約2週間ちょっといたウズベキスタン。タシュケント、サマルカンド、ブハラ。とそれぞれ今までノマド候補として行ってみたかった3都市を生活目線で見て回ってきたけれど、その中でも、いい部分ももちろん多かったけど、来てみて初めて感じた新しい感覚もある。
そして意外とネガティブに思う部分が多かったのも確かだ。それはキルギスという国と比較して思うことが多く、この記事ではそういったネガティブな部分にフォーカスを当てて書いていきたいと思う。
①人種・言語について
まず初めに人種・言語について語っていきたい。
言語大好きオタクの私に取ってさえ、ウズベク語という言語は非常に中途半端な言語だと感じてしまう。それは、ある意味、タシュケントにまず2日滞在して、その後にブハラとサマルカンドに行ったからだろう。この二つの都市は、以下の記事でも紹介したけど、70%以上がペルシア語(タジク語)を話す人たちであり、民族性もウズベク人ではありながら、実は家庭での言語がタジク語といった複雑な歴史の中で形成されてきた人たちだ。
「ウズベキスタンの古都「ブハラ」「サマルカンド」の違い(人種、文化、言語、家賃、ノマド目線)」
そんなタジク人は、特に私が関わったホステルや、アパートを紹介してくれた男性などが自分に自身があるように見えた。そしてそれはタシュケントにいたロシア人やウズベク人にはほとんど感じなかった。
私はそんなタジク人に強い関心を持つようになったのだけど、タシュケントに戻ってきてウズベク人をみても、中途半端にモスクワに向いた人たち。のようにしか思えないのである。これは滞在日数が少ないからなのかもしれないけど。それくらいタジク人のインパクトのほうが強かったということ。
彼らは自分の伝統や、言語などに強い自信を持っているように感じた。
つまり、民族も言語も、ウズベキスタンでは断然タジク人のほうがインパクトが強いと思う。それはキルギスに2ヶ月位いた後にウズベキスタンに行くとなおさらである。なぜなら、タジク人は外見はアラブ人の顔をした東アジア人であり、ウズベク人は、かなりミックスされていて、モンゴル系も、白人系も、中央アジア系、トルコ系も混ざっていて、これがウズベク人の顔だよね。というのがあまりイメージしづらいからである。
※以前、人種の雰囲気については別の記事で書いた。
「親日ウズベキスタン人と日本人は似てる?両国が持つ共通の話題と、関係の重要性、ハプログループの種類」
一方、典型的なキルギス人はモンゴル人の目と日焼けした肌に、日本人のように骨はやや華奢なイメージ。タジク人は、眉毛が繋がっており、だからといってアラブ人ほど堀が深くない。ということで非常にわかりやすい。
なので、人種が言語好きの私は中央アジアで言えば、キルギスかタジク。どっちかでいいじゃん。となってしまった。なぜならキルギス語をやれば、ウズベク語の70%、カザフ語の90%は理解できるのだし。
とはいっても、改めて気付かされたこととして、ウズベキスタンに来てウズベク語をたくさんみてきたことで、本当にキルギス語と単語が70%くらい同じなのだなぁということをさらに確信。ウズベク語の単語は、キルギス語と同じか、アラビア語か、ロシア語か、ペルシア語の単語なので、これらの言語を学んでいるひとはすぐに入っていける言語と言えるだろう。
という意味でウズベク語は私に取っては後回しだけれども、キルギス語の勉強の際に、キリル文字を使うキルギス語に対してローマ字を使うウズベク語も一緒に調べることで、勉強の質は上がっているような気がしている。
以下でもそれは書いた。
「1名限定。キルギス語3ヶ月で「頻出200~300フレーズ」暗記サポート
②面倒臭い手続きが多い
オシュにある、Dostuk border(タモージェンニ・ポスト・ドゥストリク) からウズベキスタンに入国したのだけど、入国審査に30分以上かかった意味がわからない。パスポートを見せてスタンプを押す場面で、その押す人が、私のパスポートをどこかに持っていき、30分も持って帰ってこなかった。なにやら、初めてこの国境を超える人は時間がかかるらしいのだけど、確実にあれは時間がかかりすぎだった。
私のパスポートにいくつものスタンプがあるのが原因ではないか?とキルギス人の友達は言っていた。ちなみに彼は秒速で通過・・。とはいっても、そのスタンプを押した後、セキュリティの人にスーツケースを開けてと言われたが、中身までごちゃごちゃ見ることはなく、建前上開けてもらうという感じだったのは良かった。
よく色んなブログでウズベキスタンの国境、特に陸路の場合はスーツケースの中身を見られて時間が非常にかかった。というのを目にしていたのでそれだけは避けたかったので・・。
それにしても、オシュの街から5kmもしないところにウズベクスタンへの国境があるので、バックパッカーの間では、ウズベキスタンに行く前にオシュに数日寄るのが定番となっている。
ちなみにタシュケント空港から出国の際、私はウズベキスタンの通過を数万円持っていったが、何も言われなかった。外から空港に入る入り口で、手荷物検査の際に、若いセイキュリティの人に、ラフな感じで、私の透明の財布を見ながら、こんなにスムを持ち帰るの?と聞かれたので、またウズベキスタンに戻ってくるもーん。って強めに言ったら、そうなんだ!という感じだった。
私は既に10万円以下なら持ち帰ってもいいということを知っていたので。
③滞在証明が面倒い
※写真はブハラの世界遺産。
ウズベキスタンでは旅行者は宿泊したホテルで滞在証明。というのを発行してもらわないといけないことになっている。これはロシアも同じで、ロシアに行く日本人の間ではこれはもう取っておいてもしょうがないよね。という感じで帰国する際にもロシアの空港で滞在証明のことは聞かれない。とはいっても厄介なのは、滞在証明を持っていないとホテルで宿泊を拒否されることがある点だ。私はモスクワの4つ星ホテルでそれを一度経験したし、今回タシュケントのホステルに泊まった時も、滞在証明を見せてと言われた。そのホステルに泊まる前のまた違うホステルでは滞在証明をもらえなかったので、前の前に宿泊していた滞在証明を見せたが、それでいいと言われたので、建前上の問題だと思う。
つまり政府から言われたから私たちもただ確認しているだけです。面倒なことには巻き込まれたくないので。という程度なのだろう。
twitterなどで色々調べてみても、日本人がウズベキスタンに旅行に行って、日本に帰国する際、出国審査などで滞在証明の提出は聞かれないようだ。とはいっても、それを持っていないと宿泊できない宿泊施設もあるので要注意。
物理的なコピーをもらう場合もあれば、WhatsAppなどのアプリでPDF形式でもらえる場合もある。どちらも有効なようです。
それだけウズベキスタンもロシアのやり方を踏襲しているという点で、まだ観光客向けにオープンにした国ということだけもあってか、整備が進んでいないと思うので、今後こういう面倒なものはどんどん廃止に向かっていくのでは?と思っている。
④タシュケント空港が不便。そしてSIMカード
タシュケント国際空港自体は、市街地から5km以内で行ける。なので、この空港は福岡における福岡空港のように非常にアクセスが良いのだけど、不便と感じたことがいくつかあった。それは、カフェでさえも差込口があるのに、充電ができない。これは中央アジアでよくあることなのだけど、そもそもコンセントの差し込み口があっても、電気が通ってないのである。
また、中央アジア最大の都市の国際空港なのだから、wifiくらい飛ばせよ。と思うのだけど、よほどの倹約家なのか、wifiすら飛ばしていないのである。また、SIMカードはタシュケント空港で購入できるようになったというが、パスポートが必要。
一方キルギスは、第二の都市オシュでさえ、空港に到着して手荷物を受け取る手前の方で、SIMカード販売員が格安で売ってくれて、その場で名前も教えなくてもカードを差し込むだけで使える。非常にお手軽。
それを知っているので、オシュから国境超えしたとき、そこにウズベキスタンのSIMカードを売ってる販売員もいなくてがっかり。タクシーの運転手曰く、皆近くの市街地に行って、携帯ショップ(通信会社)にいって正式に登録するのだそう。ということでタクシーの運転手にパスポートを渡して全部やってもらったわけだ。
にしても、ウズベキスタンはキルギスよりも、SIMカードは面倒かった。
⑤物価の高さ
ウズベキスタンは世界でも珍しい二重内陸国。これは二つ以上の国を越えないと海に辿り着けないという事である。カスピ海の近くだよね?と思うかもしれないけど、イスタンブールのほうから海と繋がっている黒海とは違い、カスピ海は湖。
そのため海を越えて物を運べないので、二つの国で関税がかかってしまう。例えば私が韓国食材を買おうと思った時、中国からすぐに輸入することができるキルギスよりもやはり数百円高かった。また私がよく使うイタリアから輸入されたパスタの素はトルコだと300円ちょっとなのに、ウズベキスタンだと550円超えだった。
なので質の良い物、特にヨーロッパや東アジアからの輸入品に頼って生活している人にとってはウズベキスタンの物価は少し高く感じるかもしれない。とはいってもこの国は一人当たりのGDP30万円程度の経済的貧困国なので、現地の人たちが食べているようなパンやスープ、現地の家畜、野菜などだけに頼るような生活ならかなり食費は浮くだろう。
⑥通信速度(wifi)
借りたアパートのwifiの速度は、4.8だった、けれども、たまに途切れたりするということがあり、SIMカードもいきなり電波がなくなるということが発生した。これはロシアではほとんど感じなかったことだし、キルギスよりもこの頻度が高いと感じた。
また、アパートで停電がよく起きてエレベーターで10階まで行けなく階段に登ったことも多々あった。
⑦それでも、タシュケントは今後変わっていく
https://www.benoy.com/projects/tashkent-new-city/
現在ウズベキスタン政府は、uzbekistan development vision 2030 というのを掲げており、2030年に向けて先進国に近づこうと努力中。イスラム教国家の中でも女性の人権をかなり向上させようというプランもここに入っているという。またタシュケントにはITパークなる開発区も進んでいたり、ニュータシュケントシティなんていう、インドで言えばデリーに対してニューデリーを作るような計画がある。
どのくらいでできるのかは謎だけれども、ウズベキスタンはカザフスタンに対抗しようと、さらに開発を進めて行くのではないか?と期待したいところである。
現在目に見える開発としては、タシュケントの中心部に建設中のタシュケント・パーク・シティ。ここは行った人にしかそのすごさはわからないが、中央アジアにこんな場所があるの?という衝撃だった。アルマトイにもキルギスの都市にもなく、高層ビル都市のアスタナ(ヌルスルタン)でさえも、ここまでお金をかけたイルミネーションや噴水はやらないのではないか?
その内容は以下に書いた。
「中央アジア最大の都市「タシュケント」で数週間ノマドしてみた件(都市規模、家賃、人種)」
また、郊外にも、minerva city という都市開発もしているようで、今後広がっていきそうだ。
⑧せめてもの救い
ウズベキスタンで出会った猫ちゃんたち。→もっといっぱいいるけど、写真は一部。。
キルギスには猫ちゃんが全然いないので、エジプトのほうまで行こうと思ったが、
中央アジアの中でも、ウズベキスタンが猫ちゃん天国だということを確認できてよかった🤗 pic.twitter.com/0HEwGwHV1l
— MULTILINGIRL🌳20言語勉強中のノマド (@_multilingirl_) November 14, 2021
キルギスに比べウズベキスタンには猫が多い。それだけ猫を大切にしているアラブやペルシアの感覚がここにはある。猫ちゃん天国なので友達がいなくても、たまに猫触りに行くといった癒しが得られる。またキルギスに比べ圧倒的に韓国料理店が多いので、中央アジア料理に飽きた時に、そこに癒しを求めることもできる。
また、実際に友達になるか?というのは言語の壁もあるので別にして、ウズベキスタンには東アジア系の顔立ちがした人が数%いるのだけど、それでもやはり日本人は日本人とバレる。実際に私が髪の毛ボサボサであまり気を使っていない格好で歩いていても、観光客?と言われた。
そして現地の高麗人や、東アジア系の顔をした人たちは目つきが鋭い感じもあるので、目つきに余裕のある人は、外国人だと思われ、声をかけられることも。特に私は外資系のスーパーなどで、よくどこの国からきたの?など聞かれた。
外国に興味があったりする人は、裕福な人も多いので、色々なところを歩くたびチャンスはさらに増える事は間違い無いと思う。