この記事では、中国と韓国で日本語教師をしたこともある私が、日本語を学習している学習者の人口ランキングを書いていきたいと思う。
最近、偽装留学生で入ってくる外国人も多く、一昔前の日本語学習者と現在の日本語学習者は若干違いが見られたりするのも、面白いので、過去のデータと比較する形で書いていきたい。
最新情報。2023年における英語圏における日本語の地位
「2023年、英語圏で人気のある言語 TOP10(Duolingo調査)」
①1998年と、2012年の日本語学習者 TOP10 を比較
国際交流基金(ジャパンファウンデーション)では、3年後ごとに各国の日本語学習者状況を調査をして発表している。その中で、日本語を学んでいる人が多い国はどこか。というランキングがあるので、1998年と2012年の状況をまず把握し、その後、最新版の2015年を見ていきたいと思う。→2018年いつ発表されるのだろう。(;^_^A
■1998年時点での日本語学習者順位
Reference Site
https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/survey/result/dl/gaiyou.pdf
■2012年時点での日本語学習者順位
②2015年時点での日本語学習者 TOP10
1000人以下の国
パプアニューギニア(30)
ブータン(30)
パキスタン(84)
南アフリカ(47)
5000人以下の国
スイス(3709)
トルコ(2194)
ペルー(4074)
チリ(1078)
アルゼンチン(3571)
バングラデシュ(2158)
カンボジア(4009)
ハンガリー(1992)
フィンランド(1739)
ポーランド(3985)
スウェーデン(2457)
10000人以下の国
10000人以上の国
10位 マレーシア=3.3万人
マレーシアの人口、3162万 (2017年)にも満たない台湾やオーストラリアの日本語学習者が多いということから考えても、マレーシアでは日本語がそれほど人気はない。という数字になっている。
マレーシアは多民族国家なので、マレー系だけでなく、中華系、インド系などもいるということがこの数字に影響しているのかもしれない。
たとえばマレー系は中国語を勉強して、中華系はマレー語をしっかり勉強したいので、英語以外の外国語を勉強する余裕がないみたいな…。
またマレーシアにくる日本人は基本的に英語で話そうとするので、特別マレーシア人からすれば日本語は必要ない。というように映っているのかもしれない。
9位 フィリピン=5万
人口が1億 (2017年)もいるのにもかかわらず、フィリピンは思ったほど日本語学習者が多くはない国である。その理由は、英語ができるので英語圏などに出稼ぎする人が多いことが挙げられるかもしれない。
フィリピン人の言語は、タガログ語で中心で、言ってみれば英語は第二外国語でもあるので…。
8位 ベトナム=6.4万
ベトナム人による偽装留学生は増えているという。偽装留学生とは留学するように見せかけ、バイトに明け暮れる留学生のことだ。
現在もっとも在住者が増えている外国人、犯罪者率が多い外国人として注目を浴びるベトナム人は、今後、反日になる可能性もある。
国が発展していない段階では親日に見えても、一部の人たちが日本で過酷な労働をして帰ってきて、反日になるケースもあるという。
ベトナムが発展して現在の韓国のようにならないことを祈る。( ´艸`)
7位 米国=17万
米国における日本語学習者数は、11万人(1998年)→17万(2015年)となっており、少しずつではあるが伸びているのが特徴。これは日本で働きたいというよりも、日本のサブカル、日本文化による効果ではないかなと思う。
6位 タイ=17.3万
タイの17万人というこの数字。結構少なくも見えるのだけれども、昔に比べれば、タイでは学校教育における日本語学習者が増えてきていることがわかる。
3.9万人(1998年)→5.4万人(2003年)→7.1万人(2006年)→7.8万人(2009年)→12万人(2012年)→17万人(2015年)
タイのGDPも勢いよく上がっているので、経済発展していくとともに、日本語を学ぶ余裕のある人も増えてきたのかもしれない。
5位 台湾=22万
台湾の日本語学習者は言われているほど多くはない。もちろん個人で勉強している人もその分多いだろうけれども、割合的にも韓国のほうがまだ日本語学習者が多いということになる。また、24万人(2009年)よりも、2万人減っているという結果になっていた。
4位 オーストラリア=35万
オーストラリアの人口は、2460万 (2017年)。台湾の人口、2358万 (2018年)とほぼ同じであるにもかかわらず、オーストラリアのほうが日本語学習者が多い。ということは、おそらくこの記事でも一番注目に値する部分だと私は思う。
上の比較表などをみていると、中国や、インドネシア、韓国では日本語学習者が減っている一方、オーストラリアでは伸びているという現状。
ここで一つ注目するのは、中国や韓国という一人当たりのGDPが日本よりも少ない国では、就職のために日本語を勉強してきた人が多いのに対して、オーストラリアの一人当たりのGDPは、日本よりも上であるという点。
つまり日本が好きで日本語を学んでいる人が多いというふうに読み取ることができるのではないだろうか。
台湾=親日と叫ばれる日本だけれども、オーストラリアも台湾にも負けないくらい親日国家というふうに言うことができるかもしれない。
つまり、一人当たりとしては、台湾よりも韓国よりも、オーストラリアが一番日本語学習者が多いことになる。
以下の記事が参考になるかもしれないけれど、英語の記事でもよくなぜオーストラリアは日本よりも中国との貿易が盛んなのに、中国語よりも日本語を学習する人が断然多いのか?という声もある。
つまりオーストラリアで一番学ばれている外国語は、フランス語、ドイツ語、中国語を抑えて、日本語なのである。
「なぜオーストラリアの日本語学習者は、親日国の台湾や同盟国のアメリカよりも多いのか?」
Reference Site
https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/survey/result/
3位 韓国=55万
94万人(1998年)→84万人(2012年)→55万人(2015年)というように、約半減しているのがわかる。1997年12月3日、韓国が通貨危機(国家破綻の危機)を経験し、国際通貨基金 (IMF) からの資金支援の覚書を締結したいわゆる「IMFによる韓国救済」のころが日本語学習者のピークとも思えるが、実は日本語学習者のピークだった年は、上の比較表には載っていないが、96万人(2009年)である。
上のチャートは韓国のGDP(国内総生産)の推移である。日本と違って、緩やかにずっと伸びてきているのがわかるのだけれど、1997年と、2008年・2009年の部分は、リーマン・ショック(2008年9月15日)の影響を受けたのか、ガクッとさがっている。
なんとなく、このガクッと下がったときに、日本語学習者数も多い気がしたのは、私だけ!?( ´艸`)
現在の韓国は失業率も多い分、持つものは持つという、日本と同様、富の格差が激しくなっており、そのせいもあり、1人当たりのGDPも日本に近づいてきていることから、
「日本、中国、韓国を比較。2016年→2030年→2050年のGDP(国内総生産)ランキング TOP20」
日本語を学ぶ必要性が少しずつ減ってきているのではないか。というのが私の見方。というのも、国家の発展度を見る HDI(人間開発指数)では現在、日本と韓国はほぼ同じ数値でもあるので…。
とはいっても、やはり韓国ではいまだなお、日本語はものすごい人気の言語であることは変わりなく、学校や学院で学んでいなくても個人で勉強している人はたくさんいる。それは韓国の書店(教保文庫)に行けば、なぜか日本語学習の本が多すぎる!っていうくらいある状況を見ればわかるだろう。
「なぜ今もなお、韓国では中国語よりも日本語のほうが人気なのか?」
「中国と韓国における人気外国語TOP10。気になる日本語は何位?」
2位 インドネシア=74万
87万(2012年)だった学習者は、10万人以上も減っている。これには、なにか理由があるのか。日本はシンガポールに次いでインドネシアに直接投資している唯一の国ではあるが、その額が2013年をピークに減少し、また2016年にまた伸びている。ということからも、2015年に投資が一気に減ったことで、学習者が減った?のかもしれない。
もしかしたら、2018年版では、学習者がまた増えているのかも。( *´艸`)
www.pma-japan.or.id/bundles/bsibkpm/download/%E6%96%B0%E7%9D%80%E6%83%85%E5%A0%B1%E3%80%803%E6%9C%887%E6%97%A5%20_rev3_37.pdf
1位 中国=95.3万
中国の日本語学習者は、韓国のようにガクっと落ちてはいない。人口が13億人もいたらそりゃこれくらい勉強する人はいるだろう。というのが、私の感想。しかも隣国だよ?
に比べてオーストラリアはたったの2000万台の人口しかいないのに、中国の日本語学習者の1/3もいる。ということ。これは理解しておくべきことではないだろうか。
Reference Site
(単位:人 出典:国際交流基金「2015年度日本語教育機関調査結果概要」(3.地域別の状況−2015年度学習者数順位)
④日本人は各国の日本語学習者からどう思われている?
日本語を学ぶ理由はさまざまだ。日系企業が投資する国を中心に日本企業で働きたいがためにJLTP(日本語能力検定)を受けるために日本語を学習する人から、趣味として日本語を学んで日本人と仲良くなりたい。という人まで。
日本は最近、外国人労働者の受け入れを急いでるので、その分周辺国、特に東南アジアからますます日本語学習者が増えそうな気もするが、これは一時的なもので終わってしまう可能性もある。
で、以下、「なぜ日本語を学習している?」かについて、日本語を学んでいる代表的な国をピックアップしてみた。
韓国の場合
韓国は国単位で日本のことをライバルと思っている人も多いのだけれども、日本人からすると、韓国はインドよりもGDPが低い国。という見方をする人もいる一方、一人当たりのGDPが高くなってきていることや、人間開発指数(HDI)が日本と変わらない数値である現在の状況をみて、韓国人最近スゲー!みたいに思っている人もいる。(若い人を中心に)
そんな中、韓国では日本は好きではないけど就職したい組と、日本が大好きで日本の就職したい組に分かれている。
その理由は、韓国の国土は北海道よりちょっと大きい程度で、国としての人口も少ないので、(関東甲信越と同じくらいの人口)、国から出て働くというのが、日本人よりも強いからで、韓国では大企業に就職できれば、初任給でも日本人と変わらない、それ以上もらえる場合もあるが、そうでなければ、日本語を勉強したりして日本の中小企業に入るほうが給料が高いからだ。
「大韓民国 VS 関東(日本)。人口や経済力(GDP)などを比較した場合、どっちが強いの?【韓国の反応】」
また、日本語と韓国語は、語順的に似ているところがあり、使用している語彙の半分以上は同じ。(日本統治時代に文法整理が行われたためと私は思っている)
つまり日本人が趣味で韓国語を勉強している一方、韓国では日本語が収入につながる面も少なからずあり、そこが、日本語が話せる韓国人が多い理由だと私は思っている。
もちろんその中には、反日国家の韓国において、日本超大好き!層も、かなりいるが、彼らはたいてい公言していない。
フランスの場合
フランスはヨーロッパで一番日本語学習者が多い。隣国のドイツなんかと比べるとその数字の差はハッキリしている。
つまりドイツでは日本語の人気はないと言えるだろう。つまり、これはフランスが他の先進国に比べても日本好きの人が多いということを表しているものだと私は考える。
「日本語は何位?アメリカ、フランス、ドイツ、ロシア、インドにおける人気外国語 TOP5」
フランスやドイツの反応を訳して記事にしている私でもこれはものすごく感じることでもある。
インドの場合
日本とインドは、今後ますます結びつきが強くなると予想する人が多い。2030年には、インドのGDPが、日本の2倍になるという予想があるけれども、それこそそのくらいには、今よりも日本語学習者が増えていると私は思う。
List of countries by past and projected GDP (nominal)
地政学的、政治学的に言っても、日本とインドは夫婦のような関係になると言われており、中国が存在する限り、日本とインドとの交流はますます強くなると思われるので、今後も日本語学習者は増えていくと思う。
国民全体の所得が上がることと、日本のブランド力が今後も維持されていくことがカギかもしれない。
ちなみに、以下インド人が思っている日本人のイメージの記事も書いたことがある。
インドネシアの場合
つまり、インド(人口の2割がイスラム教徒)が将来イスラム教徒の人口が一番多いという国になると言われているのだけれど、その次に多いのはインドネシアである。つまり、イスラム圏を中心に日本語の重要性が上がってくれば、それが波及していく可能性もあり、私はインドネシアで日本語がブームになることは、とてもいいことだと思っている。
というのも、イスラム教徒をたくさん抱える国であるが故、イスラム圏に日本語の重要性を訴えかける役割をすると同時に、インドネシアの人口は2.5億人ほどであり、ASEANでは、存在感が強い。ので、東南アジアでさらなる日本語学習の増加を見込めるとも思うからだ。と言いたいところだけれども、やはり日本語を学んでくれている分、日本人もちゃんとインドネシア語勉強しましょうね~。と言いたいところでもある。
日本語は世界で人気あるのかな?って気になるくせして、東南アジアの言語を学ぼうともしない姿勢は、東南アジア人の間でも、言われていることであり、日本人がもし東南アジアの言語を勉強しようとすれば、現地でかなり優遇、尊敬されることは間違いないだろう。
「誰も言えない、欧米、東アジア、東南アジア、国籍や人種間におけるタブーな序列(ヒエラルキー)日本人は何位?」
また、そういう誰もやらないことをやることによって、世界観や人生が変わることだってあるのである。This source is from https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/nihongo.html.
(外務省最新データ2012年のもの→現在は、2015年のデータに置き換わっている)