2019年2月から数ヶ月、インドネシアの人種を観察しに行ってきた私。そこで感じたことは、日本人からすると浅黒く見えるインドネシア人の中にも、白い人と黒い人。と色で分けるわけではないが、人種的に上、下みたいなヒエラルキーがあることを感じたことだ。
もちろんその頂点は、中華系インドネシア人であり、彼らはインドネシアで何度も虐殺、暴動などに巻き込まれている。しかも、インドネシア全体から見ればほんの数パーセントしかいない中華系インドネシア人は、肌が白いので物凄く目立つのは不思議な感覚だった。
「ヒエラルキーの頂点?差別され、虐殺され、インドネシアで怯えながら暮らす華人・華僑「中華系インドネシア人」に関する疑問 TOP10」
また私もスラバヤにいたので、まさか日本人が住んでいるとも思われていないのか、ずっと中華系だと間違われ、妬まれた気分を味わった感覚もあった。
何より凄いのは中華系同士で妬み合っている感。スタバに入ったときの空気は異様すぎてあの感覚は忘れられない…。
そしてもう一つ感じたこと。それは、物凄く黒い人種がいて、それはどう考えてもインドネシアの多数派でもあるジャワ人や、その次に多いスンダ人とは全く違う外見だったということ。
私は彼らがパプアニューギニア島からやってきたパプア人だったということは知らなかったし、普通インドネシアに旅行に来ても、多くの日本人はこのことには気付かないと思う。
仮に気付いたとしても、そういう人種もいるよね。と勝手に思い込み、調べもしないはずだろう。私は人種系の記事も書いていることから、このことはインドネシア語でも調べなければならないと思い調べた結果、やはり私が思っていた勘みたいなものは間違っていなかった。
つまり、インドにカーストがあるようにいくつもの民族を束ねてできたインドネシアにも、暗黙の了解的なカーストがあるというふうに私は感じたのである。
このヒエラルキー、カースト的な記事は私は何度も書いているのだけど、どこの国でも誰かが誰かを見下すという構図ができている。それは日本では気づきにくいけれども、日本でも同じ。
また日本人が東南アジア人を無意識のうちに見下してるとしたら、そんなインドネシアなどでは、パプア人がその対象と言える。
という大まかな概念を説明したが、なぜインドネシア人の多くが、パプア人をそのように見下すのだろう。歴史的な背景、そして現在に至る部分まで解説していきたいと思う。
そして、現在暴徒化してしまったパプア人だが、そのキレた理由なども書いていきたいと思う。香港が中国ともめていたり、日本と韓国がもめていたりする中、こちらも、今ものすごいことになっているのでね…。
まだまだ世界には対立構造が出来上がっている国はたくさんあるので、以下もご参考にね('ω')ノ
①パプアニューギニアの現在(イリアンジャヤ)
まず、日本人にとってパプアニューギニアと言えば、アニメの影響もあってか、「南国少年パプワくん」を思い出し、長閑で海が綺麗な島の住民なのだろう。と勝手な想像をするかもしれない。
けれども、パプワというのは空想のキャラクターで、実際はパプアであることもお忘れずにね。
上のパプアニューギニアの位置。オーストラリアのちょうど北部にニューギニア島がある。ここから、ニュージーランド北部にあるフィジーまで、メラネシアと呼ばれるのだけど、その中でも一番大きな島がニューギニア島である。
www.geocurrents.info/cultural-geography/mapping-religion-in-indonesia
まさに文明の衝突なのである。
「【文明の衝突】が示す8つの文明。日本は孤立した独自の文明を持つ唯一の国?」
バリ島(422万)もイスラム教ではなく、バリ・ヒンドゥー教であるので、インドネシアでは特別な場所ではあり、多くの観光客を引き寄せているが、人口が少ないのと、ジャワ人が集まる島々に挟まれた形で存在しているので、ジャワ人を中心としたイスラム教徒のインドネシア人にとってはさほど気にするほどのものでもないと映る。
むしろ、イスラム教徒のインドネシア人がお酒を気軽に飲んだり遊びに行くには都合の良い場所が、バリ島。
けれども、パプワニューギニア島の西半分はそうもいかない。以下の地図はパプワニューギニア島で、東側がパプワニューギニアという国。西側がインドネシアに組み込まれているイリアンジャヤ(西パプア州、パプア州)
宗教に関して言えば、西パプア州はキリスト教が60%以上、パプア州は80%以上とどちらの州もキリスト教徒が多い。
それはこの島に1526年、ポルトガル人が降り立ち、パプアと名付けたことからも分かるように、ポルトガル→オランダ→イギリス→オーストラリアなど、西洋の植民地支配を受けてきた場所だからである。(また、1884–1919年の間には、島を三分割にされ、植民地支配されている)
しかも、イリアンジャヤの人口は、260万人程度とバリ島よりも少ないが、宗教においてキリスト教が優勢な上、地理的にインドネシアの一番東側にあり、しかも時差もジャカルタとは2時間も離れているため、インドネシア軍がもしなかったとすれば、すぐに独立されてしまう。そういう場所なのだと私は思う。
勝手なこと言って申し訳ないけど、一つの島なのだから、一つの国が統治するのが理想なのだけどね。
けど、パプワニューギニアにもまた、歴史的にヨーロッパ人によって分割されたりしてきて、複雑化しているのも事実…。(上の分割図を見ても分かる通り)
②アジア版の黒人である理由
パプア人の外見を見ればわかるのだけれども、東南アジアの中でも一番黒い。これはインド南部に存在する北部とは違った種類のインド人、アフリカの一部にいる真っ黒い人種と同じで、オーストラロイド系に分類される。
「黒人には10種類ある?ネグロイドと、オーストラロイドの違いと、世界に散らばる黒人」
このような肌の色、またインドネシアの中心であるジャワ島とは全く違った文化から、俺らとお前らは違う。というような差別に繋がっている可能性がある。
これは、日本でもアイヌに対して行われてきたもの、アメリカにおけるインディアンに対して行われてきたもの、オーストリアが白人に乗っ取られて以降、多くのアボリジニが虐殺されたことに似ているような気もする。
③日本人が想像する以上に多様すぎるインドネシア
私が東南アジアでベトナムやタイよりも先に、インドネシアに強い関心を抱いた理由はその民族の多さにある。以下にもまとめたが、私がインドネシアに住んでいた数ヶ月間感じたのは、民族によって言語も違えば、考え方も違うという事である。
「日本人とも関係がある?多民族国家「インドネシア」の民族 TOP20」
考え方以前に、雰囲気が違う。例えばスンダ人の雰囲気は日本人に近く、商業的な野心よりも、歴史的に農業を営んできたような、分け与えるというような、貧しくても優雅なイメージが、ジャワ人に対してよりも多く感じられた。
誰かのブログで、スンダ人の多いバンドンは縄文人に似ている。という記事があったが私もそのような感覚を感じた。
いかにも中華系が持っているお金中心的な考えよりも、助け合いという日本人が持っているものを持ち合わせている。そんな感覚。なので不思議とバンドンは居心地がよかった。それがジャカルタ、スラバヤに行くと全然違うのである。
で、まず、こちらがパプア人。皆やはり、肌が真っ黒く、髪の毛もボンバー。
おそらく天然パーマ率が高いのかもしれない。ハプログループで言うと、ハプログループMS (Y染色体)で、物凄く珍しいタイプのハプロであることから、まだそこまで研究が進んでいないようだ。ウィキペディアの内容も全然書かれていない。
けれども言えるのは、バヌアツ、ツバル、パラオ、ミクロネシア、マーシャル諸島、フィジーなど、周辺の島々も、このハプログループに該当することだ。
一方、インドネシア人の多数派であるジャワ人は、もっとあっさりした顔をしている。
www.news.americanbible.org
若干、浅黒いものの、日本人にはまだ馴染みのある外見だ。それくらいハプログループ的にも日本人に少しだけ近いのかもしれない。
で、中華系インドネシア人になると、肌は完全に白くなっているよね…。って、中国大陸からやってきてるのだから、当たり前だけど( ゚Д゚)
ね。インドネシアって本当に多民族国家なの。日本の弥生系と縄文系ってもんじゃなくて、行ってみるとその偉大さが分かるので、是非お勧め…!
④「イヌ」や「サル」扱いされていると感じる理由
イリアンジャヤに住むパプワ人は、自分たちが、犬や猿扱いされていると証言している。→地元の資源が搾取されているという意味だと思う。
で、そもそもデモが起きたきっかけが、東ジャワ州(スラバヤなどがある州)で、治安当局者がパプア出身学生を「ブタ」「サル」「イヌ」「コテカ(ペ●スサ●ク)」と呼ぶ差別的な言動をしたことである。
その後、暴徒化し、パプア州の州都ジャヤプラで独立の是非を問う住民投票を求めるデモ隊と治安部隊が衝突する形となった。
一部では、ULMWP(西パプア統一自由運動)を率いるベニー・ウェンダ氏が扇動したともいわれているが、真相は定かではない。
また、パプア州にある世界最大の金鉱山で世界三位の銅鉱山でもあるグラスベルグ鉱山などが、外国資本による開発によって搾取されていく中、現地への利益還元はほとんどなく、山間部でのインフラ整備も大幅に遅れている。と、インドネシア在住ジャーナリスト大塚智彦氏はニューズウィークに書いていた。
また、そういう経済的不遇に加えて非パプア人である大半のインドネシア人が根底に抱く「潜在的差別意識」への不満、反発が一気に噴出し、長年の主張である「独立を問う住民投票の実施」という要求にまでエスカレートしているのだ。
とも語っている。
⑤日本も他人事ではない
中国が新疆ウイグル自治区やチベット、日本が北海道や沖縄。というように、西洋の列強がアジアにやって来るのと同時に、領土を取られないように本当の意味での国家を建設する必要があった。沖縄なども、明治以降、まずは鹿児島県に入り、北海道も明治以降、本州から多くの和人が渡った。
インドネシアも、オランダの植民地支配から解放されて以降、マレー語をもとにしたインドネシア語を作り、周辺の島々を一つの国として無理やりまとめあげた。
このように多くの国では、少数民族が巻き込まれる形で、国家を建設していったという歴史があると思う。
今回のパプア人の暴動。はもしかしたら近い将来の日本でも起こらないとは言えない。
というのも日本ではアイヌや沖縄の民族へとつながっていくという懸念もあるからだ。アイヌの人口は少なく、あり得ないと思われがちだが、アイヌの人権法の改善は言うまでもなく必要なのではあるが、そこに外国の勢力が入ってくる可能性、アイヌをうまく利用される形で操作される可能性は否定できない。
「北海道や沖縄も?将来、独立、または吸収合併する可能性がある国リスト TOP15」
日本の国力は今後、ますます相対的に弱くなっていく。と同時に、外国の勢力、中国やロシア、朝鮮半島などが日本を裏で操作してしまう可能性も否定できない。
ちなみに私はアイヌ語も勉強していて、アイヌの歴史を勉強しているので、アイヌによる「川でのサケ漁」は心の中では賛成であるが、今は日本国民となって和人と同等の権利を有している日本国民なので、アイヌにそれを許してしまうと、和人にもそれができてしまうようになるのではないか。とか、多くのことがアイヌに許されてしまうという懸念から、日本のことを考えると、今は反対の立場である。
と、日本の将来は、楽観視できない。なぜなら人口は減っていることは誰が見ても分かることだし、格差もどんどん広がっているからね…。
とまとまりのない文章になってしまったが今日はこの辺で(^_-)-☆
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