
起。
★ 她是个什么样的人?
A 幽默 √ B 马虎 C 骄傲 D 害羞
ここでは生き生きとしている、面白い、楽しませてくれる。というような単語が並んでいるため、BCDは、明らかに違うので、答えがAというようなちょっと小ばかにしたような類の非常に簡単な問題です。(;^_^A
けれども、この第三部は結構問題数も多く、最後のほうは以下のような長文になるので、油断はできませんよ?
科学技术的发展确实给生活带来了许多方便,但也给我们增加了不少烦恼。
最普遍的是,每个现代人头脑中都要记住很多密码:信用卡需要密码,电脑需要
密码,电子信箱需要密码,有时候甚至连开门都需要密码。如果谁不小心忘记了
这些密码,那麻烦可就大了。
★ 人们需要记住什么?
A 友谊 B 答案 C 密码 D 号码
★ 给人们带来烦恼的是:
A 科学技术 B 电子信箱 C 工作压力 D 环境污染
リスニングにはこういう難しい話は出てきませんので、リスニングはリスニングのCDを聴き、このパートはひたすら内容の理解に努めたり、新HSK4級で指定されている単語を見直したりすることですぐに解読ができるようになります。
三、书写(第一部分)
最後は書き取りですね。日本語と中国語の漢字が違うということもあり、ここは油断ができませんが、第一部は例題に書いてある漢字を並び替えて書くだけなので、大変易しい問題ばかりで、もちろん中国語の会話力には直結しない問題です。
例如:那座桥 800 年的 历史 有 了
答え→那座桥有 800 年的历史了。
三、书写(第二部分)
こちらも非常に簡単です。例えば卓球をしている写真などがあり、その写真の隣に、「乒乓球」という漢字が書いてあれば、その単語を使って一つ、文を作るだけでいいのです。
她很喜欢打乒乓球。
というように書けばよいのです。文法的に間違わずに、写真の隣にある単語を使い文を作ります。けれどもやはり油断できないのは漢字を間違って書かないようにすることですね。また語順を間違わないように、過去問などを解きまくって、傾向をつかむことが重要です。
このテストは受かるためのテストのようなもので、特別難しくつくられているわけではないので、過去問を解いて慣れてしまうことが重要である一方、TOEICもそうなのですが、問題集を何度も解くやり方では、たとえ新HSK4級に受かったとしても、会話は全然できない。ということにも繋がってきます。
なのでやはり私がおすすめしているのは、中国語はピンインでメモしたり、書いたりすることで実際会話するときに漢字ではなくピンインをイメージするという習慣をつけることですね。
以下の問題集は少し古いかもしれませんが、HSKの過去問は、それほど多く販売されていないので、以下から関連のHSK公式問題集が見つけられると思います。また、アプリなどもでているので、自分に合ったアプローチでこの試験と向き合うことをお勧めします。
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