日本のネット上では、戦後に植え付けられた自虐史観からの脱却を広めることもあってか、「天皇凄い!」論が目立つようになった。このような日本スゴイ論が目立つようになったのは、中国が経済的に日本を超えるようになるあたりである。つまり北京オリンピック前後あたりから、日本スゴイ論や、中国崩壊論がものすごく叫ばれるようになった。
これは一種の、日本人の不安を解消する内容ともなっている。と私は思う。天皇=Emperor だから称号的にも世界で一番権威のある人。などという、どこにも証拠がないようなことを語る人がいても、英語圏の一般人は納得しないのである。
以下、そんな内容は詳しく書いたが…。→ユーチューブで丸ごとコピペされたので削除依頼してもらった(私のURLを張り付けておけば良いものの、まるで自分が書いたようなことが書いてあったので…w)
「エリザベス女王が天皇陛下と握手する際に、自ら一歩踏み出す理由」
そう。以下は、天皇陛下の権威を説明するときによく出てくる画像である。
https://www.pinterest.jp/royalgenealogy/royals-~-japan/
これはイギリスの次期、国王になる。とされているウィリアムズ王子の母、故ダイアナ妃が日本に来日した際に、階級制のプロトコール(外交儀礼)に従って当時プリンセスだったダイアナがエンペラーである天皇陛下とエンプレスである皇后陛下に跪礼(きれい)した写真。
この映像は、日本人が作成したユーチューブ動画のみならず、海外で動画を作成しているチャンネルからもよく引用される写真なので、多くの人々に強いインパクトを与えているのは間違いないだろう。
けれども、だからといって天皇陛下が、エリザベス女王2世よりも、ローマ法王よりも偉いだなんて誰も言っていないし、そんな決まりもない。
ま、私がこの記事で言いたいのはそういうことではないのだけれどもね…。
①curtsy(女性のお辞儀)を知らない日本人
日本では、男女関係なく、腰を深く、頭を下げるということがお辞儀の意味であるのに対して、西洋では女性が女性に対してお辞儀をする curtsy という言葉がある。この言葉は日本語に訳すことができなく、跪礼とも違う。
最近インターネット上で、curtsy(カーテシー)のことを跪礼と表現する人がいるが、跪礼というのは、以下のようなイメージが強いので、カーテシーと英語をそのまま読むべきではないかとも思えてくる。
この写真は、タイ王室の女性に対して、インラック前大統領が、まさに跪いて話しかけているところ。タイではこのように、王室の人たちに対して、ひざを床につけ、手を合わせ、話しかけることが最敬礼となっているようである。
一方、上の写真を見ても分かるように、西洋のカーテシーは、ひざを床につけていない。微妙についているような感じで、いかにも筋肉を使いそうな微妙なポーズなのだ。
こんな感じで、アジア的な概念の跪礼と、西洋的な概念のカーテシーは少し違うということがお分かりいただけただろうか。
また、ちょっと英語の勉強になってしまうけれども、curtsy(カーテシー)/ courtesy(社交儀礼)はスペルと発音も似ているので混同しないようにしていただきたい。
もともと、courtesy(ˈkərt̮əsi)という単語が、1200年頃に使われ始め、そこから、curtsy(ˈkərtsi)という言葉が、1540年頃から使われ始める。つまり、語源は同じであり、発音も区別できないほどほぼ同じ。
courtesy がよく使われ、curtsy は、She curtsied to the President.(彼女は大統領にカーテシーをした)のような限定的な使われ方なので、発音でこれらの単語を区別してるわけではない。
②ダイアナがカーテシーをしたのは、アジア人では天皇だけではない
ダイアナはインド人や、タイ王室(カンボジアかも…)に対しても、美しいカーテシーを披露。特に、グリーンのドレスを着たままカーテシーした姿は、ちょっと難しそう。なぜなら、東南アジア人女性は、世界で一番背が低い部類なのに対して、北欧の血が入っているダイアナは世界で一番背が高いエリアの人なので、ちょっと無理がある…。(オバマが天皇にお辞儀をしたときのような感覚に近い!?w)
「なぜ米国のオバマ大統領が、日本の天皇やサウジの国王にお辞儀しなきゃならないんだ?【アメリカの反応】」
にしても、東南アジアのほぼ全域(タイ以外)を植民地支配していたヨーロッパの頂点とも言える人が、このようにカーテシーをする姿は、多くの人たちに強いインパクトを与えるのは言うまでもないだろう。
実際に、カーテシーとは関係ないが、ダイアナの事故はほぼイギリス王室が関わっていると言われている。
③やはり一番有名なシーンは天皇陛下との対面
"Diana curtsy" と画像検索すると一番上に出てくるのがやはり天皇との対面時におけるカーテシーなのである。
動画で見るととてもわかりやすいのだけど、ダイアナ妃は身長も高く、その美貌からかなり目立つ存在なのにもかかわらず、不思議なことに偉そうには見えない。
また当時の日本ではダイアナはとても人気のようですね。これは、キャロライン・ケネディ駐日大使なんかとは比べ物にならない盛り上がり。(比較すること自体間違いか…。ダイアナはイギリス王室だものね)
上の映像をみていると、ダイアナ妃の写真集を手に持つ日本人女性も多い。もしかしたら、この時代の女性を表現している映像なのかもしれない。時代が変わっていくごとに、女性が女性に対する憧れの対象も変わってくるものなので。
また動画ではダイアナ妃の人柄がよくでている感じもする。ダイアナは、プロフェッショナルなのであろう。そういう強い責任感も感じられる。それはハイヒールの音一つとっても私にはわかるのだ。
そして、雅子さまが外務省でバリバリ働いていた時の爽快さを思い起こさせる。キャリアウーマンみたいな…。
このときは、特にカッコイイ女性に対する憧れが今よりも使った気がする。
そもそもこの映像は、1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災の直後、ダイアナ妃が来日してくださった映像。ちなみにダイアナは、
1986年,1990年,1995年と3度目の来日なのである。
その精神はダイアナ妃の息子、ウィリアム王子にも受け継がれており、東日本大地震の翌年、2015年2月28日にウィリアム王子の希望で、被災地を訪れていることからもわかる。
「高身長のウィリアム王子が天皇陛下にお辞儀するときの爽快さが、ダイアナ妃に似ていると思う理由【海外の反応】」
それにしても、このダイアナが訪れたころの徳仁親王や雅子さま、とても生き生きとしておられますね。特に雅子さまの笑顔は、かなり印象的だし、ダイアナもその動きが、プロフェッショナル並み。今よりも、生き生きしている時代だったのかしら。
④エリザベス女王に逆らえる人がいないのは本当かもしれない
ロイヤルファミリーと言えば王室を指すが、日本の場合、インペリアルファミリー(皇室)であることからもわかるように、少し違う。
けど一つ言えるのは、ヨーロッパの王室の中でも知名度抜群のエリザベス女王が、世界で一番頂点の女だと思われている感があるのは否定できない。
何をもって頂点と言うのか、それは経済的な部分とかではなく、ステータス、つまり称号的な意味で、やはり世界を支配した国の女王というのは、やはりそれだけでブランド的な意味を持つものである。
実際にエリザベス女王は、現在も、イギリスのみならず、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、パプアニューギニアなどの君主であることからもわかるように、多くの国の君主という点で、そのステータスは高い。
で、もっと面白いのが、エリザベス女王が英語圏では、そういう権力的なネタとして揶揄されることが多い点である。
例えば以下の記事にも書いたように、
「ちょっとあんた、この私に対して curtsy(膝を曲げるお辞儀)をしなかったわね?エリザベス女王がブチギレた理由【海外の反応】」
エリザベス女王はそれだけ愛されている部分もあるが、ダイアナの件もあり、早く交代してほしい。という声も多い。
一方、天皇に対してはそういう声はなく、これが天皇とエリザベス女王の違いかもしれない。
⑤闇の権力者的な、美智子さま
一方エリザベス女王2世に負けず、実は陰の権力者なんじゃないの?と冗談交じりで噂されているのが美智子さまだ。
いつも天皇陛下だけに注目が集まってしまい、美智子さまの存在を忘れている人は今後、世界のロイヤルファミリーが来日した際に、皇后陛下(今後は雅子さま)に対して、カーテシーするところを注意深く観察してみてほしい。
称号的には美智子さまよりも下、つまりプリンセスレベルの人たちは皆、皇后に対してカーテシーをしている。
たとえば、ヴィクトリア妃(スウェーデン皇太子)が美智子さまと面会したときは、このようにプロトコルを守っている。
これは相手を尊敬するというよりも、こういう形式的なものを残しておきたいという伝統的な部分が強いのではないだろうか。
「世界中で愛されている日本の皇后 (Empress) 美智子さまの英語【海外の反応】」
つまり、今後、ヨーロッパの王室で、皇太子妃レベルの女性は皆、雅子さまにこのように curtsy するということを意味しているのですよ。
⑥雅子さまも、ちゃっかりしていたカーテシー
雅子さまの報道ってテレビではちょっとしか出てこないけれども、探してみると、そして観察してみると、ヨーロッパの国王や、女王などにきちんとカーテシーをしている。
それにしても、雅子さまがカーテシーをしていると、ものすごく似合っているのは気のせい?おそらく、雅子さまは外国生活が長いこともあってか、西洋式が好きなのだろう。これは、間違いないと思う。けど、それはそれで雅子さまの個性でいいのではないか。実際に英語もバリバリ上手だし!!
「次期皇后(エンプレス)、雅子さまの英語力。世界はどのようにみているのか?」
次の時代の皇后として、新しい形の皇后誕生、楽しみだね~(^_-)-☆
「雅子さまがオランダ国王夫妻に、膝を曲げてお辞儀(跪礼)をする瞬間」
で、なぜ雅子さまが、西洋人っぽいかというのは、眞子さまのカーテシーと比べたときに分かる…。眞子さまがまだ幼いということもあるが、ブータンに行って、ジェツン・ペマ・ワンチュク(ブータン王妃)に対してカーテシーをやったときのあの緊張感は半端なかった…。私も映像をみながら、眞子さま…、大丈夫?!こっちが緊張するよぉ!!みたいな…。
以下の記事に写真を張り付けたよん。
「世界のプリンセス(王妃、王女)ランキング。日本の女性皇族は何位?」
ではでは、以下、ダイアナの動画に対する海外の反応を軽く紹介しよう。
以下、海外の反応
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あのハイヒールで、ダイアナはどうやって深々としかもあんなに画然に膝を曲げるお辞儀ができたのかしら?プリンセスとしてなんて最高の見本なの!
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彼女は英国のロイヤルファミリーにしてはかなりのものだった。まるで悪臭を放つ雑草の花輪の中でたった一つのバラだったよね。
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ダイアナ妃は非常にかわいらしい女性でした。彼女はとても素敵な人で、彼女の人格はとても親切で親しみやすい感じでした。 彼女のオーラはエレガンスさをにじみ出していましたし。
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このルールは君主が君主と会う時のみに適用される。例えばエリザベス女王は天皇と会っても curtsy もお辞儀もしない。なぜなら同じランクだからです。けれども、チャールズとカミラがベルギーの国王と会ったときは、チャールズは王子でカミラは事実上の王女であるため、チャールズはお辞儀をし、カミラは curtsy をした。
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おいおい、これは君主だけでなく、アメリカの大統領にも当てはまるぞ?事実上、アメリカの大統領は日本の天皇にプロトコールとしてお辞儀をする必要はないけれども、大統領は自らそれを選ぶことができる。たとえばジョージ・W・ブッシュ大統領やディック・チェイニー副大統領はお辞儀をしなかったけれども、オバマ大統領は自らしたよね。
マルチリンガールのコメント
世界にはいろいろな考え方があるが、こういう皇室・王室のつながりは一生消えないでほしいと思う。特に、東アジアの中でも唯一、このような歴史あるファミリーを持つ国としては、やはり天皇の優位性は維持してほしいと思ったり。
けれども、一方でロイヤルファミリーを持たない国からすると、王室が何だよ?皇室が何だよ?って話にもなってしまう。
特に、オバマ政権の時にそれが強く出た気がする。まさにミシェルの行動がそれで、
「ミシェル・オバマ夫人が、天皇陛下の前で躓いたり、エリザベス女王の肩に手を回したりする理由」
白人に虐げられてきた歴史もある黒人にとってみれば、白人のロイヤルファミリーは時として複雑なものに見えるのかもしれない。と私は思っている。
そういう意味でも、有色人種の天皇家が世界でブランド的価値を持つのは、世界のバランスを保つのに、必要不可欠であり、上のようなダイアナのカーテシーは、それを宣伝する材料としては最適だと思った。
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