人種・民族・外見・風習

なぜイタリア人は南北で顔が違うの?南イタリア人は、日本の縄文人との共通点はある?

2019年9月6日

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なぜイタリア人は南北で顔が違うの?南イタリア人は、日本の縄文人との共通点はある?

2019年9月6日


ヨーロッパは言語系統によって大まかに分けることができる。英語やオランダ語、ドイツ語、スカンジナビアなどのノルウェー、スウェーデンが、ゲルマン語族。

ロシアや東欧、バルカン半島に位置する国はスラブ語派。そして旅行者が多い、フランス、スペイン、ポルトガル、イタリアなどはロマンス諸語圏。

「欧州なのに「インド・ヨーロッパ語族」には属さない異端の「ウラル語族」と日本語の関係」

この中でポルトガルという国は1人当たりのGDPが低く、EUの中では下に見られている部分があると以前書いた。

「貧しいけど、非常に親切でフレンドリーという声も。ポルトガル人は、EUで一番下に見られている?その理由 TOP6」

またスペインはアメリカ合衆国や中南米に多くのスペイン語話者を持つという点から、最近は存在感が少しずつ上がっているような気がする。

で、問題はイタリアだ。イタリアと言えば、日本から直行便がなく、またイタリア語を趣味で学ぶ人はいるが、それほど人気のある言語でもない。

けれども、この国には毎年世界中から多くの観光客がやってくるし、日本人からしてもイタリアは、グッチやフェラーリなどのイメージもあってか、イタリア語を話せる日本人はかっこいいかも。と勝手に思ってしまうほど、ある意味、日本にとっても放っておけない国のうちの一つ。

でも、日本人はこの国に対してどのくらい知っているだろうか。この記事では、そんな部分に簡単に触れていきたいと思う。

特にイタリア人という人種を中心に書いていきたいと思う('ω')ノ

①日本人がイメージしているイタリア人は、南イタリア人である理由

まず、ヨーロッパでも疑問に思われているイタリア北部と南部で顔が全然違う疑惑から解説していこう。

イタリア人と言えば、色黒で陽気で、ちょい悪オヤジがグッチやブルガリなどのブランドをつけているイメージがないだろうか。日本の雑誌、特に男性系のファッション雑誌では、イタリア人の男は黒くて男らしいというイメージを定着して、新たな市場を開拓するために、そういうイメージを創り出している感がある。

その中でも、縄文系が色濃く出ている阿部寛をイタリア人の典型的な顔のように演出しているようにも思える。

同じく縄文系が色濃く出ている俳優にネプチューンの名倉潤などの声も上がってくるが、こちらはタイ人の典型的な顔として言われることがあるが、全然タイ人に似ていないのが現状…。(たまにいる顔というくらい)

実際にタイに行くと、もっと中華系寄りのアッサリ顔が多かったりする。以下のイケメンリストを見れば、なんとなくタイでモテはやされている顔も同時に分かるだろう。

「タイ人女性や海外の女性からみた、タイのイケメン男子 TOP20」

さて、イタリア人は南北で

髪の毛の色
肌の色
髪の毛の質
骨格

において若干違うとも言われている。実際に、英語圏でも以下のような比較写真を用いて、北イタリア人と南イタリア人の顔の違いを割り出していた。

2006年のワールドカップに出場したイタリア人選手16人を平均すると、北部と南部でこれだけ変わる模様。左(北部)のほうが鼻がスッとしていて、眉毛が若干上がっているのに対して、右(南部)はそれとは対照的だ。

また右のほうが髭が若干多いようにも感じる。

こちらは2000年~2006年までのミスイタリアの女性モデル83人を北部と南部で平均化した場合の写真。

女性の場合、左(北部)と右(南部)では、骨格が若干違うように見えるだけで、女性は皆化粧をしてその国のスタンダードに合わせようとする習性があるためか、あまり違いはみられない。

こちらは、イタリア共和国の第14議会の代議員の92人平均を北部と南部出身で分けた結果。こちらも分かりにくい。南部が若干薄毛に見えるのが気になる程度だろうか。

これらの違い、私が見比べるのと、他の人が見比べるのとではやはり見ている部分も違うと思うので、私の感想しか述べられないが、イタリア人は北部と南部で若干平均顔が違うということは、分かっていただけただろう。

特にサッカー選手を見れば一目瞭然である。

Italian Facial Composites

で、以下はまさに日本人がイメージしているイタリア人ではないだろうか。

なんというか、アラブ人とドイツ人の中間あたりにいるような、白人にも見えるし、アラブ人にも見える。けど、目の色がブルーだったり、エキゾチックに見える。

そんなイメージがあるのだと思う。

 

②北部のイタリア人は、こんな感じ

イタリア人のイメージは上に挙げた北欧とアラブのハーフに見えるのは、どうやら日本人だけではないようだ。英語圏でも、こちらの女性の写真(アンナ・アンターバーガーというイタリアの歌手)は、どう考えてもイタリア人のイメージとはかけ離れている。という声が多かった。

この写真をみると、ブロンドに白い肌、ブルーの瞳、顔の彫の深さをみても、なにやら北欧の女性?と連想させる。

彼女の出身は、イタリア北部でオーストリアの国境にも近い、ボルツァーノというところだ。

from carla's photo

こちらもフランスの国民的歌手でフランス前大統領サルコジの奥さんでもあるカーラブルーニ(イタリア出身)も、日本人がイメージするイタリア人とはずいぶん違う。

カーラブルーニの生まれ故郷は、ミラノ郊外にあるトリノという場所。ミラノと言えば、フランスとスイスの国境がすぐそこにある場所で、ミラノは北イタリア。そして、ローマやナポリなどは南イタリアと言える。

イタリアの人口はおよそ、6000万人(2017年)そのうち、

・北イタリア(2780万人)
・中央イタリア(1206万人)
・南イタリア(1407万人)

なので、人口的には北イタリアのイメージが大きくてもいいような気がするのだけど、イタリア人=南イタリアのイメージがあるのだよね…。( ゚Д゚)

おそらく、これはドイツやフランス人が、自国とイタリアを区別するために、イタリア人=黒いというイメージを植え付けているのかもしれない。

またイタリア人も、ドイツやフランスと区別するために、ちょっとアラブチックの入った人をスターとして育てているのかも!?→ウチらはお前らと違うぜぃ!みたいな。

これは日本人が、中韓とは違う。というように、木村拓哉みたいなエキゾチックな、東アジアにいない縄文顔をスターにしているのと似ているかも!?( ゚Д゚)

 

③イタリア国内でも話題になった「イタリア人は南部系白人?」

南部系白人という表現がどのような意味を表すのかは人によって解釈が違うかもしれないが、イタリア人はおそらく、スペインやポルトガルがかつてアラブに支配されていた名残で、アラブ系の白人扱いされていることについて、イタリアももしかして、スペインと同じなのでは?という意味で、南部系白人という表現を使っているのかもしれない。

「白人とアラブ人(ベルベル人)のハーフなのですか?に怒りの声も。スペイン人が認めたがらない理由【海外の反応】」

以下のイタリア語のサイトでは、「イタリア人は南白人ですか?ここに科学的証拠があります」というタイトルで、いくつかの写真付きで紹介されていた。

Gli Italiani del Sud Sono Bianchi?Ecco le Evidenze Scientifiche

以下、その内容。

南部人はヨーロッパ以外の影響を受けていますか?ここでは、古代の遺伝学と最近の遺伝学を区別する必要があります。ヨーロッパ人は、主に狩猟と収穫に住んでいた古代の先住民族と、新石器時代にヨーロッパに入った東方の農民の混血です。後者は、気候および領土の構造上の理由から、主に南ヨーロッパに定住していることが明白です。

しかしその後(特にローマ帝国後期)、ヨーロッパ以外の国(アフリカ/中東)から他の人々が到着し、主に南イタリアとギリシャに定住しました。

アメリカに本社を置くバイオテクノロジー企業「23andMe」の研究で、後者(南イタリア人)は実際に、MENA(中東/北アフリカ)の遺伝子が入っていることがわかっていて、以下は、その割合を示しています。

MENAとは、以下のエリアのことです。

23andme の分析によると、南イタリア人の多くが、10%程度の遺伝子をMENAからもらっていることが分かります。これは個人によっても違いますし、地域によっても違いますが、カラブリア州では高い割合を示し、西シチリアや、モリーゼ州では低い数値を示しています。

さて、以下の写真では、MENAからやってきた人たちのDNAが多いエリアがすぐに分かる。またカーラブルーニが生まれたトリノのように、Northwestern Europe(緑色の部分)が、北欧系の人種が多いということになる。

 

④日本人(縄文人)とイタリア人は、共通点がある?

以前、イタリア人のブロガーからみた日本のイケメン(歴史的人物)の写真リストを紹介したことがあるが、そこに映っている人たちは、今でいう韓国人っぽい薄顔の芸能人などとは違い、昭和や1990年代にモテはやされていた縄文顔の人が多かった。

「日本のハンサムなサムライが、イタリアで順位付けされていた件【イタリアの反応】

日本人が平均的に言うと、中国人や韓国人よりも濃く見えるのは、以下でも語ったことがあるが、だからといって日本人はイタリア人とは全然似ていないのは上の写真を見ても明白。

「韓国人からみた典型的な日本人男性の顔 TOP3 と、韓国人男性との顔の違い」

少し脱線するが、韓国の場合は、以下の記事でも述べたがかなり特殊で、薄い顔の人の割合が非常に多い国である。→日本、中国、イタリアなど、北部と南部の顔で結構違うのに対して。

「「エヴェンキ人」と「韓国人」の顔が似すぎている件と、韓国における顔の種類(パターン) TOP5」

これが、韓国人が自分たちはアジアのヨーロッパだとか、スイスだとか思っている証拠なのかもしれない。と私は韓国に生活していて思ったのだけどね…。

「EU加盟は無理でも、韓国がアジアのヨーロッパでありたい本当の理由 TOP8」

という脱線は終わりにして、イエスキリストと言えば、ユダヤ人で、現在のイスラエル北部にあるナザレの街が故郷とされている。

ユダヤ人と言えば、現在はアシュケナージ系のユダヤ人(ヨーロッパからイスラエルに帰還した人たち)のイメージが強く、白人みたいな顔のイメージがあるが、イエスキリストの本当の顔は、日本のアイヌによく似ているとも言われていて、従来のイメージ(左)ではなく右のイメージとなる。

ちなみにユダヤ人を一括りにして考えてしまっている人は、ユダヤ人にもいくつかの種類があるという事を知っておいたほうがいいかも…。以下に書いた。

「ノーベル賞の20%、世界の富の分配、産業の独占。日本人はユダヤ人(失われた10支族)説まで、ユダヤに関する知識 TOP10」

またキリストは、シルクロードを通って青森に逃げたという噂もあり、外国人ユーチューバーが青森に行く事態となっていたことはあまり知られていない。

「青森県の「戸来村」にイエス・キリストの墓がある理由。また日本人のウソ始まったの?【海外の反応】」

で、イエスが青森に逃げた可能性もあるという話はここで終わりにして、中国人と韓国人にはほとんどなく、日本人に多くあるハプログループとして、ハプログループD(Y染色体)というものがある。

「韓国人とは違う?日本人の遺伝子Y染色体DNA(父系)とミトコンドリアDNA(母系)「ハプログループ」の種類を比較」

このDが入ってきた経路、つまりDEまでの過程が、エチオピア→イエメン→イラン→中央アジアということから、日本人の縄文系の一部は、アフリカや中東に近いDNAを持っていて、平井堅のような人もいるのだ。と思われている。

南イタリアにも、MENAから入ってきた人の混血となっている人がいるが、日本にも、MENAから人がやってきているということになる…。( ゚Д゚)

なので日本の縄文色が強い南イタリアっぽい顔の人が、イタリアブランドを持っていると絵になるのだろう…。

また、チベットやアンダマン諸島の人たちはアジアでも唯一、日本人と同じハプログループD(Y染色体)を持っていて、チベット人(ブータン人も民族的にはチベット人と同じ)は特に日本人に似ている人が多い。

「日本人に激似!?ブータン人女子からみた、ブータンのイケメンTOP18。ワンチュク国王の弟も!?」

またアンダマン諸島は、日本人の顔とはかけ離れているが、日本人に天然パーマが多いことや、毛深い人が東アジア・東南アジアの中でも突出して多いこともあるので、アンダマン諸島の人たちと共有している部分は結構あるのでは。とも思う。


「日本人は黒人?日本人と同じ【ハプログループ D】を持つ、チベット人と、アンダマン諸島のオンガン人(ジャラワ族、オンゲ族)」

ちなみに今私が住んでいるキルギス人。キルギスは、上の地図にもあるけれども、アフリカから日本まで、DE→Dが届く中間点あたりにある国。

ここもやはり日本人に似ている人が多い。(東南アジア人とは比にならないくらい似ている)

「住みやすさ抜群。日本人の兄弟国家キルギスの「ビシュケク」に2ヵ月住んでみた件」

最後に、そんなイタリア人に親近感を持ってもらったと思うので、あまり学ばれていないイタリア語の魅力について語って終わりにしよう。

 

⑤イタリア語が、他のロマンス諸語とは違う理由

写真は地理的に完全に、西ヨーロッパとも、東ヨーロッパとも、北アフリカとも隔離されているイタリア。しかも、その中間地点なので、ある意味、ヨーロッパ・北アフリカ全体の中心的な位置とも言える。

イタリア語は、インド・ヨーロッパ語族の下位言語であるロマンス諸語である。ロマンス諸語には、以下のような言語があるが、

フランス語=アフリカの言語
スペイン語=南米の言語
ポルトガル語=ブラジルの言語

これらはすべてヨーロッパ以外の国も巻き込む国際言語となってしまった。けれども唯一イタリア語だけはイタリアだけでしか話されない言語。

そこにイタリア語のブランド力を感じるわけだ。つまり、イタリア語を勉強した人は、その他の言語よりも、イタリア人にとても喜ばれるというわけ。

けど、多くの日本人はビジネスで全く使えないイタリア語を勉強しようとはしない。

ドイツ語を勉強しても、フランス語を勉強しても現地の人に相手にされない日本人にとって、イタリア語はヨーロッパの中でも、唯一、歓迎される言語であるということは覚えておくべきだろう。

日本にはイタリアのブランドものを持ってかっこつけている人が結構多いが、グッチやブルガリ、ミュウミュウ、フェンディ、フェラガモ、ランボルギーニなんか見せびらかしておいて、イタリア語も話せないの?となるとちょっと恥ずかしいので簡単なイタリア語くらいは学んでおいてね('ω')ノ

私も、1ヶ月ほどイタリア語メンターを作りに、イタリアに行ってこようかしら。

「イタリア語を勉強するメリット、需要、重要性」

Reference
Do North Italians consider themselves Germanic?
https://www.quora.com/Why-is-Italy-such-a-popular-country


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