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大阪とソウルどっちが大都会で国際都市?!

2016年11月3日

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大阪とソウルどっちが大都会で国際都市?!

2016年11月3日


韓国に行ったことのない日本人がよく聞いてくる質問。それが、大阪とソウルどっちが大都会で国際都市?!みたいなものである。

日本から出たことのない人、または韓国へ海外旅行に行ったことのない日本人にとって、ソウルってどんな規模の都市なのか?ということは非常に想像しにくい。そんな私は神戸に住んでいた時に大阪まで通勤していたし、韓国には留学、仕事、旅行などで20回以上行っている。

1990年代、日本のバブルが弾けたとは言え、世界における日本の経済的な優位性はまだ高かった。この当時、1990年のGDP(国内総生産)で言うならば、

日本とアメリカだけで、日本円で約900兆円のGDP、それに続く、ソビエト、西ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、メキシコ、ブラジル、カナダの合計、780兆円よりも多かった。

※1ドル=100円というざっくりな計算で。

https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_countries_by_largest_historical_GDP

つまり何が言いたいのかというと、つまり日本とアメリカの時代だったのである。当然、この時代を知っているものからすれば、日本、アメリカ、ヨーロッパ以外は格下のように見えるだろう。

なので1990年代を知っている年代からすると、どう考えても、当時経済的に日本よりもかなり遅れていた韓国のソウルは、東京とは比べ物にならないと思う人が多い点である。

せいぜい大阪とソウルが同等くらいだろう?と思っている人が多い。

ということで、この記事ではそういう世界のパワーバランスの変化も考慮して、考えていきたいと思う。

 

①大都会と国際都市の違いを知らない日本人

(ソウルの南側、江南の高層ビル)

大阪とソウルってどっちが都会なのぉ!?みたいなことを議論している日本のとある掲示板では、大阪のほうが大都会という意見もある。けれども、それは違うということをここでキッパリと言いたい。

たとえば、都会という意味を辞書で調べてみると、

人が多数住み、商工業が盛んでいろいろな文化的設備がある土地。都市。

というふうに出てきた。この点でいえば、大阪もソウルもどちらとも都会である。無論、大阪は、神戸や京都と電車で繋がっている近畿圏としての意味で。

都会や都市は、英語に略すと、 City で済ませられるが、日本語にすると、都会が上に抜粋した意味であるのに対して、都市はまさに英語の City と同じで、大阪市。というただそれだけのことを指している。

なので、香港やシンガポールのような名古屋くらいの都市圏規模でも、都会ということができる。

香港やシンガポールは都市圏人口は名古屋ほどしかないのにもかかわらず、国際金融都市であったり、貿易の中心地でもあったりするため、人・モノ・金が流れてくる点で、経済が活性化したり、ファッション的なトレンドの地区になったり、あらゆるものを誘致できる点から、大都市圏ではないが、大都会と言える。

つまり福岡みたいな500万人しかいない都市圏であっても、外国人をたくさん呼び込む魅力、経済活動の拠点が構築できれば、福岡=シンガポールみたいなアジアから人・モノ・金が集まる大都会に変貌させることは可能という意味なのである。

けれどもやはり、大都会というには、人口がかなりいるほうが、しっくりくるという点で言えば、大都市圏であるほうが、大都会に近いイメージにもなってくる。

この点で言えば、ソウルは大都会でもあり、国際都市でもある。一方、大阪は大都会ではあるが、大企業の多くが東京に拠点を置いているため、国際都市という意味ではソウルには勝てない。

その証拠は、グローバルシティランキングにも表れている。以下は、森ビルで有名な、「森記念財団 都市戦略研究所」が発表した世界の都市総合力ランキング(GPCI)

①Global Power City Index 2017(森記念財団 都市戦略研究所)

http://mori-m-foundation.or.jp/english/ius2/gpci2/index.shtml

画像をクリックすると、ページに移動します。

ソウルは、シンガポールに近い水準となっている。これはソウルの人口自体が東京に近い点も考えられる。

また外国で発表された報告書「2018 Global Cities Report」では、東京は相変わらず、ソウルもやはりアジアの中では高い。

けれども大阪は圏外だ…。

 

②2018 Global Cities Report


https://www.atkearney.com/2018-global-cities-report


画像をクリックすると、ページに移動します。

01位=ニューヨーク
02位=ロンドン
03位=パリ
04位=東京
05位=香港

この5都市は不動であることが多い…。たまに香港とシンガポールが逆だったり。

06位=ロサンゼルス
07位=シンガポール
08位=シカゴ
09位=北京
10位=ブリュッセル

11位=ワシントンDC
12位=ソウル
13位=マドリード
14位=モスクワ
15位=シドニー

16位=ベルリン
17位=メルボルン
18位=トロント
19位=上海
20位=サンフランシスコ

という結果となっている。

ここにはソウルが、12位にランクインされている一方、大阪という名前はやはり出てこない。このグローバルシティランキングでは、

政治、人種、教育、金融、医療、観光、本社機能などあらゆるものを総合的に評価。こういう総合的な部分からみることも、どっちが大都会?と考えるとき必要かもしれません。

つまり、世界の人たちが認識しているのは、大阪よりはソウルが都会ということである。

②大都市圏で大阪とソウルを比較すると、その違いは歴然

まず都市圏人口の意味は、大阪の場合、神戸、京都、奈良などの周辺都市を含めたものを一つにまとめて都市圏(メトロポリタン・エリア)というに捉えることである。

英語圏では都市よりも、都市圏規模でその経済力をランキング化することが多い。以下のウィキペディアの世界の都市圏人口の順位によると、東京は世界で最大の都市圏である。

List of metropolitan areas by population

このことは、アメリカ人にもよく知られており、ニューヨークと東京の人口を比較するときに、東京のほうがでかい。と皆声をそろえて言う。

「ニューヨークと東京ってどっちが都会なんですか?また、世界の中心はタイムズスクエアと渋谷どっち?【アメリカの反応】」

上のURLを表にするとこんな感じで、都市圏人口においては、ソウルは東京には敵わないものの、韓国の総人口5000万人の約半分がソウル近郊に住んでいることになる。

つまり、国がソウルに使うお金と、日本が近畿圏に使うお金も全然違うということになる。ソウルは近畿よりお金がかかっている。(投資が活発の意味)

 

順位都市圏都市圏人口年度
1東京日本37,832,892[3]2016
2上海中国34,865,252[4]2010
3ジャカルタインドネシア31,689,592[5]2015
4デリーインド26,454,000[6]2011
5ソウル韓国25,514,000[7]2016
6カラチパキスタン25,100,000[8]2016
7広州中国25,000,000[4]2010
8北京中国24,900,000[4]2010
9マニラフィリピン24,650,000[9]2018
10深セン中国23,300,000[4]2010
11メキシコシティメキシコ21,650,668[10]2017
12サンパウロブラジル21,242,939[11]2016
13ラゴスナイジェリア21,000,000[12]2014
14ムンバイインド20,748,395[6]2011
15カイロエジプト20,500,000[13]2012
16ニューヨークアメリカ20,320,876[14]2017
17京阪神日本19,342,000[3]2010
18武漢中国19,000,000[4]2010
19成都中国18,100,000[4]2010
20ダッカバングラデシュ17,151,925[15]2011

都市圏人口で言えば近畿圏が対抗できる都市はニューヨークである。

「なぜ、ニューヨークは東京ではなく、むしろ大阪に似ているのか?」

つまり、ソウル首都圏人口は、ニューヨークよりも多い。これは大阪、神戸、京都を合わせた規模よりも多いという意味である。

ソウルに観光に行く日本人は非常に多いけれども、そのほとんどがソウルの中心部である明洞、江南を観光して日本に帰国するパターン。

このように、ソウルの周辺にはかなりの衛星都市がギュウギュウ詰めになっているということを肌で感じている日本人はほんの一握りである。

やはり大阪以上に繁華街が点在するソウルは大阪よりも都会と言えるのではないか?となる。都市圏の人口の多さでもソウルは大阪のみならず、関西圏を凌ぐ。

https://en.wikipedia.org/wiki/Megacity

それに加え、大阪近郊では見られない仁川という巨大都市がソウルの郊外にはある。



https://koreaexpose.com

首都圏にある横浜みたいな存在である仁川は、最近、仁川自由経済区 (Incheon Free Economic Zone) というものを松島(ソンド)という仁川空港からも近い立地に作ってしまったので、日本でいう横浜よりも、韓国では仁川の力はかなり強いものとなっている。

ここまでくると大阪はソウルには敵わない…。

せめて、私個人的には、神戸と京都が、もっと大阪中心部の近くにあれば、大阪を中心とした都市圏が今よりは存在感を増すことができるのではないかとも思う。

大阪には環状線があるけれども、梅田や難波以外にも、神戸駅規模と京都駅規模の駅が環状線に追加されれば、大阪のイメージはかなり変わる…。

 

③大阪とソウルの繁華街の数

大阪には新宿を超える商業面積でもある日本一の繁華街、梅田が存在する。けれども、ソウルの明洞(漢江より北の地区)や江南(漢江より南の地区)も負けてはいない。

特に明洞は新宿に匹敵する商業面積を有すると私は思う。上の写真、高層ビルがたくさん集中しているのが、明洞界隈である。ここは日本統治時代からずっとソウルの中心部である。

写真を見ても分かるように、明洞(周辺の繁華街も含む)の景観もかなり圧倒されるものとなっている。

この明洞一帯は、新宿と渋谷と池袋を3つ合わせたくらいあるのではないか?ソウル駅や、鍾路、光化門、東大門など、ソウルに行ったことのある人なら聞いたことのある場所がすべて上の写真に詰まっている。

実際に、渋谷と新宿と池袋を3つ合わせるといったら、とんでもない大都会になってしまうので、想像すらできないけど、そこまではいかないにしても、それくらいソウルの北側は大都会だと思う。

http://www.housekorea.net/gangnam-the-most-expensive-real-estate-in-korea/?ckattempt=1




(画像をクリックすると、ショートビデオがみれます。)

またこちらは江南地区。ソウルの南側もこれだけ発展しているのだ…。はぁ!?どんだけデカい都市なの…。っていう感じ。

江南の大通りは銀座のビルをもっと高くしたようなイメージで道路が真っすぐでかなり整備されていて、東京では感じることのできない街並みだ。
とにかく高層ビルだらけで、歩いている人たちも、ソウルで一番洗練されている。

よく韓国では江南には美女が多いと言われるけれども、それはつまり整形している人が多いという意味だ。

また江南は大通りだけはきれいに見えるけれども、中通りに入ると、汚い場合も多い…。

で、大阪とソウルどちらが洗練されているか?でいえば、当然、大阪でしょう。と誰もが思うはず。数年前までならそんな感じだった。

けれども今や、HDI(人間開発指数)におけるランキングで、日本と韓国はほぼ同じ数値であり、

Countries by Human Development Index

平均余命や教育、中間収入などの数値を見ても、ソウルと大阪はほとんど変わらない。

つまり、どっちが都会?ということだったら、人口にしても、総合的な評価でも、ソウルだというのが私の意見だ。

もう一つ付け加えて言うと、最近はファッションの点からみても、世界的には韓国のファッションのほうが評価されているというのもソウルが洗練されているというポイントに繋がる気がする。

一方、確かに大阪の梅田は世界有数の繁華街である。最近では東京人でも初めて大阪に行ったときに、梅田がかなり都会化されていることに驚きを隠せないということを聞いたことがあるし、東京人からすると、大阪は270万人ほどの小さな都市にみえるのだけれども、実際に行くとその都会差に驚くようだ。

梅田は近畿圏(関西圏)の都市から人を吸収できる立地にあるので、繁華街としてはかなり大きい。

④大阪とソウルの地下鉄路線図を比較

どちらも同じように見えるものの、ソウルの場合はほとんどが地下鉄。大阪の地図の場合は、私鉄、JRなど地下鉄も混ざっている。

 

⑤英語人材の多さと伝統

ソウルは韓国の首都であり、1国の大企業が集中しているため、英語を話すことのできる人も多く、外国からの観光客もたくさん、大阪よりもソウルにやってくる。最近は大阪にやってくる外国人もかなり多いけれども、ソウルの場合は韓国を代表する都市なので、韓国に旅行に行く人のほとんどがソウルに足を踏み入れるのに対して、日本の場合東京に行く人のほうが圧倒的に多い。

そういう意味で記事の上にも書いたように、国際化しているという点ではソウルが上である。

一方、伝統的な部分を見ると大阪のほうが断然上だ。

というのも、大阪は古いものも残しながら、日本の伝統を伝えている部分で、日本に来る外国人の中でも一番楽しかったという声がきかれるからだ。そういう意味でも、大阪は東京やソウルのようにならないでほしいという気持ちもある。

つまり日本の良い部分を残した大都会であり続けてほしいのだ。伝統を守るということほど難しいことはないので…。

「日本在住の外国人が、東京ではなく【大阪】にハマってしまう理由」

最後に。この記事は私の主観で書いているけれども、ソウルを知らない方のために少しでも参考になれば幸いだ。

 

フェイスブックでのコメント



新澤さん
ソウルに行ったのは20年以上前ですが、私は大阪よりソウルが好きです。何か率直な町という印象です。


戸谷澤さん
仁川開港前の金浦空港に初めて着いた時はどこぞの田舎の空港なんだ?と思いました。ソウルの街中もカッコいい!というよりかは元気!な人が多かった気がします。

大阪もソウルも確かにきれいなものは多いけどいまひとつ洗練されていない印象。そのアンバラス感、ギャップが大好き。今でも大阪に住み韓国に通う理由。


Kataokaさん
行きたくない国です。金浦空港の頃はよく遊びに行きましたが。慰安婦問題が出ましてからは行きませんね。

Takedaさん
これはソウル。周りの文化圏を入れてだったら、大阪になるけどな。。。昔はスラムだった江南が、今や一等地だからね。。。ソウルも、仁川や、水原もいれたら大概広いよ


崔さん(韓国人)
ムカシ江南がスラム?でしたか???


金さん(中国人)
いや、北京と東京が大都市なんですね笑


安藤さん(上海在住老人)
東京ではなく、大阪とソウル比較ですか。ソウルに仕事で行ったことはあるけど、戦後いち早く復興した日本に比べて、まだかなりスラムっぽいところでした。今はどうなんですか?知りたいです。

東京も実はたいしたことありません。範囲の線引きで変わりますが‥‥‥‥‥

ほとんどの人が今の東京を全部東京だと思っているけど、私の感覚では浅草、上野、深川、本所が東京都心。
谷中、根津、本郷あたりは郊外。で以上が東京市内の全て。渋谷、目黒あたりは里山地帯だから東京ではない。
板場や練馬や世田谷なんて山奥であり東京とは別物。なんですよ。


百歩譲っても北町奉行所があった四谷までかな。ちなみに私の田舎は代々木です。四谷より西に外れるから東京ではありません。他県の人に代々木出身だと言うと「東京の真ん中の人ですね)なんて言われますが、渋谷、代々木、目黒の原住民は東京人だと思われるのがイヤで仕方ありません。代々木や渋谷は目黒とともに品川県だったのに東京に侵略されて今では東京に都税を払わされてます。でもあくまでも品川県民の気持ちでいます。

井原さん
素晴らしい…こんな正しい認識の人がいるとは…保存して拡散したい…私も数年前に墨田区に移住してかつて両国が最も栄えていたと知りました。今はスカイツリーができて押上上野浅草あたりにまた活気が生まれています٩( 'ω' )و

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