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東南アジアに「オーストラリア人」が多い理由と、日本人が知らない「インドネシア」と「マレーシア」について TOP10

2017年1月15日

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東南アジアに「オーストラリア人」が多い理由と、日本人が知らない「インドネシア」と「マレーシア」について TOP10

2017年1月15日


最近私はマレーシアに滞在しているわけだけれども、あることに気づいた。それは、この東南アジアにはオーストラリア人が非常に多いということだ。おそらく東南アジアに住んだことのある人なら、少しは感じたことがあるかもしれない。

違う記事でも書いたのだけれども、ここ東南アジアでは日本や韓国以上に、白人=偉い。というような雰囲気がある。特にタイ。

なので私は、これらの白人の国籍は一体どこなの?と思ったことがあって、調べた結果タイに来るほとんどの白人は、ロシア人とオーストラリア人であることが判明した。

「誰も言えない、欧米、東アジア、東南アジア、国籍や人種間におけるタブーな序列(ヒエラルキー)日本人は何位?」

というように、東南アジアへ旅行に来たことがある人、住んだことがある人なら、東南アジアの人種の複雑な事情?というようなもの、つまり私の言わんとしていることはなんとなくわかるかもしれない。

この記事では、この東南アジアとオーストラリアの意外な共通点、そこから見えてくるこれらのエリアにおけるヒントを書いていきたいと思う。

 

①「オーストラリア」の本当の意味を知らない日本人




www.aussienewsviews.blogspot.jp/2014/01/indonesia-demands-immediate-cessation.html

まずこの地図をみたとき、日本人であれば、オーストラリアでかっ!!とか、日本よりも物価が高くて時給も高いオーストラリアで働きたいなぁ。って、特に若者だったらイメージするかもしれない。またグレート・バリア・リーフやコアラなんかも見てみたい…、白人さんと結婚したい。とか訳の分からない妄想を抱くだろう。

で、私はなぜこの地図を見てもらったかというと、別にそんな幻想を抱いて欲しいからではない。

オーストラリアという国名の意味をきちんと理解してほしいのだ。

もともとオーストラリアは、ラテン語で、australis と書き、南方の。という意味であった。これは、古高ドイツ語(eastern realm)からきたオーストリア(ヨーロッパの国名)とは違う。

で、世界には大きく分けて3つの人種があり、

「アジア人、白人、黒人の骨格の違いが凄すぎる件」

もう一つ、アジア人とか、黒人に分類されることがあるけど、明らかに違う人種がいる。それが、オーストラロイド人種だ。

「黒人には10種類ある?ネグロイドと、オーストラロイドの違いと、世界に散らばる黒人」

つまり、オーストラリアというのは南方という意味であり、それと同時に、南方の民族であるオーストラロイド人種であるアボリジニが暮らす土地なのだ。

つまりオーストラリアという国名を聞いて白人を連想するというよりは、アボリジニを連想するほうが普通なのである。

よって、オーストラリアと東南アジアは、運命共同体まではいかないけれども、一つの軸みたいに思ってもいいかもしれない。

分かりやすく言うと、東南アジア、オセアニアというふうに分けるのではなく、オーストラリアも東南アジアの一部というようなイメージである。

②東南アジアの人種の区切り目はどこ?

東南アジアといっても、北部はタイ、ベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマー(インドシナ半島の国々)と、南部は、マレーシア、シンガポール、インドネシアと分かれている。

そして、どちらにも属さないけれども、人種的には南部なのがフィリピンだ。フィリピンは、日本の真下にあり、東側から東南アジアを俯瞰しているような位置にある。

インドシナの国々はタイを中心として、ベトナムやミャンマー、ラオス、カンボジアなどがあるわけだけれども、これらの国々は中国人に似ているような人も結構多い。というのも、インドシナ半島は中国と繋がっているからだろう。

けれどもカンボジアなどは、インド系が入っているとも言われている。

それが、マレーシア(多民族国家なので中華系も多い)やインドネシアに行くと、ガラっと人種が変わり、みな黒い人ばかりになってくる。

これがいわゆるオーストラロイド人種なのである。その根拠となるのが、言語学では、

・フィリピン語(タガログ語やセブアノ語)
・マレー語
・インドネシア語

などは、オーストロネシア語族という言語系統に分類され、単語もものすごく似ているのだ。そして、面白いことにアフリカの東側に浮かぶマダガスカルという島。ここには昔マレー系の人たちがやってきていたので、マダガスカル語も、上記の言語に似ている。

もちろんマダガスカル人も、アフリカにいるような黒人ではなく、マレー系の入った黒人である。

つまり、東南アジアとか、ASEAN(東南アジア諸国連合)で一括りされているあのエリアは、タイのバンコクあたりから、下と、そこから上とで、結構人種が変わってしまうということ。(帯の南部はイスラム教徒も多く、浅黒い人も結構多い)

③偽イスラム教国家の「インドネシア」と「マレーシア」

マレーシアとインドネシアといえば、イスラム教国というイメージが強いと思う。けれどもイスラム教国ではあるものの、アラブ諸国のような厳格なイスラム教国ではない。ということはまず知っておくべきである。

そもそもマレーシアとインドネシアにイスラム教がやってきたのは、13世紀くらいである。そのとき、アラブ商人やインド商人と共にイスラム教が伝来し、仏教とヒンドゥー教の時代が終わった。とウィキペディアにも書かれてある。

またインドネシアに関しては、現在のようにいくつもの島が一緒になって一つの共和国になったのが戦後であることから、マレーシアの歴史を見るのが一番いい。

で、ここで何を言いたいかというと、西暦610年頃にムハンマドによってアラブで始まったイスラム教が、それから、600年後という長い月を経て、やっとこの現在のインドネシアにあたるスマトラ島北部に渡ってきた点だ。

つまり、それまではこの土地には土着の宗教というか、多神教のような日本人の神道のようなものが根付いていた。

特に人口が集中しているジャワ島では大部分がヒンドゥー教や大乗仏教だったけれども、16世紀前後にイスラムに代わってしまい、その後、すぐにオランダに植民地化されてしまう。

つまり、もう一度言うけれども、イスラム教が根付いたのは、ここ最近。というふうに見ることができる。少なくともアラブ諸国よりもかなり遅れてイスラム教が根付いたのが、マレーシアとインドネシアである。

 

④インドネシア語とマレー語の90%以上が一致する理由

インドネシア語を勉強する日本人も最近増えてきた。そんな私もこの言語を勉強しているものの一人。そして勉強した人は誰でも気づくのが、マレー語とほぼ同じだという点。で、歴史を勉強すると、インドネシアはポルトガルやオランダに長い間、植民地化されていたという歴史がある。

「なぜインドネシアは日本に占領されたのに、中国人が嫌いで日本人のことは好きなのですか?【海外の反応】」

けれども、戦後、日本軍の協力もあって、オランダから独立しようとした。そのときに、現在のインドネシア語を確立したといわれている。

それまではインドネシアの中心地でもあるジャワ島のみならず、それぞれの国でそれぞれの言語を話していた。けれども、オランダに対抗するにはすべての島が一致団結してインドネシアが共和国として機能するために共通の言語を持たなければならない。

ということで、マレーシアで使われているマレー語が、言語系統的にもインドネシアで使われているジャワ語や、そのほかの島で使われている言葉と共通していたため、マレー語をもとに現代インドネシア語を確立したという訳だ。

なので、インドネシア語を覚えれば、マレーシア人とも普通に会話できるのである。

「インドネシア語・マレー語を勉強するメリット、需要、重要性」

 

⑤東南アジアに押し寄せるオーストラリア人

東南アジアには、オーストラリア人が多い。というのは日本人からすると、不思議に思えることなのだけれども、オーストラリア人からすると合理的なことである。

なにせオーストラリア人の年収は日本人よりも高い。ということは隣国の東南アジアに旅行にいけば、もう王様気分であるからだ( ´艸`)

https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_countries_by_GDP_(PPP)_per_capita

たとえば、「インドネシアに旅行で訪れるTOP5」の国を調べたところ、オーストラリア人の数がハンパなかった。

5位 日本人(52万人)
4位 中国人(92万人)
3位 オーストラリア人(112万人)
2位 マレーシア人(148万人)
1位 シンガポール人(173万人)

という感じで、日本人観光客は全然お金を落していない。むしろ台湾ほどの人口しかないオーストラリア人が、日本人観光客の二倍。という数字になっている。


Reference Site
https://en.wikipedia.org/wiki/Tourism_in_Indonesia

もっと簡単に言うならば、インドネシアはオーストラリアにとって、1990年代の日本人がみていた中国のような物価の安い国に移るのだろう。まさにオーストラリア人の庭である。

次にマレーシアにやってくる観光客の国別リストを見てみよう。以下は、2016年のデータである。

5位 ブルネイ人(139万人)
4位 タイ人(178万人)
3位 中国人(212万人)
2位 インドネシア人(304万人)
1位 シンガポール人(1327万人)

マレーシアにいると気づくのだけれども、マレーシアはなぜか白人が、タイに比べて少ない印象。またシンガポールとジョホールバル(マレーシア第二の都市圏)は隣同士なので、通勤も含めてかなりの人たちが何回も行き来している数字がここに反映されているのではないだろうか。

タイに関して言えば白人にとって、非常に人気だし、インドネシアはオーストラリアから近いので、オーストラリア人がやってくる。またシンガポールは外資系が多い国際都市なので白人が多い。で、マレーシアはとくに白人を惹きつけるものがないようだ。

その代わりアラブ人が多いとは言われているので、アラブ料理が楽しめる。

Reference Site
https://www.worldatlas.com/articles/top-source-countries-of-tourists-to-malaysia.html




10位 イギリス(101万人)
09位 シンガポール(101万人)
08位 アメリカ(106万人)
07位 ロシア人(134万人)
06位 インド人(141万人)

05位 日本人(157万人)
04位 ラオス人(161万人)
03位 韓国人(171万人)
02位 マレーシア人(330万人)
01位 中国人(992万人)

中国人の旅行先ナンバーワンはタイである。また日本では人気のないタイ語は中国でものすごく人気があることも分かっている。

「中国と韓国における人気外国語TOP10。気になる日本語は何位?」

またタイは日本人にとっても人気の旅行先。飛行機で6時間以上かかるにもかかわらず、香港や台湾へ行く日本人の数にも割と近い。

驚くのは、ロシア、アメリカ、イギリスといった先進国からの旅行者だ。プーケットなんかに行くと、ほぼ観光客は白人しかない。というくらい白人だらけである。

下手したらプーケットのパトンビーチなんて、ニューヨークやパリの中心部のアジア人しかない場所よりも白人が多いかもしれない。

ちなみにプーケットの外国語表記は、英語の次にロシア語が書かれていて、どこにいってもロシア語を目にすることができる。

Reference Site
https://www.thaitravelblogs.com/2017/12/top-10-foreign-tourists-to-visit-thailand-during-2017/

⑥インドネシア人に絶対に言ってはいけないタブーとは?

インドネシア人の大部分が、オーストラロイド人種であることは先ほども触れたけれども、私は一度、インドネシア人に対して、このように言ってしまったことがある。

インドネシアっていう国名は、インド+シナ(中国)っていう意味だよね??みたいに、悪気もなく、平気な顔で言ってしまったのだ。これは韓国留学中に、同じく韓国に留学していたインドネシア人男性に対して行ったのだけれども、それがかなり気に障ったのか、その後、彼からものすごく嫌な顔をされるようになった。

つまり、ここで私が学んだことは一つ。

インドネシア人は自分たちがインド南部のドラヴィタ人(インド北部の白人系のインド人じゃない土着民族のほう)と一緒にされるのが非常に嫌だという点だ。

「インド人が白人のような顔をしている理由と、インド北東部に日本人のような民族がいる理由」

あくまでも、日本人・韓国人・中国人のようなモンゴロイドと同種でありたいというか、同じアジア人(白人からは、モンゴロイドもオーストラロイドも同じらしい)として、思われたいのではないか?と思った。

 

⑦マレー系と中華系の対立を知ることの重要性

マレーシアで暮らしたりすると気付くこと。それは、人種が明らかに違うということである。マレー系と、中華系、そしてインド系。それぞれ全く外見が違うのだ。

私はマレーシアのこういう多民族国家的な側面にものすごく惹かれたわけだけれども、日本人からしたらワンダフルで面白くても、実際にそこに生活している彼らにとっては、やはりいざこざもある。

特に外見面では中華系がモテはやされる一方、マレーシアにはマレー系がやはり多数派なので、中華系が優遇されないことがいくつもあり、人種間で見えないいがみ合いが起こっているのである。

「日本人が知らない、マレーシアにおける中華系とマレー系の民族対立」

特にマレーシアでは、マレー系は中国人に対して少し嫌な感情を抱いている傾向がある分、日本人はものすごく優遇される気がする。

つまり日本人は、この二つの民族を緩和する役割というか、こういう複雑な民族対立があるおかげで、日本人が優遇されているという見方もできるのではないか?とも思ったりするのだ…。(;^_^A

私だけが思っていることかもしれないけどね(^^;

もう一つ、インドネシアでも、富を握っている人の多くが華僑ということもあり、日本人も中国人に間違われることがよくある。

外見が似ているためである。

なので、インドネシアでは日本人であることは、ちゃんと自分から言っておかないと、中国人と見なされることもあるので注意が必要。(マレーシアも同様)

日本人と言ったとたん、相手の態度がガラッと変わる。

ちなみにユーチューブでは中華系の人たちが、東南アジア人をジャングルと呼んだりしていることも、覚えておこう…。

「人種差別!?東南アジアの中華系が語る、東南アジアはジャングルで日本・中国・韓国は夢の国!!に非難のコメント殺到!【海外の反応】」

 

⑧オーストラリアは東南アジアである

www.nationsonline.org/oneworld/map/oceania_map.htm

オーストラリアは東南アジアである!→こうやって言うと、かなり無理があるのだけれども、そのように考えるだけでも、東南アジアやオーストラリア、そして同じオーストラロイド人種が多く住むグアムやハワイなどの太平洋諸島などの関係性も見えてくる。

インドネシアはオーストラリアの真上にあり、オーストラリア北部と気候も似ており、地理的に近いにもかかわらず、なぜかオセアニアにインドネシアは含まれていない。

日本人からすると、インドネシアは東南アジアの国。そして、オーストラリアは東南アジアとは一線を画した西洋国家。このように勝手に決めつけているかもしれない。

 

 

けれども、私がオーストラリアのケアンズ(北東部の都市)に数年前に行って感じたのは、ここはもしかしたら東南アジアかもしれないと思ったことだ。
たとえば、ケアンズはオーストラリア北部の町で、日本人のワーホリ滞在者がとても多いのだけれども、1月は雨季で、雨が降り続いている。これはバリ島とほぼ同じだ。

で、たまたまこういう上のような地図を発見したけれども、まさにこの地図が、オーストラロイド人種が住んでいる地域である。

日本人の中にも、一部この東南アジアからやってきたハプログループが入っているので、東南アジア系の顔をした人も、何割かはいると言われている。

「韓国人とは違う?日本人にある遺伝子、Y染色体(父系)とミトコンドリア(母系)「ハプログループ」を調査。あなたは、どれに当てはまりますか?」

またこの地図は非常に面白くて、日本列島は入っていないけれども、もし入っていたら、島国連合みたいな感じで、インドネシア、オーストラリア、日本、フィリピンなどの海洋国家が一緒になったような地図にも見える。( ´艸`)

 

⑨日本人に忠告。韓国人のようにふるまわないこと

最近タイを中心に、日本からくる日本人の若者のマナーが悪いと言われていたりする。また日本人ってタイ人を見下していない?とか、タイ語の掲示板でも話題になっていた。

無論、日本語圏の情報しか吸収できていない一般の日本人はこのことについて知らない。日本人と違い露骨に他の人種を見下す傾向がある韓国人は、もっと話題になっている。

「なぜ、多くの韓国人は東南アジア人や黒人を見下すのか」

彼らは一部の日本人に対しても、笑いの対象にすることがある…。( ´艸`)

「韓国人からみた典型的な日本人男性の顔 TOP3 と、韓国人男性との顔の違い」

つまり日本人は、東南アジアに行っても、このようなふるまいを決してしてはいけない。逆に現地の言語を挨拶程度覚えるとか、現地の歴史を知ろうとする姿勢がものすごく重要であることは言うまでもない。

決して、女遊び、男遊びだけに来たよー!みたいな態度はとらないようにしよう。

 

⑩最後に

いかがだっただろう。東南アジアでひとくくりにするのではなく、タイ以南のマレーシア、インドネシア、オーストラリアが同種という意味で一括りしたほうが自然だということをこの記事では言いたかったのと、またそこから見えてくる各言語の系統だとか、人種だとか、掘り起こしてみるとかなり面白い。

より多くの日本人が、これらオーストラロイド人種が暮らすエリアに興味を持っていただけたらと思う。

ってことで、私はさらにインドネシア語に磨きをかけよーっと( ´艸`)→男狩りするわけじゃないからね…。

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