西洋中心の社会に変化が起きてきている最近は、フランス語VSドイツ語というよりも、フランス語VSスペイン語という時代に突入してきている。その理由として、南米を中心とするスペイン語圏の人口の多さと、アメリカという経済大国でスペイン語の地位が向上してきているという現実からではないだろうかと思う。
けれども、実際、日本ではフランス語にしてもスペイン語にしても、ただイメージで専攻してみたり、学び始める人の場合が多く、結局中途半端な喋れないレベルで勉強して終わってしまう。というパターンが多い。
それは、フランス語・スペイン語ともに、一体役に立つ言語なのか?という確信がないからではないだろうか。
何かを勉強し始めるという意味で、それはそれでいいのだけれど、せっかく少し磨いたスキルをもっと伸ばすためのモチベーションが分からないと、前に進めないと思う。
で、この記事では私がこの両言語を学ぶ過程で気づき始めた両言語の将来性の違いや、どんな人がどっちの言語を勉強するほうが合っているのか。などを語っていきたいと思う。
①話者数は、将来的にほぼ同じ
まず、こちらの地球儀は、グーグルマップからとってきたもの。左側にスペイン語の城である南米と、右側にはフランス語の城であるアフリカが対峙していてる形となっている。
日本人なら、この角度からの地球はあまり見たことがないだろう。まさにこの記事では、そんなスペイン語とフランス語をメインで書いていくことになる。
さて、これら二つの言語をまず比較してみよう。
https://www.pinterest.com/pin/498844096222320812/
https://www.quora.com/What-are-all-the-Spanish-speaking-countries-of-the-world
2019年現在、多くの日本人はスペイン語の話者数のほうが断然多いと考えているだろう。けれども、それは2050年を見据えて考えると、フランス語もスペイン語も人口においてそれほど差がないと言われている。
French language is on the up, report reveals
2014年前後からフランスで、このように2050年にはスペイン語とフランス語の話者数は同じくらい、またはフランス語が英語に次いで世界で二番目に話される言語になると主張する人が増えた。
フランス語とスペイン語の違いは、フランス語はアフリカの多くの国で公用語として話されているが、フランス語のみしか話されていない国はなく、必ず英語やアラビア語、現地の言葉なども公用語に入っている場合が多い。
なのでアフリカで高等教育を受けた人のみフランス語を操ることができる。けれども、今後中間層がもっと増えていくので、高い教育を受ける人の数も増えていき、フランス語はよりアフリカで通じやすくなる。
一方、南米の多くの国がスペイン語のみを公用語としており、日常生活でスペイン語を話していることが多い。
この違いは結構大きいと思う。
②フランス語を喋っている自分が好きは注意
スペイン語と違い、フランス語学習者に多いのが、フランス語が話せるとかっこいい。というただそれだけの理由で勉強する人の割合も多いということだ。
確かにフランス語という言語には不思議な力があり、欧米人の間でも、フランス語が話せる女子はカワイイ。などと言われるくらい、フランス語を身に着けるだけでその人が、まるで東大出身かのような、何かしらのブランド的価値がつく。と私は考えている。
※フランス語を操っていると、金持ちそうにみえる印象もある(不思議な魔力)→上の動画はセリーヌ・ディオンがフランス語で話している動画だが、英語を話しているときよりも、ソフトな印象、また上品に見える。
一方、スペイン語を話せたからと言って、フランス語よりもクール!なイメージはない。なぜならスペイン語の発音は、日本人が簡単だと勝手に思っている韓国語よりも日本人にとっては聞き取りやすく、簡単な発音だからだろう。
またスペイン語と言えば、ラテン系の言葉とというイメージがある一方、フランス語はスイス・ベルギー・モナコ・ルクセンブルグなど、金持ち国家が話す貴族の言語というイメージが強い。
というイメージもあってか、やはりフランス語を勉強している人の中には、「フランス語話してる、オレ、カッケェ」みたいな自己満足に陥る可能性もある。
なので、勝手に自己満に陥っている人は、もしスペイン語のほうが実用的だと感じたらそちらに切り替えてほしい。
私も、「フランス語できたら、オレ、カッケェ」みたいに思っていたのだけれども、以下⑤で説明する通り、深く考えてみると、フランス語とスペイン語話者の間には、以下のような大きな違いがあるということが判明した。
③フランス語=アフリカ人、イスラム教の意味
人口的な意味で考えると、フランス語とスペイン語は将来的に変わらないくらいの人口と書いたが、フランス語が話される国の多くが、イスラム教徒の国を含んでいるのに対して、スペイン語を公用語としている国にイスラム教国家はないのがポイント。
※フランスのみでフランス語を使いたいと考えている人は、ここは読まなくても良いかも。けれども将来的にフランスだけでなく、アフリカも視野にフランス語を使いたい人は参考になると思う。
つまりキリスト教的な考え方であればスペイン語。
イスラム教的な考え方であればフランス語。
今はまだアフリカの国々には貧困層が多く、2050年あたりに現在の東南アジアくらいの水準になるという予想がある段階にはまだ来ていない。
「中国も関係?2020年ー2050年における、アフリカのGDPランキング(一人当たり含む)TOP20」
なのでフランス語=パリを中心としたヨーロッパの言語というイメージが強いが、今後ますますフランス語をイメージさせるものは、「イスラム圏、北アフリカ、西アフリカ、黒人」に変わっていく。
つまりこれらの地域の1人当たりのGDPが上がっていくにつれ、フランス語のイメージはアフリカというキーワードに変わっていくのである。
というのも、相対的にフランス語圏の中でアフリカの発言力が強くなってきたり、アフリカなしではフランス経済が成り立たなくなるような経済状況が訪れるとも予想されるからだ。
それは現在のスペイン語のイメージがスペインではなく、中南米にあるような感覚と同じ。その中米のスペイン語の中心地が、メキシコシティであり、南米のスペイン語の中心地はアルゼンチンである。
「スペイン語人口が多いアメリカの都市 TOP15と、世界でスペイン語がもっとも話されている都市 TOP8」
スペイン語は本場のスペインよりも、南米のほうが何倍も多く、英語も本場のイギリスよりも今や、北アメリカの言語となっているようにね…。
「アメリカ大陸(北米・中米・南米)では英語より、スペイン語を話す人の方が多い理由」
④アフリカのイスラム教圏でアラビア語が普及しない理由
2019年時点ではフランス語と言えば、フランス・ベルギー・スイス西部・カナダで使われている先進国の言語というイメージが強いが、フランスの人口は緩やかに増えるがそれでも、予想としては、6784万人(2020年)→6948万人(2050年)に留まり、北アフリカなどフランス語とアラビア語を公用語にする国々の出生率が高く、フランス語を学ぶ人は、イスラム教の理解を得る必要がある。
アフリカの人口が増え、1人当たりのGDPが増していくにつれ、フスハー(標準アラビア語)よりも、フランス語を好むものが増えてくる(中東のレバノンがその例)と予想される。
なぜなら西洋の価値観を知ってしまったイスラム教徒は、アラビア語をダサい言語と思い、フランス語に傾倒する傾向があるからである。
中東とは違い、北アフリカではエジプトを除いて、フランス語を公用語にしている国が多く、また地中海を挟んで北がすぐヨーロッパなので、自分たちをアフリカ人というよりも、ヨーロッパよりの人間と考えているため、その傾向はますます強い。
なので、高等教育を受けたものを中心にイスラム教圏内ではフランス語を更に学ぶ人が増えてくるとも予想される。
つまり、アラビア語を学ぶということはもちろんイスラム教徒を理解することであるので良いと思うが、フランス語のほうが西アフリカでも使え、北アフリカ(イスラム圏)でも使え、マレー語と似ている言語を持つマダガスカルでも使えるというメリットはある。
アラビア語を猛勉強している私が言うのもなんだけれども、現実的にはアラビア語は挨拶程度に済ませてき、フランス語をしっかりやったほうがある意味、チャンスは広がると思う。
⑤根暗で、開放的になりたい日本人はスペイン語を取るべき
日本人は、大阪のような武家中心ではなかった商業都市を除いて、特に現在の関東(もともと江戸で武家社会だった)の日本語が標準語になっているせいもあってか、声の小さい人が多い。なぜかというと、武家社会は上下関係が非常に厳しいので、日本語で大きな声を出すこと昔から避けていたからかもしれない。
また現在も、日本式の会社のやり方などに参加している会社員などは、結構根暗な人が多い。それは日本社会にいるからであり、日本語を喋っているからである。
そういう人が英語を話すと、上げ下げのイントネーションが物凄く多い、いわゆるストレス・タイミング言語によって、声が大きくなったりするが、英語の音を習得するのは、何年もかかるのと、日本人自体、英語のイントネーションが嫌いな人も多い。
それならカタカナでほぼいけるスペイン語を極めて、スペイン語で話す面白さを見つけるのはどうだろうか。
スペイン語にある程度自信がついてくると、アメリカ経由でかなり遠いが、日本の裏側にある南米圏に自分の居場所がある。と思えるようになるだろう。
そしてなによりも、南米は日本人が知らない間にかなり進歩している。(考え方の面で)
特に当事者でもある私が思うのは、南米がLGBTに開放的なエリアになっていること。つまりフランス語圏(アフリカの多くのフランス語圏がイスラム圏)とは対照的に、スペイン語を使って比較的自由に色んな発言ができる。
※2019年記事を作成している間に初めて知ったのだが、私のような性別は男性、ジェンダーが女性の人が、身分証明書上で女性に性別を変更できる(性転換、ホルモン治療なしで)ということをすでにアルゼンチンやその周辺の国が進めていたということ。
で話は戻るが、日本でできない派手な夜遊びをしたい。とか、南米にある大自然を満喫したい。男とか女とかそういう縛り関係なく、自分の好きな発言をできるようになりたい。と願う人、特に英語があまり好きではない日本人にとって絶好の言語となるのである。
「トランスジェンダーにとって住みやすい国 TOP10 と「LGBT」が学ぶべき言語がスペイン語な理由」
⑥最後にドイツ語…
ドイツ語は音が美しくないせいか、あまり日本ではモテはやされている言語ではないのだけれども、ドイツにおける日本語学習者はヨーロッパの中でも割合的にフランスよりも低く、また日本人の中にもドイツ語を良いレベルで操れる人が少ない。
ということもあって、実はドイツ語はかなり需要がある。(極めたものだけね)なので、ドイツ語という選択肢もアリ。
けれども残念なことにこれら言語の中で、ドイツ語のみが、ドイツとその周辺のオーストリア、スイスなどでしか使われていないので、領土的、人口的に世界を広げたい人は、フランス語か、スペイン語を勉強するべきだろう(^_-)-☆