この記事では2018年10月に治験に参加したことについて書いていきたいと思う。現在海外放浪中(ちゃんと仕事していますw)の私ですが、海外に出る前に今までずっとやりたかったと思っていた治験に参加した。
そもそも医薬翻訳をしている私が翻訳する内容が治験に関わることであったり、薬を飲んだ患者さんが副作用を起こすプロセスについて、事実関係を書いていくような内容であるため、私も実際に現場で体験したかったというのが一番大きい。
治験に参加する人の多くは、日雇い労働者だったり、学生さんだったり、お金にとにかく困って参加する人が多いのだけれども、私の場合、ちょっと違っていて、勉強のために参加したのだ。
とはいっても、協力費はかなり高かったので、二回目以降もやりたいなぁ~って正直思ってるのだけどね(^^;→治験に参加しても、パソコンは持っていけるので仕事もできるし、周りに人がいるので、外国語の勉強にも集中ができる効果もw→人が見てるところだと私って、結構頑張っちゃう…。
さてさて、この記事ではそんな治験に参加するメリット・デメリットや、私の体験談、この治験参加が何に繋がっていくのかを色々角度から紹介していきたいと思う。
①収入が安定している私が、治験に参加した理由
まず、治験に参加した理由から書いていこう。上にも書いたように治験が翻訳に関わることだからというのももちろんあるのだけど、海外に出る前私は、一人暮らしでずっと家で仕事ばかりしている日々だったので、とにかく人と共同空間で何泊かしたかったこと、そして、夢の100リストにも入っていた治験を海外に出る前に消化したかったことなどが挙げられる。
で、もう一つの理由は、私はベルギーの首都ブリュッセルで行われている日本人被験者が対象の治験にも参加したいと思っていて、海外で治験をやる前に日本の治験を一度体験しておきたかったから。というのもある。
長らく製薬会社の下請け機関であるCEOや、外資系製薬会社のファイザーで働いたこともある私にはやはり、翻訳に関わる知識だけが増えても、実際の現場を知らずしては、仕事にならない。というふうに思うことがあったからだ。
また事前検診はいわゆる健康診断であり、健康診断でお金払うのなら、治験でお金貰いながら健康診断を受けて、一石二鳥~!わぁ~い!という気持ちがあったのも確かである。(;^_^A
②「事前検診」を受けなければならない
私は治験を受ける前に、いくつもの治験関連の会社を調べ、何もやらないと始まらないと思い、全て登録した。(登録情報は、きちんと控えること→あとで混同するので…)
そして条件がよさそうなところ(健康な人を対象に行われる治験)を選び、そこで事前検診を受ける。
事前検診とは、この治験に参加するのに適正な健康状態なのか測定することであり、1時間ちょっともあれば終わってしまう。
実際に体験した流れを簡潔に説明すると、
事前検診(健康診断)
↓
特定の電話番号から合否が来くる。不合格の場合でも
↓
合格者になれば参加することができる
という感じなのだけれど、たとえば20人被験者がいたら、きちんと治験を遂行するために、20人の被験者以外にも、予備軍も数名参加する。
というのも、その20人の被験者のうち誰かが、もう治験やめたいとか言った場合に、1人不足してしまうからだ。
それを補うために、予備軍に選ばれることもある。そして20人の被験者が問題なく参加できた場合、その予備軍は1日後に帰宅させられる。
もちろん予備軍の場合は、報酬も1日分とかそのくらいである。
なので、最初の事前検診では、みんながライバルという状態になる…。また私が事前検診で感じたあの半端ない空気。
それは、負のオーラで埋め尽くされていたことだった。けれども、これは私の勘違いで、みな自分が被験者になれるのかどうか緊張していただけで、実際に参加してみると負のオーラはほとんどなかった。
たまにドタバタ激しく歩くような若い人がいるくらいで、全体的にみな静かで、カーテンで仕切られた大部屋に20名以上いたにもかかわらず、相手に干渉することなく、スムーズだった。→ちなみに私の参加した治験では、部屋の外で電話をする人はいるけれども、電話以外で声を出す人がいない。つまり、被験者同士でもコミュニケーション取らなかった。
③治験と聞いて、誰もが恐れるもの。それが注射
私の腕…。サクっと取ったよ。女よりも細いね~といつも皮肉られる腕なのだけど、女性の看護師さんに、「血管に針入るかしら?」と心配され、手を何度もこすられ、その圧力で血管を太くした。
で血管が出づらいのにものすごく勢いよく出るので、看護師さんの女性がものすごい喜んでいたわ…( ´艸`)
けど、事前検診初日は、朝10時くらいから検診が始まる14時くらいまでお水(麦茶もOK)以外のものは食べてはいけないと言われていたため、血管が細くなってしまったのだろう。
けれども、私の場合、血が勢いよく出るね~!外見とのギャップが激しすぎるって看護師に言われたわ…。( ´艸`)つまり、血が勢いよく出るということは、健康な証拠なのだそうだ。
で、私は3泊4日の治験を二回にわけてやったわけだけど、二回に分けてやったには理由があり、一回目と二回目で薬の種類が違うので、つまり一回目も二回目も違う薬というだけで全く同じことをやる。(スケジュール感覚もすべて同じ)
で、どちらも1日目に二回くらい採血、2日目に薬を一回飲むので、その日だけ上のように何度も針を血管に刺さなくてもいいように、針を刺した状態で固定するのだ。
2日目は、薬を9時に飲んで、12時まで、15分感覚でずっと採血する。ここが一番大変なところ。採決するときは針を刺すわけではないので痛くはないのだけど、15分感覚なので、自分のしたいこと(私の場合、ブログ書いてた)をしたら、すぐにまた採決というような感じになる。
ちなみに上の写真のように固定すれば、全く痛くもない。けれども皮膚を引っ張ったりすると、針と摩擦してしまうので痛い…。→皮膚を引っ張ることはないので、全然大丈夫。
ちなみに、一つ知識として、15分感覚で採決するときに、採血後、採決後に毎回塩分?(血が管の中でかたまらないようにするため)を入れるのだけれども、それもスーッと血管に入っていくと、涼しい風を浴びたかのような気持ちい感じだった。
で、2日目の薬をはじめて飲み始めるこの時間が一番治験で重要な部分なので、投与後4時間くらいはベッドを立てた状態にしていて、椅子に座っているような感覚だった。つまり、寝ることができなかった。(9時~12時くらいまでの間だけ)
そして午後から、採血する感覚は1時間起きくらいになり、18時くらいには、上の針を固定したやつは外された。
で、三日目は採血一回くらいしてほぼ自由時間…。つまり、一日目と三日目はほぼ自由時間で、四日目は採血して帰るだけなので、特に何もするわけでもないけど一番看護師さんとかに気を使わなければならない二日目を除いて、ほぼラクラク~みたいな感じだったのである…。
なので、私は毎日ブログを書いていたし、スペイン語とフランス語のフレーズの整理などもしていた。(たまに血を取られる以外は、家でやっていることと変わらない)
結果、私がこの治験を受けて、今まで抱いていた注射に対する懸念は完全に払拭された。もともと注射が怖いという気持ちはないものの、やはり治験を受けていた時にみんなの態度を観察していると、注射が嫌ではない人でも、される前はなんか、独特な気持ちになるので、誰もが注射に対してそういう気持ちは持っているだろう。
特に私は今回、初めて注射の針を入れても血管に刺さらないという経験をした。というのも、看護師さんが注射の針を入れるとき、肘あたりの血管が浮き出ている部分を中心に入れるのだけど、治験の場合、数回注射するため、同じところに刺せないという事情があり、違うところに刺したがために、針を入れる瞬間、血管が違うところに逃げるという場合がったりするからだ…。
けど、血管にきちんと入らない場合、ちょっとだけ痛かったけど、今後、将来、病気になったりして病院でお世話になるかもしれない。といようなことを想像したら、今やっている注射って屁でもない。という気持ちになることも確かである。
④治験参加中にやってもいいこと
ということで注射に対する懸念は少しでも払拭できたと思う。治験に参加するとき、誰もが思うのは、その自由な時間を使って何をするのか。ということではないだろうか。
私の場合、オンラインで英語を教えているので、生徒さんへのフィードバックを作ったり、ブログを書いたり、フランス語の単語帳を書き写したり、ほぼ暇なく作業をしていた。
中にはずっと寝ている被験者もいたけど、もっと時間を有効活用すればいいのにな。と個人的には思う。→負のサイクルに陥っているパターン。
シャンプー、スリッパ、寝衣、バスタオル系、ドライヤーなどは全部揃っており、揃っているものは事前検診のパンフレットできちんと教えてくれるので、何を持ってきたほうが良いのかは事前にわかる。
また、治験中は暇なので、PC(本など)や、スマホやPCの充電器を持ってくるように勧められる。
また耳栓も重要。大部屋に30人とかざーっと寝ることがあるので、必ず誰かのいびきや、音が結構凄い。
あと、入院時にはものは確認される。というのも、治験なので医薬品に指定されているものは持ち込み禁止だからだ。たまにハンドクリームや歯磨き粉にも医薬品扱いのものがあるので、そういうものに第三医薬品と書かれていれば、帰宅日まで没収される。
⑤どんな薬を飲んだ?
薬の名前はもちろん公開できない。治験に参加する前の事前検診で、薬の名前は誰にも言ってはいけない。ということは約束するのだ。
といっても、生活習慣病により起こるような、一般男性が飲むような薬(すでに販売されている成分と全く同じものを使ったジェネリック医薬品)を1回飲むだけ。
つまり、私が飲んだのは、ジェネリック医薬品だったので、1から新しく開発された薬ではない。すでに販売されている薬(先発医薬品)の特許が切れ、他の会社がその成分を全く真似して作ったジェネリック医薬品なので、仮に飲んだ場合でも、今までどういう副作用がどの割合で起こったか。というのが推測できるわけだ。
※ジェネリックは、先発医薬品と同じ有効成分を同じ量を使って作られているが、形状、色、味、添加物などが違うので、全く同じ効き目とも限らない場合もある。
その内容も事前検診で説明を受ける。私が飲んだ薬の副作用で一番多いのは、倦怠感などが主にあった。
私の場合、その時の体調がよろしくなかったのか、薬なのかは不明だけれども、下痢になった。また時期も時期(夏~秋に、一気に気温が変わっていた時期)だったので、被験者の中には咳をする人も多く、それがうつったのか、治験終了後、咳が止まらなかった。(その薬の副作用にはそれは書いていなかったし、ただの風邪ですぐに治ったけどw)
ちなみに治験にまた参加する場合、最低4か月空けなければならない。
⑥私が登録した治験ボランティア
いくつか登録した中でも、私が参加した治験は、治験情報サイトから紹介されたもので、
入院1回目:10/16(火)~10/19(金)
入院2回目:10/23(火)~10/26(金)
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【負担軽減費】123,000円
という治験だった。(1回目と2回目では薬の種類が違い、同じことをするだけ。またどちらとも2日目だけ看護師さんに気を使うけれども、それ以外は自由で注射も1,2回程度)
私の場合、ジェネリック医薬品だったのだけど、このボランティアでは男女同時の「肌測定の治験」があったり、健康ではない人を対象の体験など、色々な案件が豊富。
上のホームページからも、どんな案件があるのかわかるのだけれど、負担軽減費がいくら。とかは書いていないので、登録後に毎日のように送られてくるメールに、負担軽減費が記載されている。
つまり、登録しないといくらもらえるのか?はわからないということなの(;^_^A
⑦一回、20万円以上も可能。どのような案件がある?
まず、初心者にお勧めしたいのが20~60歳という幅広い年齢を対象にした肌測定モニター【通院】3回(健康男女対象)というような案件は定期的に出てくるので、治験を始めたことのない人は、こういう注射をしないような、気軽に行ける案件からあたってみるのもあり。
この場合、負担軽減費は1万円前後で、交通費も出るので体験してみたい人にはちょうどいい案件であることは間違いなし。
で、今お金ヤバイ!厳しい!系の人は、迷わず、5泊×2+通院3回系の、10日以上入院する系の案件に応募するべきである。
このような長期入院系はたいてい、25万以上の負担軽減費がもらえ、もちろん通院するたびに交通費も手渡しでもらえる。
私がログインして探した案件の中には、上の条件で、27万円ちょっとの負担軽減費がもらえると記載されていた。
この場合、本当に今すぐお金が欲しい!という人にはちょうど良い案件かもしれない。いずれにしても、長期入院案件よりも、まずは短期入院案件で、体を慣らしておくのも、重要。
上にも書いた通り、私はまずは体を慣らせるところからスタートしたので( ´艸`)/
⑧治験は健康な人のみが対象ではない
治験は、健康な若い方にが対象になるような「健常試験」、そして、現在病気を患っていて治療したい病気がある「疾患試験」、そして、生活習慣などが気になる人が対象の「健食」などに分けられる。
つまり、治験といえば新しく販売される薬に副作用がないのか確認するために、若い男性が使われるようなイメージがあるけれども、それはほんの一部である。
というのも、新しい薬が開発されるよりも、今はジェネリックが主流になってきており、誰もがみな飲んだことのある薬の成分で治験するものを中心に治験をすることが多いからだ。
また疾患試験などでは、たとえば糖尿病を患っている被験者に対して、ただ血液検査するだけで3000円がもらえる。その他に、抗うつ薬にて鬱病を治療中の案件で、通院ごとに1万円前後だったり、喘息、アトピー、中性脂肪値が気になる方対象の治験も、一回通院(入院ではない)するごとに1万円前後。など、日々色々な案件があって面白い。
普通血液検査するのにお金払うはずなのに、逆にお金がもらえるって…。入院ではなく、通院するだけで、するごとに1万円前後というのは、日雇いバイトで何時間も働くより美味しいといえば、その価値が分かりやすいかもしれない。
つまり、治験に行く予定はなくても登録しておいたほうが、ある意味で医療費を無料、しかもボランティア料がもらえるという方向にもっていくという考え方もできる。
⑨治験が向いている人、それをうまく利用できる人
治験に参加する人の多くは、上にも書いた通り、若い男性で特にお金に困っている人。(女性の案件も結構ある→貧困女子も最近多い)
また治験で稼いで4ヶ月間、ちょっとだけ日雇いバイトをしてまた治験を繰り返す治験で稼ぐ人もいるものの、やはり治験をきっかけに、治験業界で仕事を探してみたりすることもお勧めできる。
私が以前働いていたCROなどは、治験データのデータ入力の仕事を随時募集していたし、結構仕事は選ばなければあるものである。→治験を体験したことのある人で、治験データ入力をしたいという人は、かなり優遇される。
また治験をひっかけに職業訓練校に申請したりして半年間、毎月10万円を国から支給してもらいながら勉強するというのもあり。
いずれにしても、せっかくの機会なのだから、立ち上がるためのお金にすることが望ましいと私は考える。
私もかつて25歳のとき、職業訓練で毎月10万円もらいながら貧乏生活して勉強していたことや、そこから英語をめちゃくちゃ勉強して、今のような安定した生活があるので…。
⑩治験で生活している人がいるって本当?
上のように、のし上がるための第一歩のステップとして治験を利用するのが望ましい一方、中には1回の治験で20万以上稼ぎ、ルームシェアなど、格安の家に住みながら、自分の好きな時間を過ごす生活をしている人もいる。
もちろん一回20万稼いだとしても、治験は4か月空けなければならないので、日雇い系の仕事を一週間に一回程度入れて、このような生活をしてる人がいると、以下の本に書いてあった。というか、この著者がまさにそうなのである…。
私もこの本を、たまたま本屋で立ち読みして、海外治験もやってみたいし、と思い、治験に参加する覚悟ができたのも事実。( ´艸`)
※ここに海外治験の情報をスッキリまとめた。
「91万円も可能。英語は不要。海外(ベルギー、英国、米国)で日本人限定の治験に参加する方法」
で、いろんな本あるんだなぁ。ネットってまだ本の内容には及ばないなぁ。と思うような内容だった。
ま、お金ない人にとったら、治験って食事も出るし、その分当然食費も無料になり楽は楽だけどね…。(;^_^A
⑪最後に、治験は補償が利く
万が一治験被害に合った場合は、日本製薬工業協会のホームページが参考になる。ここには、補償や、医療費、医療手当、賠償、「補償金」などの言葉が並んでおり、完全に見捨てられない。ということが分かる内容となっている。
http://www.jpma.or.jp/medicine/shinyaku/tiken/allotment/leaflet/012.html