東南アジアの言語

ハワイ語を勉強するメリット(発音は日本語に近く、東南アジア言語の親戚)

2016年11月3日

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ハワイ語を勉強するメリット(発音は日本語に近く、東南アジア言語の親戚)

2016年11月3日


ハワイと言えば、いまだに日本では老若男女問わず海外旅行先として行きたい場所として人気だ。日本人の子供たちでさえ、ハワイ語のアロハくらいなら分かっているのではないだろうか。

実際に、ハワイの中心地ホノルルは人口規模にしては日本人が一番多い。私は小さい頃、アロハは英語だと思っていたけれどね…。

「日本人が一番多い世界の都市 TOP25(1997年→2010年→2019年の比較)」

大人になるにつれ、仕事で使われる言語をメインに勉強するようになるものだけど、ハワイ移住する芸能人が多いように、英語+簡単なハワイ語100フレーズくらいは覚えたいという人も中にはいるかもしれない。

そんなハワイ語。実は日本人にとっては一番簡単な言語というよりも、一番発音しやすい言語だということはあまり知られていない。

多くの日本人は韓国語の発音は他の言語に比べ割と発音しやすいと言うが、それよりももっと発音しやすいのがスペイン語であり、ハワイ語はそれを超えて日本語と同じモーラ(拍)言語とも言われている。

この記事ではそういう音という意味でのハワイ語や、実は東南アジアの言語と兄弟であり、類似点が多い事や、また少しでも学習の動機づけになるようにハワイ語に関する雑学的なものを交えながら書いていきたいと思う。

 

①日本語とハワイ語が似ている部分

まず日本語とハワイ語が似ている理由を簡単に説明すると、そのポイントは、タイミングである。タイミングとは、プロソディ、アクセント、イントネーション、ピッチなど、普段日常会話ではでてこない言葉と同様、音声学などの用語なので、時期を意味するタイミングではないということは最初に言っておく。

世界の言語は、おおまかに3つのタイミングに分かれる

①モーラ・タイミング
②シラブル・タイミング
③ストレス・タイミング

この中で、多くの主要言語が②のシラブルタイミングだ。中国語、フランス語、スペイン語、韓国語などがそれに当てはまる。一方③のストレスタイミングに当てはまるのは、英語、ロシア語、アラビア語など、日本人にとって音感的に難しく感じる言語ばかり。

ここでポイントなのは世界の主要言語の中で、日本語とハワイ語だけ(アフリカの言語など主要言語ではないものには、モーラタイミングの言語もある)が、①のモーラタイミングだということ。

以前、このタイミングについては書いたことがある。

「プロソディ / 発音 / アクセント / イントネーション (抑揚) 意味の違い」

 

②モーラタイミングとは

少しでも日本語とハワイ語の近い部分であるモーラタイミングを知りたい。となると、このモーラタイミングとは、その他のシラブルタイミングやストレスタイミングと何が違うのか?を理解しなければならない。

まず、このハワイ語を学ぶ子供たちの動画を見て欲しい。これを見ると何となくわかるのだけど、発音が非常に聞きやすいと感じなかっただろうか。

英語をメインに学習している日本人にとって、ハワイ語がとても簡単に聞こえる理由はまさにタイミングの部分なのである。

つまり、ストレスタイミング言語である英語は、上がったり下がったり、普段強く発音する部分も、話す内容によっては小さくなったりと、非常に忙しい言語であるのに対して、ハワイ語は日本語と同様、一つ一つ、手を叩いて話すように、話すので拍(モーラ)言語と呼ばれているのだ。

・モーラタイミング→「あ/い/う/え/お」と、全部ひとつずつ基本的に発音する
・シラブルタイミング→「あい/う/えお」と、「あい」と一つにする部分でモーラと違う
・ストレスタイミング→「あい/ぅぇぉ」のように、シラブルタイミングと基本的には同じだけれども、ストレスのかかるところを強く発音し、それ以外は、ぼやかして発音するイメージ。

なので、③は日本語話者からするとかなり特殊に聞える。

日本人は発音を重視する人が多く、確かに発音は非常に重要なのだけれども、このようなタイミングというリズムの取り方も言語学習では、重要である。


以下、英語で書かれたものだけれども、アメリカ英語のリズム、発音を学ぶ上で一番売れている本。(ベストセラー1位)

英語の音声学が分かると、タイミングの概念も理解できるので、世界の主要言語全ての音の感覚も分かりやすくなる。

American Accent Training: With Downloadable Audio (American Accent Traning) (英語) ペーパーバック – 2017/7/15

CDつきなので私は1年間はCDだけを聞きそれ以降は、テキストを精査する勉強法でやってみた。

さて、次にハワイ原住民と日本人の関係について少し書いてみたいと思う。

 

③ハワイ語のインタビュー動画

この日本人っぽい人が話しているハワイ語。おそらく現地の人だろう。やはり、日本人にも顔が似ている人が若干多い印象(日系人も多くいるので・・)。いずれにしても、こういうハワイ語だけで話す動画は貴重なので、しっかり目に留めておきたい。

ハワイ語にも標準語があるが、これはニイハウ島で話されているニイハウ方言。この発音を聞いてやはり日本語に近く聞こえないだろうか?モーラタイミングの言語は、日本語、ハワイ語、スロバキア語などと限られているので余計に親近感を持ってしまう。

 

④ハワイ原住民と日本人の関係

By Henry Wetherbee Henshaw(1850–1930)Alternative namesHenshaw; H. W. Henshaw; Henry Henshaw; Henry W. HenshawDescriptionAmerican explorer, anthropologist, ornithologist, zoologist and photographerDate of birth/death3 March 18501 August 1930Location of birth/deathCambridgeportWashington, D.C.Authority control: Q3133151VIAF: 41419424ISNI: 0000 0001 0557 6832ULAN: 500090324LCCN: no95000596NLA: 35689864WorldCat - Portrait of Boy 1900, by Henry Wetherbee Henshaw.jpgPortrait of Girl 1900, by Henry Wetherbee Henshaw.jpg, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=54213513

 

日本人はどこから来たのか。ということがよく話題になる。DNAから見ると、北方説、南方説で見解が分かれる場合が多かったり、朝鮮半島から入ってきた人たちなど、日本には多くのルートから色々な人が入ってきていることが分かる。

「韓国人とは違う?日本人の遺伝子Y染色体DNA(父系)とミトコンドリアDNA(母系)「ハプログループ」の種類を比較」

その中で最近は、太平洋諸島の民族と、日本人はもともと近いのではないか。という説まである。つまり日本には、中国大陸や半島から入って来る前に、縄文人がいたけれども、彼らに一番近いのはまさに太平洋諸島の人たちではないか。ということだ。

色々な説があるので、そういう考えもある程度に…。

太平洋諸島は人口が少ないのであまり注目されることはないが、この地図からも分かるように、日本に一番近いグアムなどのミクロネシア、オーストラリア北部のパプアニューギニアなどを始めとするメラネシア、一番北部にハワイ島があり、ニュージーランドまで含むポリネシアと、この3つのネシアには、オーストラロイド系の人たちが住んでいる。

オーストラロイド系と言うのは、世界3大人種が、コーカソイド系(白人)、ネグロイド系(黒人)、モンゴロイド系(アジア人)だとすれば、第4番目とも言える人種であり、簡単に言うと、インド南部の人たち、オーストラリアのアボリジニ、ニュージーランドのマオリ人など。そして広義ではマレーシアやインドネシア、フィリピンなども含む。とはいってもこの定義が曖昧なので一概には言えない。

「黒人には10種類ある?ネグロイドと、オーストラロイドの違いと、世界に散らばる黒人」

日本人にはインド東部のアンダマン諸島に住む人たちと同じハプログループがあると言われているけれども、無理やりこじつけると、日本人にも太平洋諸島にあるような、DNAが入っているのではないだろうか。ということであり、ハワイ語と日本語がなんとなく似ているのは、ともに平和を愛する民族性だからではないか。と勝手なことを以前書いたことがある。

「日本人は黒人?日本人と同じ【ハプログループ D】を持つ、チベット人と、アンダマン諸島のオンガン人(ジャラワ族、オンゲ族)」

 

 

 

⑤オーストロネシア語族の言語

ハワイ語はオーストロネシア語族の言語である。この言語系統には、には以下のような言語が含まれている。

インドネシア語、マレー語、タガログ語、ジャワ語、バリ語、スンダ語、セブアノ語、マドゥラ語、マナンカバウ語、ブギス語、マカッサル語、アチェ語、マダガスカル語、フィジー語、サモア語、トンガ語など。

例えば数字だけを見てみても、ハワイ語とタガログ語(フィリピンの公用語)にはいくつかの類似が見られる。

英語タガログ語ハワイ語マオリ語
oneisaHoʻokahiKotahi
twodalawa ʻeluarua
threetatloʻekolutoru
fourapatʻehāwha
fivelima ʻelimarima
sixanimʻeonoono
sevenpitoʻehikuwhitu
eightwalo ʻewaluwaru
ninesiyamʻeiwaiwa
tensampuʻumitekau

タガログ語とハワイ語は同じオーストロネシア語族のマレー・ポリネシア語派だけれど、その下層はタガログ語(フィリピン語群)とハワイ語(ポリネシア諸語)で分かれている。なので、全ての数字は一致しないが、英語に比べればこれだけの一致があるのだ。

そして、ハワイ語(ポリネシア諸語)と、マオリ語(ポリネシア諸語)はかなり一致していることがわかる。マオリ語とはニュージーランドの先住民が話す言葉である。

 

⑥ハワイ語を学習するメリットはある?

確かにハワイは憧れの地でもあり、発音が簡単であるならハワイ語を少し勉強してみたい。とか、アジアでもアメリカでもない太平洋のど真ん中の楽園で、ハワイ語も少し話しながら英語環境に身を置きたいという人も少なくないだろう。

けれども簡単に言ってハワイ語を勉強するメリットは他の言語を勉強するメリットに比べればかなり低い。

とはいっても、英語がある程度でき、ハワイ好きでハワイによく行く人が趣味程度に勉強したり、ハワイ語を勉強することで他の言語との関連性を調べるのが好きな人には、向いている言語だとも言える。

英語ができていない人はまず、3000単語をクリアすることをお勧めする。また、英検準2級くらいを合格すると、単語や文法が会話の面で十分なレベルに達するので一安心できるし、言語の構造がわかるので、他の言語を学ぶときにも容易になる。

「世界では常識?日常英会話の90%以上は、OXFORD 3000単語だけで十分な理由」

とはいっても、ハワイ語を簡単なフレーズレベルで勉強したい人は、英語とか全く関係なしで、すぐにでもCD聞いてみるとか、簡単な言い回しを覚えてみたらいいかもしれない。

またハワイ語はハワイを愛する人が勉強するにはいいけれども、他の意味で、注目を浴びたいとか、新しい世界を体験したい人は、人口の多い、アラビア語やインドネシア語を勉強することもお勧め(';')/

インドネシア語は、シラブルタイミングだけれども、カタカナ発音で通じることも多く、同じ島国で、日本人と近しき部分もあるので、結構お勧め('ω')ノ

「インドネシア語・マレー語を勉強するメリット、需要、重要性」

 

⑦ハワイにおける求人

最近、ハワイ系の求人が目立つ。例えば、接客業で、時給18ドル~(米国就労許可を持っている人限定)などと魅力的な案件もある。

また日本の派遣業者がハワイに派遣するパターンもあり、場所によってはインターシップの名の下、こちら側が働く側なのに紹介料など採られる場合もある。

とはいっても海外求人は最近、色々な形であり、何もハワイだけが選択肢ではない。ということは覚えておこう。

様々な形で働きながら、英語が学べる時代になってきているよね。

 

⑧ハワイ語の教材

私が探した中で一番良さそうだったのが、この本。ハワイ語の基本的な部分を書いていて、難しいフレーズなどよりも、実用的で普段使うようなものに焦点を当てているので、ちょっとばかりハワイ語をかじりたいという人にはお勧め。

(画像をクリックするとアマゾンでレビューがご覧になれます)

また、オンラインでハワイ語をかじりたい方は、ハワイ語会話集をご覧くださいね。。。こういう会話集はエクセルにコピペして、フラッシュカードのように、ハワイ語の部分を黒くマーカーで隠し、何も見なくても言えるようにするのがおすすめ('ω')ノ

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