この記事を最初に書いたのは、2015年12月。ちょうど、小池百合子先生が東京都知事選に当選する手前のときだ。
以下、記事の内容はそのままにしつつ、少し今現在(2018年6月)の状況も加味しつつ、付け加えてみた。
→2024年4月に選挙があり、またバズってきたので、さらに内容をわかりやすくしていきたいと思う。
すでに5万再生にも達しそうなこの動画からも多くのことを学びつつ記事を見やすくした次第だ。
①流暢なアラビア語を話す小池百合子先生!?と思いきや…
2015年にアラビア語の学習を始めた私。
そう。この映像で美しいアラビア語を聞いて、私もこんなふうに話したい!というところから始まった。
もちろん最初は口元も全然見ていなかったのでこれは小池百合子さんが話しているものかと思っていたが、よくみると吹き替えじゃん。。(^^;;
ということが判明。
そもそも声の質が違う。
小池さんの優しいというか、フラジールな発声とは全然違うのだ。
ちなみに標準アラビア語自体は、
ヤバニー、アッワラン、スンドゥーク、ファッカルトゥ、アンナフー、イフタール、ルガティルイングリズィーヤ、シャムス、ラマダン
のように、上の動画を流しているだけでも耳に残るような発音なので、英語ほど発音しづらい言語ではない。→子音の数は多いが現地の人でもできていない場合も多いので。
②小池百合子さんの学歴と、カイロ大学卒業疑惑に関して
関西学院大学社会学部を中退し、アメリカン大学カイロ校でアラビア語を勉強し、その後カイロ大学社会学部に編入したという感じのことがネット上には書かれていた。
選挙が近くなるたびにこの問題は取り上げられ、小池さんの学歴疑惑というのが上がってくる。
もちろん私も語学への熱意以外の部分に関しては、なんだかなぁ。という部分も多いので、小池さんを推しているわけでもないし、庇っているつもりでもない。
この問題は、信用の問題であり、そういうものが根底にあるのだと思う。
クリーンな政治に変えていく動きのある今、こういう声は強くなっていくのかもしれない。
③飯山陽氏が小池百合子氏にアラビア語対決要望
2024年に東スポWEBから出ていた上記のタイトルの記事。
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/294645
飯山さんの動画も見てみたが、その中で写っていた小池さんのアラビア語を話す動画は、呂律が回っていないような話し方で、しかも補助してくれるアラビア語のネイティブスピーカーが近くで助けてくれていたりしているようなものだった。
飯山さんが指摘していた発音の部分などは、私もさすがにこれは主席で4年エジプトの大学にいた人が話すアラビア語ではないと思ったし、通訳という仕事が本当に成り立っていのか?という疑問もあった。
けれどもそもそも言語力に関していうなら、今でさえアラビア語学習者が少ないのにあの時代、アラビア語ができる人の数が限られていたので、あらかじめ内容が決まっているものの通訳などなら英語も交えて可能だったという感じだったのではないだろうか?とも思った。
ちなみにアラビア語対決要望!というのがあるけれども、私は個人的に言語で対決とか意味がわからないと思う(言語で何を競い合うの?)=もちろん飯山さんがそれを言ったのかはそこまで動画を見ていないしわからないし、政治的なパフォーマンスとしての注目ということもあるので私はなんとも思わない。
④ペラペラ=通訳レベルとは限らない
こちらは、ドバイの放送局、Al Aan TV により撮影されたもの。
この動画まだ残ってるのだけど、ここで小池さんがアラビア語を話しているのを聞いていると、発音がどうとか、エジプトに四年も大学に通っていてとか、翻訳者として。ということを除いても、この程度のレベルは飯山さんが言う2歳児(大袈裟に表現しただけだと個人的には思っている)の言語力ではないと思う。
日本人の2歳児だってこんな内容を日本語で話せないと思う。
上記の動画の内容は流暢に話しているし、あらかじめセッティングされていたとしても、これだけの内容を流暢に暗記するとしても、英語にで言えば、TOEIC800くらいないと、アラビア語のこれだけの文書を暗記もできない。
それぞれの単語を聞いていても、私が知っている言い回しもあり、もう一度言うけどとてもじゃないけど、2歳児の話す言葉には聞こえない。
英語でもTOEIC800以上でも読み書きだけしてきたがばかりに、上記の動画のようなアラビア語でさえも英語で話せない人が多い中、小池さんはそれをやっている。
つまり学歴に関しては知らないけど、アラビア語力は、外国語力としてTOEIC800前後に匹敵すると思う。
TOEIC800前後と、TOEIC900以上はかなりのレベルの差があるので、TOEIC900には行っていない。とは思うけど、つまり外国人としてその言語でよほど専門的なことでない限り代替のことを話せる力はあると思う。
けど実際、どの言語もTOEIC900くらいに達してから本当の学習がスタートすると言われているように、翻訳者や首席という言葉を使ってしまった小池さんに向けられた目は、周りからは厳しいのだと思う。
ちなみに、小池さんはリビアのカダフィ大統領と単独会見の通訳もやっていたことがあるのだとかないのだとか。。。
ちなみにペラペラ話せるからといって、なんでも話せるとは限らないと思う。
⑤発音が明瞭ではない。方言が混ざっている
こちらの動画では、ジッダンがギッダン(エジプト方言)になっていたり、発音が日本語で話すときのような、柔らかい発声で、上顎や舌を持ち上げたりするようなアラビア語の難しい子音は全く聞こえない。
ここは飯山さんも指摘されていて、私も全く同じことを思う。
特に以下で紹介した、アラビア語特有の子音があるのだけど、これがおそらく上の動画ではほぼ言えてないと私は思った。
①【ع】= [ʕ]
②【غ】= [ɣ]
③【ص】=[sˁ]
④【ض】= [dˁ]
⑤【ط】= [tˤ]
⑥【ظ】= [ðˁ]
⑦【ح】= [ħ]
⑧【خ】= [x]
⑨【ق】= [q]
ちなみに、これらのほとんどは英語にも日本語にもない子音だけれども、それぞれが割と代替のきく子音があり、上記がそれほどうまくなくてもアラビア語は通じる場合が多い。
特にエジプト方言には上記のフスハーの難しい子音はかなり簡略化されていて日本人のカタカナアラビア語でも全然通じてしまう。
各々の方言と違い、フスハーは格式が高いので子音が多いというのもポイント。
で話は戻って、
2:38秒から、もう疲れ切った小池さんが、「どうしよっかな。。ここ。。日本語でいい?」となり日本語に切り替わってしまった。。。。→これが飯山さんが指摘したい全てだと思う。
なのでやはり私が思っている TOEIC800前後のアラビア語力である。
繰り返すが、首席!や、カイロ大学4年間、通訳者!などという言葉がなければ、2:30秒間アラビア語だけで話せているのはそれだけですごい。
⑥眠そうな話し方をする小池さん
クウェートの女性大臣とフスハーで話していた動画と見られるもの。
動画の投稿が、2024年時点、9年前の動画となっているが、2003年、環境大臣だった時のものと思われる。
https://www.env.go.jp/press/4625.html
ちなみに、聞いていると、さきほどの動画では、ジッダンをギッダン(エジプト方言)で言っていたが、こちらではフスハーになっている。おそらく方言とフスハーの違いを体系的にしっかりと勉強していなかったという疑惑がある。
これは英語でもよくあることで、アメリカに留学したけど体系的に自分で単語の比較や発音の違いなどを調べなかったので、
音程やリズムだけはネイティブっぽくなったけど、人前でスピーチすると笑われてしまうような英語になってしまう感じと似てるかもしれない。
いずれにしてもやはりアラビア語の難しい子音がほとんど聞こえない。
ヤアニーはもっと強く喉をひねらせるような音のはずなのに。
いずれにしてもこういうのはアメリカ歴が長く英語が流暢な日本人だけど、発音は日本語発音で、イントネーションはアメリカ人みたいなパターンの人と同じ類だと思う。
決して小池さんがアラビア語ができないというわけではない。ので誤解している人は鵜呑みにしないほうがいい。
ちなみに、動画の最後の方で隣の女性が、もう笑いを我慢できないような感じになっているのが面白い😆
⑦小池百合子先生の英語力(現在の英語力とはもちろん違うと思います)
この動画では、小池百合子先生が英語で話す場面がある。
日本では英語を話す芸能人や、政治家に対して、下手じゃね?とか、発音おかしくね?中学レベルの英語を並べてるだけじゃね?と言ったりする書き込みが絶えないのだけど、そういう人って単に英語ができない人。がコメントしていることが多い。
というのはさておき、私は十分なレベルだと思う。
アラビア語の発音のように英語でも日本人が苦手な部分の発音がちゃんとできていない気もするが英語の場合、いろんな国の方言もある国際言語なので内容が伴っていれば私はなんとも思わない。
=レッスンではアメリカ発音を教えているので生徒さんには強く指導するけど。。
小池さんの英語は細かい発音はさておき、リズムが外国人と同じような感じなので英語慣れしている証拠だと思う。
意外とこういう部分は日本人の方が弱いと思う。上がり下がりとか、自信を持って話すとか、結構基本的なことなのだけどね。
⑧2人の専門家の意見が割れる理由
アラビア語会議通訳者、東海大学客員教授(平和戦略国際研究所)、有限会社エリコ通信社創業者 コンサルタントの、jabarさんというアカウント。
こちらでは小池さんのアラビア語力を評価している。
https://note.com/jaber/n/n5f60bf9ac523
一方、黒木亮氏(アラビア語に堪能な方らしい)という方は、評価していない。
このストーリーを見ても、私が思っていることと、新谷恵司氏というアカウントで書かれていることは一致している。
つまり、前者は、やはり首席や通訳レベル!という割にとか、現在の学歴詐称という意味でアラビア語力を批判していて(6ヶ月アラビア語を勉強したアラビア語力と表現=これは私もありえないと思った)、
後者は小池さんのアラビア語力はアラビア語上級者から見ても大したものだと思うという意見。
⑨この記事のまとめ
小池百合子さんは、英語のレベルで言えば日本人がTOEIC800前後を持っている人たちと同等のアラビア語を話す。
が、特に単語の違いや、発音の違いなどをきちんと調べたことがなかったり、方言とフスハーが混在してしまっているので、一般の人がイメージする通訳者のレベルではない。というのが私の見解。
とはいってもプロの通訳ではなくても、翻訳や通訳する話題を母語であらかじめ理解しているという条件で、自分の持っているアラビア語の単語や表現を用いて自分の意見を言うことができるレベル。
発音は上記で何度も言っているが、日本語にも英語にもない子音がどれもできていなかったので、文脈がきちんと成り立っていないと、相手に誤解を招く表現をしてしまう恐れがあること。など。
リズム感に関してはアラビア語も英語も慣れている感じがあるし、私が聞き取れる表現もたくさん出てきているので決して2歳児ではない。これは飯山さんがそれだけ通訳とか首席とか言ってる割にはという強調表現だと私は受け取っている。
なので飯山さんも本気で2歳児のアラビア語力だとは思っていないと思うのが私の意見です。