日本語とタミル語の類似。のようないわゆる同祖論的な本が日本で以前流行ったのは知っている。けれども実は数年前から英語圏(ネット上)において、タミル語と韓国語の類似がさらに盛り上がっていると知り、ずっと記事にしたかったがまとめられないでいた。
今現在タミル語の単語を覚えている最中なので、その中でやはりタミル語はヒンディー語とは全く違うと考えさせれる場面が多いのだけど、ヒンディー語に比べタミル語には何か懐かしい感じというか、ヒンディー語とはまた違った特別な感情が湧きやすい言語というか、ハマってしまったものはある意味抜け出せなくなってしまうというような言葉では説明できないものがある。
そうした中で私も今回タミル語の単語の勉強中に、あれ、これ韓国語と同じ単語じゃん。というのを何個も見つけ、この記事を書こうと決意した。
この記事では私がインターネットで調べたものをさらにwiktionary で精査した韓国語とタミル語の一致リストを軽く紹介しつつ、文化の違い、韓国人とはなんぞや?というところまで書いていきたいと思う。
①ドラヴィダ・コリアン語族説?
※よく見ると、タミル語圏と朝鮮半島は中国とインドを中心とした場合、それぞれ一番果てにあるね。。
英語圏で調べてみると、「Japanese people of Sri Lankan Tamil descent」のようなものもあるが、ほとんど記述がなく、「Dravido-Korean languages」=「ドラヴィダ・コリアン語説」のような
wikipedia のページには、英語、韓国語・中国語、タミル語、ロシア語、ドイツ語などでの記事もある。→日本人はwikipediaを閲覧する人が多いのにも関わらず、なぜか日本語版の記事が少ない。
このページにはいかにタミル語と韓国語の単語が類似しているかなどが書かれている。
我々アジア(インドあたりまでのアジア)の言語のほとんどは以下のグループに分けることができる。
インド・ヨーロッパ語族=ヒンディー語、ウルドゥー語など
シナ・チベット語族=北京語、広東語、チベット語など
オーストロネシア語族=インドネシア語、マレー語、タガログ語など
ドラヴィダ語族=タミル語、テルグ語、カンナダ語など
オーストロアジア語族=ベトナム語
タイ・カダイ語族=タイ語、ビルマ語
けれども日本語や、朝鮮語(韓国語)、モンゴル語、インドとタイに挟まれたアンダマン語などは独立した言語であり、上のどれにも当てはまらない。
なので、上の仮説みたいな記事は、ドラヴィダ語族と朝鮮語が実は繋がってるかも?という感じの仮説なのかもしれない。=今後も明らかになるのかは非常に怪しいが、英語の動画、韓国語の動画をいくつもみたところ、どちらの言語にも精通するタミル人が、次々とその単語の類似について語っている。
いくつかのブログ記事にはないものも語っていたので、今回私がwiktionaryを使って、両方の言語を精査しつつリスト化することにした。色んな動画を見ていると、以下に書いてるリスト以上に面白いものがあった。
திராவிட-கொரிய மொழிக்குடும்பம்(タミル語と韓国語の一致リスト=wikipedia)
②韓国語とタミル語で類似している語彙リスト
I(私は) | ナーン | நான் | Nāṉ | 나 | ||||
dad(パパ) | アッパー | அப்பா | Appā | 아빠 | ||||
mom(ママ) | アンマー | அம்மா | Am'mā | 엄마 | ||||
you(あなたは) | ニー | நீ | Nī | 너 | ||||
to come(来る) | ヴァー | வா | Vā | 와 | ||||
sister in law(義理の姉妹) | アンニ | அண்ணி | Aṇṇi | 언니 | ||||
grass(草) | プル | புல் | Pul | 풀 | ||||
ouch(いてぇ!) | アイヨー | ஐயோ | Aiyō | 아이구 | ||||
boiled rice(ご飯) | ツォール | சோறு | cōṟu | 쌀 | ||||
to fight(戦う) | サンダイ | சண்டை | Caṇṭai | 싸우다 | ||||
wife(妻) | マネイヴィー | மனைவி | Maṉaivi | 마누라 | ||||
to cut(切る) | ヴェットゥ | வெட்டு | veṭṭu | 베다 | ||||
grasshopper(バッタ) | ヴェットゥッキイー | வெட்டுக்கிளி | Veṭṭukkiḷi | 메뚜기 | ||||
buttocks(お尻) | クンディ | குண்டி | kuṇṭi | 궁둥이 | ||||
hello(こんにちは) | ヴァナッカム | வணக்கம் | vaṇakkam | 반갑다 |
もうちょっと追加したいが、私がwiktionaryで一致できたものだけ抜粋。タミル語と朝鮮語のおよそ500単語〜1800単語が一致しているという声もある。→タミル語勉強する楽しみ広がるね。。
you などに相当するものはよく考えれば中国語の、ニーとも同じだったり、mom などは世界のどこでもだいたいママのような発音だったりするので偶然の一致では?と思うが、grasshopper や、buttocks などが一致しているのはすごいと思った。
また、タミル語に対応するbuttocks は、慶尚道方言のグンディ=궁디にすると全く一致。
③文化の類似点
250万再生のこの動画。これ以外にも、何百万と再生されている動画が、何個もある。
Surprising similarities between Tamil Nadu and Korea! Story of a legendary Indian Princess
Similarities Between Tamil and Korean
한국어와 똑닮은 언어가 인도에?! 김치랑 막걸리도 있다고! (인도 타밀어) - 【세계문화탐구생활_1】
韓国のチュソクのようなものがタミル語圏にもる。
ARIRANG SONG(韓国)と、AARARO SONG(インド)は、 歌の名前も歌も似たような感じ。
韓国のキムチやカクテギはタミル語圏にあるマンゴーの皮を辛くしたもの(ஊறுகாய்)に似ている。→アチャールとも言われキムチのような見た目。
韓国語とタミル語のそれぞれのアルファベットは音が似ている。
キムパプは、タミルのプドゥ(புட்டு)に似ている。
まだまだ頭が痛くなりそうなほど、両文化圏でのゲームが似てたり色々あったが、私の知識ではこのくらいにしておく。。
ちなみに幾つかのコメントを見ていると、日本語とタミル語の繋がりも昔韓国南部に存在した伽耶だと言われているが、このタミル語韓国語説も、伽耶の王がタミルの女王を受け入れた説まで色々ある。ここにヒントがありそう・・
ちなみに昔書いたチェジュ島関連の記事の地図には、チェジュ島と東南アジア、インドのタミル語圏は貿易をしていたという記録も残っているよう。
「済州島と、朝鮮半島の人の顔が全然違っていた件(また、なぜ韓国の中でも、済州島の人々は親日なのか? )」
④朝鮮人すり替え説
私が以前書いた記事で、もともと朝鮮半島にいた民族は日本の縄文人のようないわゆる島国タイプの顔立ちで、東南アジア系の顔立ちに近かったが、その後、ロシアのサハ共和国あたりから、今でいうエヴェンキ族などが南下してきて今の朝鮮半島の大部分の民族になった。
「「エヴェンキ人」と「韓国人」の顔が似すぎている件と、韓国における顔の種類(パターン) TOP5」
という説が正しいのかもしれない。と一瞬思ってしまった。
チェジュ島などが東南アジアや太平洋諸島と貿易をしていたと言われていることを考えると、アリランなども昔は半島にあったのかもしれない?などと考えてもおかしくないし、何も一つの民族だけでなく複数の民族がいて今の朝鮮民族を形成していると考えてもおかしくない。いずれにしても、韓国語やタミル語の語源をやっていて新たな発見があるたびに楽しいと思う。
また、ドラヴィダ人って肌は浅黒いが意外と人によっては北東アジア系の近い顔立ちの人もいて面白いということが今回わかった。
2014年にウォール・ストリートジャーナルで描かれていた、顔の研究所が考える紀元前1万2000年頃の韓国人の顔(THE KOREA FACE INSTITUTE)
タミル人というより、マレー系のような顔立ちだったよう。
⑤両文化圏で、盛り上がる理由
動画の再生数、英語、韓国語でこの話題を見る限り、ブログなども盛り上がっている模様。その中でも特にインド南部で盛り上がっている感があるような気がした。インド南部のドラヴィダ人(タミル語話者も同じ)の中では、北部ヒンディー語などを話すインド・ヨーロッパ語族の人種と骨レベルでも違う場合が多いし、国際的な場でモディ首相がヒンディー語を話したことで、ヒンディー語はインドを代表する言語ではない!という反発も南部からあるくらいなので、自分たちは東アジア寄りというところをインドのヒンディー語圏に見せつけている気もした。
⑥最後に
このように私のような韓国語学習者はタミル語をかじってみることで、何かまた新しいことを閃くことができるかもしれない。少なくても最近私は韓国語の語彙強化期間をしつつ、タミル語の語彙を勉強してく中で、自分なりに何か少しずつ(勝手な妄想なだけ)見えてきた気がするので、めげずに韓国語の語源研究やタミル語の単語学習もやっていきたいと思う。