長らく、外国人=アメリカ人と思って来た日本人にとって最近は多くの国の人たちをインターネットを通じてみる機会も増え、同時に、日本人となぜこんなにも似ているの。と驚きを隠せない場面もよくあることだろう。
以前紹介したこの記事も結構、興味深く読まれていた。
「意外に知られていない、日本人に顔が似ている民族・国家 TOP20」
そう。この記事にも書いた通り、日本人に似ている人種か結構多い。特に、中央アジアや、南米にも日本人に似た顔の人たちがいるのは、ハプログループを少し調べていくだけでも分かってくる。
私が2ヵ月間住んでいるキルギスでも、嫌というほどどれだけ日本人にソックリか。ということを書いたが、
「住んでみて分かった「キルギス人」の外見(ハプロ)と、性格・気質 TOP5」
やはり日本人と顔が似ている人たちが住んでいる国で暮らしてみると落ち着くというか、居心地が良い。
さて、この記事では日本人には若干似ているけれども、ハプログループが全く異なる人種を探っていきたい。
以下に紹介するのは、人種というよりも民族であり、また絶滅してしまうかもしれないほど人口も少ない民族ではあるが、何かの手掛かりになるかもしれないので、この記事にまとめいこう。
①日本人が持っていない、ハプログループYとは
まず世界のあらゆる人種のハプログループを調べていると、ハプログループY(mtDNA→母系を辿ることができるミトコンドリアDNA)が、非常に限られたエリアでしか見られないということを発見した。
そのハプログループYとは一体、どんな人種に入っているのだろうか。その前に、ハプログループYについての知識をまずここに書き起こしていこう。
※ここで書くハプログループYは、父系を辿る意味のY染色体ではなく、母系を辿るミトコンドリア(mt)だということはまず覚えておいてね。混乱してしまうので…。
さて、ハプログループY は、ハプログループNの子型ハプログループN9を祖先に持つと言われている。
ハプログループNはロシア北部を覆うようにあるグループで、代表的な民族と言えば、サハ共和国のヤクート人である。
「イケメンや美女も多い?ロシアのヤクート人(サハ共和国)やチュクチ人は、日本人はなぜ似ている?」
簡単に言ってしまえば、韓国人と非常に似ている人たちだ。他の記事でも書いたが、現在朝鮮半島にいる韓国人の平均的な顔の人たちは、もともとサハ共和国周辺から南下してきたと言われている。
「「エヴェンキ人」と「韓国人」の顔が似すぎている件と、韓国における顔の種類(パターン) TOP5」
そのため韓国には日本人のような縄文系も少数ながら存在する。(任那日本府説)
で、ハプログループNといえば日本人の割合の約7%もこれに該当すると言われている。つまり日本人の7%も、サハ共和国にいる寒冷地帯顔(目が細く頬骨が出ている)にどこかしら似ているかもしれない。とも言える。
日本人のハプログループの種類は以下に書いたのでご参考に。
「韓国人とは違う?日本人の遺伝子Y染色体DNA(父系)とミトコンドリアDNA(母系)「ハプログループ」の種類を比較」
さて、このハプログループYの割合を表にするとこんな感じになる。
この中で二ヴフが一番高い数値となっている。ウルチは現在人口が少ないので、以下では二ヴフとともに説明していくね。
で、驚くのは北方民族が持つハプログループYを、ニアス島(インドネシア)とパラワン島(フィリピン)にもみられることだ。
これも以下で少し掘り下げていく。
また⑧のエヴェンというのはエヴェンキとは違う。けれども、ほとんど類似しているものとみなされれている模様。
ではでは、以下より、ハプログループYが入っている民族を軽く紹介していこう。以下の数字は、日本語版のウィキペディアよりもロシア語版のほうが詳細に書かれている場合が多かったのでそちらを参照した。
①ニヴフ
ニヴフのほかにも、ウィルタ(Ороки)、オロチ(Орочи)などアムール川周辺には日本人に似た民族はいるが、ニヴフ以外は現在人口が物凄く少ないのでここでは割愛。
2010年の国勢調査(ロシア)で、二ヴフは、4466人いるということが分かっている。そのうち、サハリン州に2253人、ハバロフスク地方に2034人。ハバロフスクのほうは、2002年による数字。
ちなみに彼らが受け継いでいるニヴフ語は言語系統不明に分類されるのもポイント。二ヴフの居住エリアはその多くが、サハリン州北部と、ハバロフスク地方北部である。
こちらの地図は、赤い部分はもっとも二ヴフの人口が多いエリア。次に多いのが黄色の部分で、続いて青い部分。ハバロフスク地方は、アムール川に沿っているのが分かるね。
参照→Нивхи
以下、大阪のおばちゃん?と勘違いしそうな女性まで。二ヴフの民族衣装だろうか。
www.arctika.info/narodyi/narodyi/nivxi
また以下の写真も非常の興味深い。
www.openarctic.info/index.php/atnography/narody-severa/86-gilyaki-nivkhi
こちらも二ヴフの写真と言われている。面白いのは、右側が韓国にもたまにいそうな、目が凄くキツいバージョンで、頬骨がシッカリしている系の顔立ち。
左側は髭が多いせいなのか、アイヌのようにも思える。彼らの共通は骨がシッカリしている部分と目が細い(寒冷地で生きていくため?)部分だろう。
いずれにしてもツングース系民族の特徴を兼ね備えているのは分かる。
「なぜ日本人にソックリ?「ツングース系民族」の顔が西洋でモテる理由」
②ナナイ
www.xn--c1acc6aafa1c.xn--p1ai/?page_id=30978
ナナイもまたアムール川流域に1万人ほど(ロシア側)住んでいて、中国側にも、5000人ほど住んでいる。一部、ロシア人と混血が進んでいるともいわるが、人口では二ヴフよりも多いのが特徴。
とはいえ、ハプログループYは、二ヴフほどは強くない。(二ヴフ66%に対して、ナナイは40%)
けれども、二ヴフやナナイなどをみても、ハプログループYが、ツングース系、つまり北方系の民族だということが分かるだろう。
③アイヌと縄文人が若干、異なる理由
面白いのは、20%のアイヌにはハプログループYが入っているのに対して、縄文人はハプログループYを有していない点である。
以前私が書いたこの記事。
「世界に存在していた国 TOP10に、日本の「蝦夷共和国」がランクインしていたことと、東北の蝦夷とアイヌの関係」
本州で朝廷側(京都などを中心とした弥生系の人種)に追いやられるように北海道に渡った縄文人が、オホーツクの影響が強かった当時の北海道における現地人(北海道でのアイヌの歴史は10世紀以降に姿を現すので)とミックスして現在のアイヌに至っているのではないかという話。
※北海道育ちの私だが、北海道はずっとアイヌのものだと思って来た。けれども歴史を調べるのはアイヌが歴史上現れるのは10世紀以降だということ→これポイント。
つまりアイヌには北方系の顔の人も結構多いが、それは二ヴフなどいわゆるオホーツク人とミックスした、ハプログループYの影響が強く出たアイヌなのではないか。ということ。
以下、サハリンのアイヌの写真だけれども、やはり北方系の顔の人も多い。
「ポーランド初代国家元首の兄「ブロニスワフ・ピウスツキ」が撮影した、サハリンに住む「アイヌ民族」の写真が意味深すぎる件」
④インドネシアや、フィリピンにも一部存在する謎
www.hatrib.wordpress.com/2016/06/22/nias-people/
もっと興味深いのは、このツングース系のハプログループYを持った人たちが東南アジアにも少数ながらいるということである。
今まで紹介してきたのが、ハプログループY1であったが、東南アジアにおいても、ハプログループY2が見られるのが、インドネシアのニアス島とフィリピンのパラワン島である。
上の写真はニアス島の人たちの男性。私がジャカルタでみてきたジャワ人とは全然違い、北方系の顔立ちを受け継いでいる顔に見える。
北方系の顔立ちに、東南アジアにいそうな鼻の形、体型に見えるのは私だけだろうか。
次に、パラワン島。パラワンに住むものの写真を調べてみると、やや北方系に近い顔立ちの少年を発見。(右側)
https://www.timetravelturtle.com/batak-tribe-palawan-philippines/
で、パラワン島はインドネシアでは人口第3位のバタク人が先住民なのである。フィリピンとインドネシアは国は違えど、共有している民族は被る場合がある。
つまり、私も以前、インドネシアの民族を調べていたが、頬骨が高いと書いたことからも分かるように、バタク人は日本人というか、北方民族に近いのかもしれない。ここでまた何か繋がった気がするね…。
「日本人とも関係がある?多民族国家「インドネシア」の民族 TOP20」
まとめ
この記事で伝えたかったこと。それは日本人が持っていないハプログループYをアイヌが持っているという点。そしてアイヌがなぜ持っているのか。ということを考えたとき、3世紀から13世紀まで存在したオホーツク文化の際に、本州から新天地を求めてやってきた縄文系の人々がオホーツク人と混じり合い、ミックスしたのが現在のアイヌなのではないかということ。
またオホーツク人の特徴として、現在のアイヌの外見とは少し違った韓国人を少しゴツくしたかのようなタイプの北方民族(二ヴフ、ナナイ)に近いのではないか。という点。
そう考えると、私なりに納得できてしまうのだ…。また何か情報が入り次第、追記していくね('ω')ノ
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