アメリカやヨーロッパと違い、東アジアにはたくさんの大都市がある。アメリカでは大都市と言える場所が、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴ、サンフランシスコ、トロントくらいなのに対して、東アジアには、東京、名古屋、大阪、ソウル、北京、上海、香港、重慶、台北と、たくさんあるのが特徴…。ま、人口の多い中国があるからていうのもあるのだけどね…。
一方、ヨーロッパにはロンドン、パリ、モスクワ、イスタンブールくらいしかないのが実情。なので、そんな東洋の大都市は、西洋人の中でも注目を集めるものである。
たとえば、高層ビルとか再開発好きの西洋人が英語のサイトで、中国で新しく建設される高層ビルとかの写真を交換したりしている。私は昔から、そのようなサイトを観るのが好き。
こういう高層ビル専用のサイトがあって、そこにある検索バーに Tokyo とか、Shanghai って入力すると、これから東京で建設されるビルや、建設中のビルの模型がでてきたりと面白い。
案外日本では公開されていない情報もあったり。そのようにこの記事を書いている私は多言語のほかにも、こういう高層ビルマニアという側面もある。笑
で、この記事では、世界では東アジアにおけるニューヨーク的な地位は、果たしてどの都市なのか?ということについて書いていきたいのだけれども、ニューヨークは世界を代表する金融都市でもあり、また北米最大の大都市圏でもある。
ということを考えれば、全くニューヨークと同じ影響力のある都市が果たして東アジアに存在するのだろうか?ということについては疑問もあるということは先に言っておかなければならないかもしれない。
なので、東アジアにおける最大の大都市圏はどこ?という視点で見ていきたいと思う。
また、ここで比較の対象としている都市名は、日本・中国・韓国に加え、同じ中華圏でもあるシンガポールだ。
シンガポールの人種構成は、中華系74%,マレー系13%,インド系9%となっており、中華圏なので、この記事では東アジアとしてカウントしているけれども、以下の東南アジア最大の都市圏の記事にも組み込んだ。
なので、このシンガポールというのはどっちにも当てはまる都市ということにしている。
「バンコク・ホーチミン・クアラルンプール・シンガポール・ジャカルタ・マニラ・ヤンゴン。どれが東南アジアで1番の大都市圏?」
それでは、まずウィキペディアのランキングを見ていこう。
こちらの表は、2018年9月に載っていたウィキペディアの英語版を日本語に変えて見やすくしたものだ。
これをみると、ランキングはもうわかってしまうのだけれども、多くの人が知っている、あの超有名な金融都市、香港やシンガポールはない!!
また意外に驚いたのが、大阪(ここでは京阪神圏でカウント)の人口が多いということではないだろうか?大阪と言えば、大阪市の人口は、270万人ほどしかいないけれども、大阪府全体や、神戸市、京都市までの全体を含めると、2000万人に膨れ上がるのだ。
しかも、人口という部分を見ると、ニューヨーク都市圏とオーバーラップするという事実。
「なぜ、ニューヨークは東京ではなく、むしろ大阪に似ているのか?」
でも書いたのだけれど、ニューヨークに二回行ったことのある私も、ニューヨークから大阪に旅行に来た時に私が案内したアメリカ人男性も、大阪とニューヨークは何か少しにたものがある。と感じていることだ。
また、ここには載っていない香港(740万人)とシンガポール(553万人)は人口が少ないという点で、大阪よりは田舎である。無論、近代化、人種の多様性という質の面で見れば、大阪にも引けを取らない国際金融都市だ。
以下、都市圏人口が多いアジアの都市から順に、並べていこう。
①東京首都圏
こちらは東京の上空からみた写真。
とにかく、一面に都市が広がっていてその果てが見えないのが東京の姿である。よく、西洋の映画で、香港・上海・東京・ソウルなどは近未来のような形で描かれることが多いけれども、特に東京なんかは、日本語の、ひらがな・カタカナ文字もユニークなので西洋の映画では撮影地としてかなり採用されている。また、この東京のデカさは、英語圏でもよく話題になることがある。
「ニューヨークと東京ってどっちが都会なんですか?【アメリカの反応】」
そう、案外日本人に知られてないのだけれども、東京は実質的に世界で一番の大都会(都市圏人口が世界最大)だ。都市圏人口の多い都市は、発展途上国に多い中、東京は唯一、これだけの人口を持った先進国の都市である。
日本の東京一極集中は今後も続くと思われるので、人口、生活などの質においても、2050年くらいまでは東京の世界におけるナンバーワン(都市圏人口や質において)の地位は揺らがないのではないだろうか。と私は見ている。
ま、今後の日本の景気がどうなるか?ということにも、よるかもしれないが…。2020年の東京オリンピック以降、戦争や大災害、金融危機、何が起こるのか一体今の私たちには想像できないのでね…。
多くの人はハリウッド映画や香港映画などの高層ビル群をみて、ニューヨークや香港は大都会!と思っているのかもしれないけれど、確かにニューヨークや香港は大都会であっても、少し車を走らせると、田園風景が広がるような場所だ。一方東京の場合、車をどれだけ走らせてもすぐに田園都市は見えてこない。これは日本には一軒家が多いということも関係している。韓国と比べた場合、日本は明らかに一軒家が多い。また家が乱雑に建っているのも特徴。
けれども、一つ言えるのはニューヨークのタイムズスクエアや、香港の尖沙咀 (チムサーチョイ)なんかは渋谷スクランブル交差点の雰囲気に似ていて、これこそ都会!と思えるものである。つまり、洗練された人たちがたくさん集まっているように思える場所も、ある意味、都会と言えるのかもしれない。
②上海(中国)
(上海シティの写真…→緑が結構多い?)
また、サービスの質や、街の清潔さなどは東京のほうが格段に上だけれども、上海の外観は結構美しいと個人的には思う。というのも、高層ビルの高さも東京より高く、またそれがダイナミックに至る所にあるので、近代的な場所に来た気分にさせてくれる。
そういえば、2016年に書かれていたチャイナデイリー(中国日報)の英語版では、あと数年で、上海が世界でTOPのメトロポリタンエリア(都市圏地区)になると、発表している。
ほ、ほんとか!?( ´艸`)
なので、あり得ない話でもないのではないか?と個人的には思う。
ちなみに上海市の緑地化が進んでいることは、結構注目する点ではないだろうか?中国が従来進めてきた高層ビル化の都市から、エコシティのようなヨーロッパ意識を取り入れているのがまた面白い。
③ソウル(韓国)
ソウルは東アジアで3番目に人口が多い都市圏である。これは意外と知られていなく、日本人の中にはソウルと大阪が同等規模くらいだと思っている人も多い。ソウルは2500万規模の都市圏であり、世界的にみても、ソウルは結構知名度が高い。
特にハイテク都市として、英語圏のランキングにもたびたび登場する。実際に、ソウルは東京よりも早く、公共の場に多く無料wifiを設置したり、東京よりも早く、英語人材を集めたことからも、意外にも東京より進んでいる部分は結構ある。
その理由として、スタートアップ支援として、グーグルが、アジア初のグーグルキャンパスを東京ではなく、ソウルに置いたことだ。
またソウルは東京と同様に、多くの衛星都市と地下鉄で繋がっていて、東京のように、渋谷・新宿・池袋・銀座のような、商業的な地区が大阪のそれよりもあり、横浜駅、千葉駅、大宮駅、八王子駅のように首都圏と1時間以内、またはそのくらいで行ける距離の衛星都市と繋がっている。
ソウルの中心部、明洞や江南しか行ったことのない人は、ソウル近郊にはいろいろな魅力があるので、ぜひ楽しんでもらいたい。
④広州(中国)
意外と知られていないのが広州の存在。広州(2500万人)は、深セン(2330万人)とも距離的に近く、中国版の新幹線、高鉄では1時間以内の距離である。また、2018年9月に、香港・広州間の高速鉄道が開通したため、広州と香港は1時間の距離になった。
つまり、今後中国が2049年(中華人民共和国建国100周年)に世界の覇権国を目指すにあたり、この広州ー深センー香港は、5000万人規模の世界最大のメガロポリスになる可能性がある。
同時に、大阪―東京もリニア新幹線で繋がることにより、5000万人規模の世界最大のメガロポリスを形成できるが、
広州ー香港間は、名古屋ー東京間くらいの距離であり、明らかに広州ー香港周辺の都市圏のほうが、メガロポリスのイメージに近いかもしれない。
いずれにしても中国の発展具合によっては、この周辺が今後ますます注目を浴びるのではないか?とも思ったりする。
⑤北京(中国)
北京は残念ながら、東京やソウルほどは都会ではない。私も北京に行ったことはあるけれども、中国という13億人国家の首都としては、ソウルや東京よりも少し寂しい感じ。けれどももちろん、北京の中心部は大都会である。上のランキングでは、広州も北京も、2500万人規模の都市圏と書いてあるけれども、私からすると、広州のほうが都会に思えた。
広州は、なんでもあり!という雰囲気というか、人のおおらかさというか、北京とは全く対照的なイメージである。
ちなみに北京は今後人口を少しずつ減らしていくという計画があるそうだ。優秀な人だけを残し、使えないような人は追い出すというような計画だそうだけど、真実は定かではない。
⑥大阪(日本)
意外なのは大阪である。大阪(1900万人)はパリ(1200万人)よりも都市圏人口が多く、ニューヨークとは同格。パリの場合は、中心部から少し外れただけで田園風景、香港や、神戸のように、一か所に人口が集中しているだけで、そのほかは山だったりするイメージとは違い、大阪のミナミ中心から考えても、北は京都市、南は関西国際空港周辺、東は奈良市、西は神戸市と、都市が続いている。
大阪は都市圏人口のレベルとしては、ソウルや上海ではなく北京がライバルという感じになりそうだ。
⑦香港
上の世界都市圏ランキングの上位25位までに香港が入っていないのは、この写真の部分だけが都会だからである。( *´艸`)
この写真を見ると、高層ビルが乱立していて、おそらく世界でも一番!と言えるくらい都会に見えるのだけれど、香港って本当にこの部分にしか高層ビルがなく、しかも香港自体の面積が狭いため、無理やりこの狭い場所に、高層ビルをいっぱい建てて生活しているイメージなのだ。
けれども、これは香港の良いところでもあるかもしれない。というのも、中心部はニューヨークにいるような空気が味わえるけれども、ちょっとバスで離れると自然に浸かることができて、ビーチもあったりする。また島も多く、リゾート地も多い。私的にはまさに理想の都市という感じだ。
東京の場合、関東平野が広いという恵まれた地形なので、線路をたくさん敷いて電車を走らせることで、東京の中心部にたくさんの人を輸送することができる。つまり、香港と比べると、無駄にたくさんの一軒家を広い土地に作りまくって、ゴチャゴチャしている点で、ほとんどの人たちがマンションに住んでいる香港とは対照的なのだ。
⑧シンガポール
シンガポールは人口が、553万人である。都市国家なのでマレーシア側のジョホールバルとの間には国境があり、ジョホールバルを都市圏とカウントすることは少し難しい。
シンガポールは名古屋(910万人)よりも人口が少ない。名古屋の都市圏の人口は世界的にも結構多いほうではあるが、大阪と東京という存在感のある都市に挟まれているため、存在感がないので、ドバイやシンガポールのように、最近は、リニア新幹線開通に向け、名駅周辺に高層ビルを建てまくって存在感を出そうとしている。
まとめ。
つまり、この中で大都市圏の順位を結論付けるのなら、今現在の大都市圏順位は、
①東京
②上海
③ソウル
④広州
⑤北京
⑥大阪
⑦香港
⑧シンガポール
というのが現在の順位である。けれども、将来これはどうなるかは予測はできない。場合によっては、広州の都市圏が2500万人規模なので、香港が中国化してしまって、広州と香港が一体化することもあり得る。
すると、
①香港・広州大都市圏
②上海大都市圏(上海も都市圏を拡大中)
③東京大都市圏
④ソウル大都市圏
⑤北京大都市圏
のように、逆転してしまう可能性も否定できない。
このままのペースで中国の成長率が維持できたとすると、中国のGDPは日本の3倍にも4倍にもなるので、それらの富裕層が上海・香港にもっと流れ込むことによって、そういうことが起きる可能性もあるというのが私の見方だ…。
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