現在、フランスでノマドをしようか検討中のマルチンです。去年はシベリアも含めたロシア国内を転々とした後に中央アジアのキルギスやウズベキスタンに留まっていたが、フランス語 メンターの応募も多いことからも、フランス語圏に少し身を置くのもありか?と思っているところ。
「1名限定。フランス語3ヶ月で「頻出200~300フレーズ」暗記サポート
さて、私はフランスには一度行ったことがある。それは2007年なのでかなり前の話なのだけど、ロンドンとセットで旅行に行った。その時は3日くらいで、エッフェル塔やシャンゼリゼ通り、ラ・ディファンス(高層ビル街)くらいを回ったくらい。
とはいっても、私はパリにはあまり興味がない。
その理由は、ノマド・生活目線でフランスに行くので、長閑で、静かで、のんびりしている合理的で、適度な都会に身を置きたいからである。パリといえば人口は216万人(2019年時点)とは言われているが、面積がそもそも東京都心の7区ほどしかないので、首都圏人口も合わせると、1200万人ほど。
大阪の中心部の梅田や、ミナミあたりとほぼ変わらない都会度。
「パリの20区=東京7区の広さしかない。どっちが国際都市で、都会?徹底調査してみた!」
わざわざ海外に行って人口密度の高いところに住みたいとは思わない(モスクワは大都会だけれども、家と家の感覚が広かったので相性が良かったが)。
1ヶ月の滞在で感じた、モスクワとサンクトペテルブルクの違い(人口規模、物価、人種、雰囲気、部屋紹介)→YouTube動画
さて、この記事では、そんな日本人の多くに愛されているパリではなく、フランス人や、フランス通に大変人気のあるボルドーの良さ、について掘り下げていきたい。→ワインで有名な街なので、ワインの事はあまり書かない。
①人口、都市規模、都会度など
ボルドーはワインのイメージしかないかもしれないけれど、フランス南西部の中心的な都市。かつては、アキテーヌ公の首府であった。フランスで9番目に大きい都市である。わかりやすいように、ボルドー以外にも、フランスで大都市と呼ばれている都市にも赤丸をつけてみた。
ボルドーは面積(49.36 km2)に対して、人口は25万人ほど。同じ南西部でも大きい都市であるトゥールーズは、面積(118.3 km2)に対して、人口は49万人ほどであり、中心部の都会度は同等レベルと言える。とはいっても、ボルドーにはヨーロッパ1長いとも言われる歩行者通り、つまり日本で言えば商店街でもあるサンカトリーヌ通りがある。
https://en.wikipedia.org/wiki/Rue_Sainte-Catherine_(Bordeaux)
また、都市中心部の人の流れは、パリ、リヨンに次いで3番目とも言われている。ボルドーよりも人口の多いトゥールーズ、マルセイユ、ニースなどよりも多い。
ちなみに、私が長くいたジョージアのバトゥミが、面積(64.9 km²)に対して、16万人ほどの人口なので、バトゥミの生活が理想に近かった私からすれば、かなりの大都会になるかもしれない。
「格安タワマン都市、ジョージアの「バトゥミ」に住むメリットとデメリット」
ちなみにボルドーは、広域圏も含める(1,172.79 km2)と、92万人。仙台の面積(786.30km2)に対して、人口が109万人や、岡山市の面積(789.95km2)に対して、人口72万人にちょっと近い感覚かもしれない。
仙台まではいかないけれども、岡山市、浜松市、静岡市などと同じくらいの都市規模であることが今回の調査で明らかになった。
②トラムネットワーク
改めてこうやってボルドーのトラムネットワーク(日本で言えば地下鉄の路線図と考えれば良い)をみてみると、思ったよりも都会だということがわかる。フランスはパリの一部のエリア以外、高層ビルがないので、パリ以外の都市は田舎と思われがちだけれども、ボルドーは都会とは言わなくても、地方にある一つの大きい都市であることは間違いない。
ボルドーを上空から見るとこんな感じ。
'https://www.youtube.com/watch?v=etVGxTNmbdE
川が汚い。というのが一番気になるところだけどね・・。色々なドローン動画の中でこれが一番気に入った。華やかさはないものの、文化的で、小さいパリといったイメージが上空からわかるかもしれない。
また、ボルドーのクリスマス(夜)ものすごく平和的な雰囲気で、これをみたら絶対に行きたくなると思う。パリのような騒がしさはなく、ものすごく平和的。。音楽もいい感じなので楽しめるはず。
③パリ市民に唯一嫉妬される都市
ボルドーは、パリ市民が唯一フランス国内で嫉妬する都市と形容されることがある。また、フランスで一番エレガントな街。などとも言われることも。
Why France's most elegant city should be your next holiday destination
ボルドーは、現代のフランス人が好むような、自然と調和した都市設計、海にも車で1時間ほどで行ける距離感、家賃の安さ。など。最近は日本でも、田舎暮らし、都会ではない自然との調和を求めた若者が増えているが、まさにボルドーはそういう現代っ子の憧れの街と言われている。
また大学が非常に多く、日本の京都のように学生の街としても知られている。
近年パリの生活に疲れ、パリやその郊外からボルドーにプチ移住(行ったり来たりの人も多い)する人が増えている。そのため、不動産価格はあがり、もともと住んでいた住民が困っている。ということもあり、歓迎していないボルドー人も多い。
"Parisien rentre chez toi"
パリジャンは、家に帰れ!
このような合言葉まで存在しているくらいだ。
"Parisien rentre chez toi": la querelle s'envenime à Bordeaux
不動産価格はあがり、現在のボルドーは道路交通量においてフランスで3番目に混雑している都市になっているという。つまり、もともと人口密度が高いというのもあるけれども、2017年、パリーボルドー間の高速鉄道が2時間で繋がったことも、パリジャンがボルドーに押し寄せるきっかけになっている。
④家賃が高い謎
驚くほど高いパリの生活費やストレス社会に疲れたパリジャンがボルドーに不動産を購入することによってボルドーの家賃が上がっているが、これは高いとも言えるし安いとも言える。その理由を書いていくと、まずパリの家賃がフランスの中では飛び抜けて高い。フランスの家賃が高い都市リストを見るとパリ市内と、その衛星がほぼ上位を占めている。
そしてボルドーは都市規模的にはリヨンやマルセイユなどよりも小さいのにも関わらず、これら二つの都市とほぼ同等規模の家賃。
もっと詳しく書くと、1平方メートルで言えば、パリが29ユーロ、ニースやリヨン、ボルドーが16ユーロ。仮に、30平方メートル(ワンルームとしては日本のワンルームより少し広いと感じる広さ)でみてみると、パリが870ユーロ(11万円くらい)、ボルドーが480ユーロ(6万円くらい)である。
Average monthly rent per square meter for rental apartments in France as of January 2022, by city
実際に短期で借りれる Airbnbのそれぞれのワンルームの部屋の価格は、上記の価格に、2万円〜3万円上乗せした感じなので、正確な数字である。
つまり、パリジャンからすれば、ボルドーは窮屈なパリよりゆったりでき、家賃が安い場所と認識されているということになる。
それでもフランス全体からすれば、もっと物価の安い都市もあるので、LPI-SeLogerインデックスによると、カンヌなどと共に、物価が高い都市の一つとして数えられているみたい。
https://www.ft.com/content/c0fd2782-4c00-11ea-95a0-43d18ec715f5
ちなみに、Airbnbの次にフランスで使われている以下のサイトで検索してみると、Airbnbよりは安い印象を受ける。それでも光熱費が別になっているところもあったり、やはり人間と人間とのやりとりなので、いくつかのことを考慮しながら借りることをおすすめ。
https://www.morningcroissant.com/vrbo/bordeaux/studio
⑤移民率
フランスは移民大国だ。とはいっても、アメリカでも黒人が全くいない都市があるように、都市によってそれは違う。例えばパリ(広域圏含む)では、5人に1人が移民。つまり20パーセントが外国人。またフランス第二の都市リヨン(13%)などでもパリほどではないが多い。
それに比べ、ボルドー(8.3%)はこれらの数字よりも低い。
https://www.statista.com/statistics/961610/share-immigrants-by-region-france/
とはいっても、ブルターニュのように、移民率が4パーセントのような奇跡的なエリアもあるので、フランス語の学習には、日本人が全然来なく、移民も少ないブルターニュというのもいいかもしれない。
⑥仕事(雇用)
ここまで良いことばかり書いてきたが、ボルドーには雇用がないのが難点と、多くの記事で指摘されていた。スタートアップするのに適した街としてはフランスで5位であったり、現在、ボルドーでは、フリーランスを増やそうとしているように思える。大学の数も多いので、フランスでノマドしたいけど、あまり日本人が多いところは嫌。という人がこっそりこのボルドーに来るということが今後多くなるかもしれない(私みたいな人は特に)。。
⑦ビーチへのアクセス
パリにはセーヌ川はあってもビーチはない。またフランスといえばマルセイユや、ニースなどのプロヴァンス地方、そして物価も比較的安くそこそこの大都市でもあるモンペリエあたりに目がいってしまうけれども、私のようにそういうギラギラ感が好きではない人は、ビスケー湾沿いにあるビーチを楽しむのもいいかもしれない。ボルドーから車で1時間くらいの距離にはたくさんのビーチがあり、湖もある。まさに自然が大好きで、フランスで、適度な都会、多くの自然を感じたい人にはピッタリ。
アルカション(1.1万人程度)という町には電車も通っている。走行距離は1時間程度。この大きい赤丸の一番下にある、Plage de Pereire と書いてあるあたりが、アルカションという町である。1時間でいけるので、まさにボルドーに住みながらちょっとビーチにいくにはちょうど良い。
⑧他の都市へのアクセス
スペイン、その中でもバスク地方にあるサン・セバスチャンは非常に人気な観光地。ボルドーからサン・セバスチャンまではバスで3時間の距離。また高くても片道3000円くらいで行ける。北部の港町、ラ・ロシェル、フランス南部最大の都市、トゥールーズまでもバスで、およそ3時間以内くらいで行ける。
また、ブランデーで有名なコニャックまでは、バスで2時間以内の距離。フランスでの小規模都市を回るにはやはりボルドーが一番拠点として良いかもしれない。
以上、フランスと言ってもあまり第一に浮かんでこないボルドーについてノマド調査目線で書いてみた。今後も、少しずつ追記していく。