ヨーロッパの言語

各国別、ヨーロッパで英語の次に最も学ばれている外国語は?

2023年1月9日

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各国別、ヨーロッパで英語の次に最も学ばれている外国語は?

2023年1月9日

我々日本人が崇拝するヨーロッパでは一体どんな言語が学ばれているのか。ということをこの記事ではまとめていきたい。アメリカ合衆国で学ばれている外国語と被るところは多いかもしれないが、ヨーロッパも国別によってどの言語を重要視しているのか。というのが見えて面白い。

「アメリカで学ばれている外国語 TOP10 と人気のある言語」

 

①ヨーロッパで、英語の次に学ばれている言語(2017年)

2019年に発表された eurostat の調査によると、2017年、EU全体で(前期中等教育=大学を除く6+3+3年の間で)最も勉強されている言語の順位は以下のようになる。つまり以下のランキングは、小学生、中学生、高校生の全部を合計したものと言える。

1位 英語(97.9%)

2位 フランス語(33.4%)

3位 ドイツ語(23.3%)

4位 スペイン語(16.9%)

5位 ロシア語(2.5%)

6位 イタリア語(1.3%)

 

②ヨーロッパで、英語の次に学ばれている言語(2020年)

もう一つのランキングは、2020年度に高校生を対象とした eurostat の調査。

1位 英語(95%)

2位 スペイン語(26%)

3位 フランス語(21.8%)

4位 ドイツ語(21.4%)

5位 イタリア語(3.4%)

そしてもう一つは職業訓練校などを対象とした調査。

1位 英語(79%)

2位 ドイツ語(18%)

3位 フランス語(16%)

4位 スペイン語(7%)

5位 ロシア語(2%)

ここで面白いのは、スペイン語の順位が上がったこと。そして職業訓練校においては出稼ぎ先として人気の高いドイツ語がグンと上がったことではないだろうか?つまり、私が以前書いた世界で実は一番人気な言語はドイツ語かもしれない。と書いた内容ともここは被ることになる。

「話者人口ではなく、世界で学ばれている本当に強い外国語 TOP5」

いずれにしてもイタリア語が職業訓練校において人気がないのはイタリアで働こうと思っている人がほとんどいないともとれ、面白い。

 

③英語の次に学ぶ言語を地図化(2016年)

この地図は、2016年にヨーロッパの国々で英語の次に学ばれた言語を地図で表したもの。これを一つずつ解説していこう。この地図では、

赤色(フランス語)=ポルトガル、スペイン、アイルランド、イギリス、イタリア、オーストリア、ドイツ、オランダ、ベルギー、ルーマニア

オレンジ色(スペイン語)=フランス、スウェーデン、ノルウェー

茶色(ドイツ語)=ポーランド、チェコ・スロバキア、ハンガリー、スロベニア、クロアチア、ギリシア、デンマーク

青色(ロシア語)=ブルガリア、バルト三国

に大きく分けられる。

それ以外に分けられない国は、フィンランドとアイスランドだけである。フィンランドでは隣国のスウェーデン語の学習に92%。これはフィンランドにとってスウェーデンという国が相当重要な存在だということがわかる数字だ。

アイスランド人がなぜ英語の次にデンマーク語を学ぶか?については英語圏でもかなりの議論になっていて、これは歴史的な繋がりによるもので、英語圏でラテン語を無意味に学ぶのと同じようなものであり、義務教育に組み込まれるのだそう。

さて、ヨーロッパ全体で赤色(フランス語)が目立つ。フランスの周辺の国のほとんどは英語の次にフランス語を学習しているということになる。つまりヨーロッパでも裕福な国のほとんどが英語に次にフランス語を選択。

そして茶色(ドイツ)になる部分は主に東ヨーロッパであり、ドイツに将来出稼ぎに行くことを目的に学ぶ人が多い印象を受ける。

次にオレンジ色(スペイン語)。これはフランス人と北欧のノルウェー、スウェーデン。フランス人に関しては同じ言語系統であり、フランス人はそもそもドイツに出稼ぎに行く必要がないのでドイツ語を選択せず、南米にも多くの人口を抱えるスペイン語をとったのだと予想。

ノルウェーとスウェーデンは英語さえできれば自国がそもそも経済的に豊かなので、寒すぎて常にスペイン語圏にいきたい願望が先に来てるのではないか?

 

④フランスにおける人気外国語 TOP10

ヨーロッパで英語の次に一番学ばれている言語がフランス語だと分かった。では、そのフランスではどんな言語が学ばれてるのだろうか。

少し古いデータだけれども、日本でも数年経っても、あまり日本人が学習する外国語のタイプの順位は変わっていないので、フランスでもほとんど変化はないと個人的に考えている。

フランスで学ばれている103言語のうち、学習者が占める割合で順位づけ。

1位 英語(69%)

2位 スペイン語(28%)

3位 ドイツ語(13%)

4位 イタリア語(6%)

5位 アラビア語(3.5%)

6位 中国語(2.5%)

7位 日本語(2.4%)

8位 ロシア語(2.3%)

9位 ポルトガル語(1.5%)

https://www.senat.fr/rap/r03-063/r03-0631.html

ちなみに、国際交流基金によると、2015年度フランスで日本語を学んでいる人は、19000人と、人口がフランスよりも多いドイツの14000人よりは高かった。ちなみにこの3年後の2018年の数字では、24000人にかなり増えているのも面白い。ここでもドイツの日本語学習者は15000人なので、ヨーロッパで一番日本語が学ばれてるのはほぼフランスと考えて間違い無いと思う。

SURVEY REPORT ON JAPANESE-LANGUAGE EDUCATION ABROAD 2018

またフランスではアラビア語圏からの移民が多いことも、アラビア語学習者が多いことに繋がっている。実際に私はフランスの多くの書店に行ったが、日本よりももっと詳しく書かれたアラビア語の文法書などが沢山売られていた。

 

⑤ドイツにおける人気外国語 TOP5

ドイツといえば、日本人からすると、日本の近代化に貢献した国とか、日本とドイツは第二次世界大戦中、仲間だったとか、日本側からすればドイツは今でも俺らの相棒だぜぃ!と思っている人も多いかもしれないが、上記でも触れたようにドイツはフランスよりも人口が多いにもかかわらず、日本語を学んでいる人口はフランスよりも少ない。

ドイツで学ばれている外国語は、以下。

以下、TOP4までは調べることができた。おそらくドイツではスペイン語よりもフランス語の方が学ばれているはず。以下は軽い参考程度に。

1位 英語

2位 スペイン語

3位 フランス語

4位 イタリア語

さて、もっと私の目に留まったのはランキングよりも、以下の情報である。

ある調査機関が、ドイツにおける労働者市場で最も必要とされている10の外国語を明らかにした。そう、簡単に言うと、その中で日本語が第3位に選ばれたのだ。つまり、これは日本人がドイツ語を流ちょうに話せた場合、人材としては同様の価値があるということなのである。

adzuna」というドイツにある求人広告の40万件を調査したところ、このうちの6000件(17%)が、外国語のスキルを必須条件としていることが分かった。(全求人のうち17%って、日本の求人に比べたら結構高い数値かも)で、その17%の外国語スキルを条件とされている求人案件のうち、75%は英語である。(これはどこの国でもたいていそうである)

で、残りの25%の外国語は以下。

1位 英語(75.01)

2位 フランス語(5.67)

3位 日本語(4.33)

4位 オランダ語(4.15)

5位 スペイン語(2.09)

6位 イタリア語(1.67)

7位 中国語(1.04)

8位 ロシア語(1.00)

9位 チェコ語(0.90)

10位 ノルウェー語(0.72)

デュッセルドルフ日本商工会議所によると、現在ドイツには1000社以上の日系企業があり、その多くは、デュッセルドルフ、フランクフルト、ミュンヘンで、主にこれらの都市で、日本語とドイツ語のスペシャリストは求められるようだ。

ということは、やはりそれだけドイツでは日本語を学んでいる人が少ないので、希少価値があるのではないか?と私は思っている。

「ドイツ語を勉強するメリット、需要、重要性」

Die begehrtesten Fremdsprachen bei Arbeitgebern – Wer Japanisch spricht, ist klar im Vorteil!
https://en.wikipedia.org/wiki/Economy_of_Germany

 

⑥ロシアにおける人気外国語 TOP5

以下はサンクトペテルブルグにある外国語のコースを計算したもの。

1位 英語 - 113校、443コース
2位 スペイン - 75校、61コース
3位 ドイツ - 72校、33コース
4位 フランス語 - 69校、25コース
5位 イタリア語 - 66校、30コース

という結果になった。

以前はロシアにおいてドイツ語がかなり上位だった。それは今でも変わらないところがあるのだけど、やはりスペイン語人気はどこの国でも起きている現象。

またロシアとは経済的結びつきもある中国語がランクインされていないのはサンクトペテルブルクがあまりにも遠すぎるからだろう。これがシベリアだったとすると、中国語や日本語学習者のほうが多くなると思う。

一方、日本語の学習者増加のほとんどは、日本のカルチャーによるものとなっている。

国際交流基金の日本語教育のページで、ロシア(2016年度)という部分をみてみたところ、現在ロシアで日本語を学んでいる学習者の人数は、8,650人ほどだそうだ。→11764人(2018年)に若干増えている。

とはいっても、これは非常に少ないと言える。ロシアの人口半分のフランスでは、それよりもさらに多くの人が日本語を学んでいるので・・https://ponedelnikmag.com/post/do-you-speak-reyting-samyh-vostrebovannyh-inostrannyh-yazykov
https://www.the-village.ru/village/business/rabota/170117-kakoy-yazyk-uchit

 

最後に

以上、ヨーロッパではフランス語が断然人気。これは世界で英語の次に学ばれている外国語とも一致。日本では中国語と韓国語が英語の次に来るが、大体それ以下はヨーロッパも日本もあまり変わらないのでは?という結果かもしれない。

「受験者数を比較。英語、フランス語、中国語、韓国語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ロシア語、アラビア語」

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