近年注目されているインドネシア。とはいってもこれは10年以上も前から言われていること。私はインドネシアに2回行き、4つの都市を周り、そのうちスラバヤに2ヶ月ほどいた時期がある。あの時も大都市のショッピングモールの充実度など、大国としての国の雰囲気はすごいものだったけれども、今はより進化してるのではないか。と思いながらこの記事を書いている。→やはり、自分の国のように色々調査して、行ってみて、それでどんどん好きになっていくよね。また勉強のモチベーションにもつながる。
以下の写真は2019年あたりにインドネシアでノマドしていた時のもの。
この部屋でだいたい3500円いかなかったくらいだっただろうか。
毎日のように700円くらいのホテルのビュッフェに行っていた頃が懐かしい。また冬にこんな生活でもしたいな。と中央アジアから思いつつ。
さて、この記事ではそんなインドネシア語が一体、どんな言語なのかという系統と、それら影響を与えた外国語からの借用語をおおまかに書いていきたいと思う。そうすることで、私自身もそれぞれ学んできた言語の語源をさらに復習しつつもインドネシア語強化ができるかもしれない。
インドネシア語の成り立ち(言語系統と影響を与えた5つの外国語)
まずざっくりいうとインドネシア語というのは、マレー語をもとに作られた比較的新しい言語である。インドネシアの島々がインドネシアという一つの国として独立するにあたって整備した統一言語と呼んでもいいだろう。
マレー語や、マダガスカル語、フィリピンのタガログ語など、太平洋諸島にある国の多くで話されている言語と同じ、オーストロネシア語族である。言語系統にしても、外国語学習として人気な英語・フランス語・ドイツ語、スペイン語、ヒンディー語、ロシア語(インド・ヨーロッパ語族)でも、アフロ・アジア語族(アラビア語やヘブライ語)などでもなく、トルコ語などチュルク語系の言語でもないので、日本人にはとっつきにくい部分は多いかもしれない。特に、語彙吸収の面で。
インドネシア語は韓国語のように簡単!という声も聞かれるが、実際は接頭辞と接尾辞の理解にかなり惑わされるので注意。
でご存知のように、インドネシアは歴史的に、インド大陸から人が渡ったり、イスラム教が普及したり、ポルトガルやオランダの植民地になったり、オランダに300年以上も植民地にされたり、中華系の人たちが移住してきたりなど、もうめちゃくちゃな道を歩んできた。
それがまたこの言語を学ぶ面白みでもあるのかもしれない。
さて、これから紹介するインドネシア語に影響を与えた、つまりインドネシア語の語彙に多く含まれている言語5つを紹介する前に、インドネシア語の中に、それらがどのくらいの割合で入っているのかというデータを紹介していきたいと思う。
1位 ジャワ語(8.9%)
2位 ヒンディー語、サンスクリット語(8.4%)
3位 オランダ語(6.4%)
4位 アラビア語・ペルシア語(5.7%)
5位 ポルトガル語(1.4%)
6位 英語(1.2%)
7位 中国語(0.7%)
https://www.quora.com/Are-there-more-Arabic-or-Chinese-loan-words-in-the-Indonesian-language-today
これはどこが発表したデータかわからないのだけど、大方合っているのではないか?と思っている。さて、その中身を軽く紹介していきたいと思う。
①オランダ語
おそらくオランダといえばこれから紹介する5つの言語の中でもインドネシアの植民地(1602年~1942年=340年間)があったので、インドネシア語の中にある外国語という意味で、一番思いつく言語なのではないだろうか?確かに近代用語のほとんどはオランダ語を借用しているので、英語と同じものも多い。
日本では明治のあたりに多くの日本人が西洋に行って、それを漢字に当てはめる事で、「社会」「化学」などという新しい単語を作ったのに対して、インドネシアでは西洋の新しい概念をそのまま文字として残した。といえばわかりやすいだろうか。
また、このインドネシア語に影響を与えた5つの言語の中でも、オランダ語の単語は比較的新しい時期にやってきたということも一つのポイントかもしれない。
arbei = strawberry
demokrasi = democracy
buku = book
faktur = invoice
gratis = free
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_loanwords_in_Indonesian#From_Dutch
ちなみに余談だけど、インドネシアで現地の人と会話していた時に、オランダ=ベランダ=belanda(インドネシア語での言い方)と言うと、お互いに笑いが起きるのが面白かった。それはあの時の虐げられた340年間?を皮肉って言ったわけだけど、なぜかインドネシア人の中にはオランダ人に反発する感情があまりないらしく、笑いが起きるという変な現象を体験したのが非常に不思議だった。
②中国語
※写真は、スラバヤ南部のマランという都市で一泊だけ借りたお部屋。
中国の植民地になったことはないインドネシアだけれども、インドネシアには800万人ほどの中華系が住んでいる。彼らは最近きたのではなく、1293年くらいから中国人のインドネシア移住は始まっているのだという。
現在でも複雑な現地ジャワ人やスンダ人と、中華系インドネシア人の対立?インドネシアにおける富裕層の多くが中華系ということもあってか、その対立?羨望?など色々な意味で、私はこれを体験した。
「ヒエラルキーの頂点?差別され、虐殺され、インドネシアで怯えながら暮らす華人・華僑「中華系インドネシア人」に関する疑問 TOP10」
さて、そんな中国語から入ってきたインドネシア語は、そのほとんどが現地の言葉にかなり置き換えが進んでいるよう。wikipedia でみたリストをいくつか調べてみたが、現在は現地の言葉に置き換わっているものがほとんどだった。
tahu = tofu
Tiongkok = China
toko = shop(土庫から来ている)
teko = tea pot
日本語でも英語でもそうなのだけど、統一言語になったのはここ数百年の話なので、どんどん標準に近くする過程で、この中国語由来のインドネシア語は少しずつなくなっていくのではないか?と私的には思っている。
https://factsofindonesia.com/chinese-loanwords-in-indonesian-language
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Chinese_loanwords_in_Indonesian
③アラビア語
イスラム教徒が一番多い国。とも言われるインドネシア。私が現地で感じたのは、アラビア語学習者も結構多く、大学でアラビア語を学んだりしているものや、アラビア文字を覚えるための本などが書店に結構置かれていたり、コーランが売っているコーナーには、アラビア文字とインドネシア語が並んで書かれていたりする。
maaf = sorry(むしろ、現在はヒンディー語でも使っている)
akhirnya = finally(akhir + -nya=副詞の意味を表す接尾辞)
kursi = chair(アラビア語と同じ)
Jumat = Friday(アラビア語と同じ)
kamus = dictionary(アラビア語と同じ)
インドネシアは、国としてイスラム教なので、今後、さらにアラビア語由来の言葉が増えていくのでは?と私は思ったりもする。現地にいる中華系や、他の東南アジア諸国と自分達は違う。というアイデンティティというか、そういう意味もあって、アラビア語由来の単語と、サンスクリット由来の単語がさらに増えていくのでは?という感じ。
ちなみに余談だけど、インドネシアではアラビア語を学ぶこともできる。実際に私は家庭教師をとって習ったこともある。
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_loanwords_in_Indonesian#From_Arabic
④ポルトガル語
ポルトガル語は、植民地として早い段階にインドネシアにやってきたが、ポルトガル語の借用語は、1.4%とかなり低い。とはいっても調べてみると、現代でも頻度の高い単語が多くあるのが特徴かもしれない。ちなみに、私はこの記事を書いている間に一つ大きなことに気づいた。
pabrik = factory
palsu = fake
roda = wheel
tenda = tent
terigu = wheat
lelang = auction
それは、ポルトガル語が話されている国は、ブラジル、ポルトガル、アフリカの一部の国々だと思っていたが、インドネシアの東側にある東ティモールという国でも話されているということである。これは新たに内容を付け加えた次第だ。
私自身、まだポルトガル語はかじっていないが、そのうちポルトガル語圏をノマドしている可能性もあるかもしれない。(笑)
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_loanwords_in_Indonesian#From_Portuguese
⑤サンスクリット語・ヒンディー語
インドネシア語をやればやるほど遭遇するのが、サンスクリット由来の単語である。歴史的に、インド大陸からインドネシアに人々がやってきたのがイスラム教が入る以前なので、ここがインドネシア語の根幹となる部分の単語が多い。
arti = meaning
atau = or
bicara = speak
bahaya = danger
bahasa = language
つまりこの記事のメインともなるのだけど、サンスクリット語の強い影響を受けているヒンディー語に取り組んでいる身としては、インドネシア語で学んだ言葉がいくつもでてくるので一石二鳥という気分なのだ。
実は、英語の LOVE という単語なんかも元はサンスクリット語だったりするので、このサンスクリット語が、ヨーロッパにも東南アジアにも影響を与えたという意味で非常に面白い。
またタイ語をやってても気づくのだけど、やはりタイ語にもサンスクリット語由来の言葉が非常に多い。とはいっても一つ注意したいのはインドネシア人にこの事を言うとあまりよく思われない可能性があるという事だ。
その理由はインドネシア人は自分達をアジア太平洋の人たちと認識しているので、南アジアのインドと同じように思わないでくれ。という感情があるかもしれないからだ。私はそれを韓国に留学中に知り合ったインドネシア人にキレられたことで初めて悟った。
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Indic_loanwords_in_Indonesian
最後に
インドネシア学習をしている時に何度も思うことはやはり、この言語を学ぶ事=インドネシアだけで活動することを夢見る。というよりは、アラビア語への扉を開くきっかけであったり、インドに興味を持つきっかけにもつながってくる。
そういう意味で、アラビア語やヒンディー語のように文字の習得で挫折してしまう人がほとんどの言語よりも、先にこちらから手をつけて今後の楽しみを増やしておくのもありかもしれない。のでは?といつも思う次第だ。
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