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多言語学習者の私が「エスペラント語」を学ばない理由

2022年1月2日

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多言語学習者の私が「エスペラント語」を学ばない理由

2022年1月2日





20言語を同時に学んだりしている私だけれども、よく「エスペラント語はやらないのですか?」などというメッセージが、ブログやYouTubeを通して届くことがある。私はそもそも人の生活に根付いていない言語を学ぶ必要はないと思うし、その意味も分からなかった。

なのでいつも、たとえばネットなどで「エスペラント語話せます。」と言っている人たちは、目立ちたがり屋の極み。だとくらいにしか思っていなかった。よく2年以上も続いている英語の生徒さんとこんな話になり笑いのネタになっているくらいだ。

とはいっても、エスペラント語に関する質問は今まで1件にとどまらず、だいたい5件くらいは全く別の人から来ている状態。なので私の中でもエスペラント語に関する私の意見をいつか書かなければいけないと思って、それから大体二年くらいは過ぎた。

その、私がエスペラント語を学ばない理由と、またエスペラント語が必要な人もいる。という二つの面をこの記事では書いていきたいと思う。




①エスペラント語ってどんな言語?

まず、エスペラント語は、エスペラント語は、ラザロ・ルドヴィコ・ザメンホフ(1859年にポーランドに生まれる)によって最初の文法書が出版されるところから始まっている。1859年といえば、日本では版籍奉還が起きた時期。そんな年代に生まれた人によって1905年、エスペラントの基礎。というものが出版されている。

現在の日本語の統一が、日清・日露戦争がおきた1900年代前後と言われている事を考えてみると思ったよりも古い歴史があると考えてもいいかもしれない。

※現在の日本語も以前は地方によってかなりばらつきがあり、日本全国で通じる標準語に整備していった歴史がある。

で、エスペラント語(語源は、希望)というのはまさしく英語が国際言語の地位を確立する前に生み出されたラテン語をベースにした世界中の人たちが楽にやりとりできる言語と言えるのではないだろうか。

エスペラント語は人口言語だが、以下のような特徴(それぞれ参考にしている言語)があり、ヨーロッパ以外の人たちにとってはそれほど馴染みがない言語。英語の方がマシ。とも思えるかもしれない。

語彙=ロマンス諸語から8割(スペイン語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語など)、ゲルマン語族から2割(英語、ドイツ語)

文法=英語と同じSVOだが、語順は割と自由に動かせる

発音=スラブ語の影響が強い

また、開発された年代からもわかるように、ヨーロッパ人を中心とした統一言語だということも言えるかもしれない。

 

②話者数と人口分布地図

この地図は、国別の人口100万人あたりのUEA(世界エスペラント協会)数。フィンランドや、デンマーク、アイスランドが多い印象。エスペラント語のネイティブスピーカーは1000人以上いて、3万人〜18万人ほどの第二言語話者がいる。とされている。

今後もゆるやかにこのコミュニティは伸びていきそうな気がする。なんていったって、日本でもニューエクスプレスでエスペラント語が学べるんだもの。

ニューエクスプレスプラス エスペラント語《CD付》(白水社)

 

③話すと、こんな感じ

エスペラント語に関するどんな説明記事よりも、一旦どんな言語なのか。耳を澄ませて聴いてみるのが一番手っ取り早い。

この動画では多くの人たちが、エスペラント語で自己紹介をしている。ミーエスタなど、スペイン語のようにも聞こえる部分もあるが、やはりラテン語をもとにして作られている言語だということがわかる。この動画に出ている人の多くがヨーロッパ人ということからもわかるように、やはりヨーロッパにルーツのある人たちを中心とした統一言語。

この動画では、自己紹介をしているが、その内容を簡単に書いていくと、両親がエスペラント語の学びを通じて授かった子供が流暢にエスペラント語を話していたり、つまり、エスペラント語を学ぶということは、一つの宗教?みたいなもので、恋人探しにも使えるということなのかもしれないということ。

またエスペラント語を話すと周りからどんな反応があるのか?という問いに対して、エスペラント語のような奇妙な言語を話すと周りからは、肯定的な意見しかないのだという。仕事探しの面接の際にも、どうしたらこんな言語が話せるのか?と話題になり、人が学ぼうとしない言語を学ぶ姿勢そのものが、その人の学習能力が高いということにつながる。という感じにも思われるようなことが語られていた。

 

④文法の簡略化と、ラテン語由来の単語

発音に関していえば、母音は日本語と同じ、「あいうえお」だけしかない。

例えば、「私はエスペラント語を勉強したい。」をエスペラント語で、「Mi volas studi Esperanton.」というが、これはグーグル翻訳機で音声を聞いてもわかるように、

ミ ヴォラス ストゥディ エスペラントン」とほぼカタカナで覚えて問題ないレベル。

そして、単語も覚えやすい。

名詞(-oで終わる)

副詞(-eで終わる)

形容詞(-aで終わる)

など、西洋言語を学んできた人はわかるかもしれないが、変なこだわりや、不規則的なものがかなり排除されていて、非常にわかりやすい。そして西洋語によくある男性名詞、女性名詞などの区別がない。これもまた嬉しい要素。

とはいっても、動詞には法や時制を表す6種類の語尾があり、これはどの言語でも動詞がメインであり、動詞が細かくないと言葉として機能しないので、問題ないと言っていいレベル。日本語でいえば、「食べる、食べます、食べろ、食べた、食べている、食べていた。」などのような感じで、日本語のほうが多いかもしれない。

一番私が楽だなって思うところは、英語、フランス語、スペイン語、ロシア語全てに備わっている動詞の変化。以下に例を示すと、

Je vais au Japon. / I go to Japan. / Mi iras al Japanio. / 私は日本に行く

Vous allez au Japon. / You go to Japan. / Vi iras al Japanio. / あなたは日本に行く

Il va à Japon. / He goes to Japan. / Li iras Japanio. / 彼は日本に行く

Ils vont au Japon. / They go to Japan. / Ili iras al Japanio./彼らは日本に行く

これをみるとわかるが、フランス語の場合、「行く」に当たる動詞部分が全て代名詞によって変化。英語は、go / goes の2パターンしかなく、割とシンプルになっているが、どうせなら、goes なんて廃止して goで統一すればいいのにと多くの人は思わないだろうか。

つまり、言語学習において動詞に強いアレルギーがある人にとっても学びやすい言語である。中国語学習者ならわかるが、中国語の場合、ほとんどは辞書の見出しに書いてある単語をそのまま入れればよく、変化させる必要もないので、中国語は単語だけ覚えれば文法が分からなくてもある程度は成り立つ。

また、名詞と形容詞は主格及び対格の2つの格を持つといわれ、格を持つ代表的な言語として、ロシア語の6格やドイツ語の5格よりも遥かに少ない。

文法を簡単に説明したが、大まかに分かりやすくいえばこんなものである。

 

⑤使用用途

想定できる使用用途は、ヨーロッパ人同士のコミュニケーション。どちらかがどちらかの国の言語で話すと会話する際にその話されている言語が母語の人に優位性がでてしまうので、カップルがお互いに中立的に第三言語を話さない?というときにちょうどいいかもしれない。

特にヨーロッパのように狭い場所にいくつもの国がありながらも、自国に強いプライドを感じ、譲れない場合があるのでね・・。

またさきほどの動画にもあったように、あえて恋人を探すために、世界エスペラント協会などとかかわりエスペラント語を勉強することで、そのコミュニティでいい人が見つかるかもしれない。これはよくある新興宗教に入って結婚相手を探したり、多く学ばれている言語を勉強してそういう集まりに行くよりも、もっと親密な出会いが期待できるかもしれない。

私もエスペラント語を学び、カレピを探そうかしら。(笑)




⑥エスペラント語は、なぜ広まらなかったのか?

さきほども書いたように、この言語は1900年前後あたりから世に出回っている。1800年前後、イギリスで産業革命が起きた時から英語は国際言語の地位を確立した。という見方もあるが、当時はまだ今以上にフランス語の影響力も強かった。また今のようにEUという共同体もなく、それぞれのヨーロッパの国々が結束できていたとはいえない。

1900年前後といえばそんな時期。ヨーロッパ人同士が戦争をするようなそんな時代に作られた言語である。つまりもともとは白人以外の事は一切考えずに作られた言語であるため、特にアジアでは言語オタクレベルにならないと触れない言語。とも言えるかもしれない。

またもっと重要なところはやはり、直接お金と結びつかない部分だと思う。特にTOEIC,TOEFLが就職や大学入学の条件となっている点。どうだろう。ここにエスペラント語1級所持者歓迎という求人が出回ったら。

文法も発音簡単。中国語のように学習者が増えるだろう。結構単純なことだ。

つまり一般人にとっては言語オタクでない限りそこまで進められな言語と思っていていいかもしれない(本を買ってちょっとした単語やフレーズを覚えるくらいなら誰でもできる)。

きちんと運用できるレベルになるには、英語がある程度でき、時間に余裕がある人たちに限られるのだろう。

 

⑦それでも私は学ばない。というのは嘘になるかもしれない

私がよくやっているエセマルチリンガール・スピーチの中に、エスペラント語も追加しようか最近検討中。そうすると、フランス語、ポルトガル語、スペイン語、イタリア語に次、5つめのロマンス諸語が入ることになるが、毎回言っている通り、これらの言語は、上海語、福建語、広東語、北京語くらいの違いしかなく、ただ話せる言語数を多く見せたいから手っ取り早く同じ言語系統を選んでるんでしょう?ただでさえハッタリなのに・・。と思われたくないので、本当はやりたくないのだけどね・・。

とはいっても人工言語で、自己紹介くらいは将来やってみたいと思っているので、本気で勉強することはないが、触りくらいは近々着手しようか検討中。そのうち、エスペラント語の3ヶ月コーチングも作ろうか検討中!




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