多言語、外国語、マルチリンガル

誰でもマルチリンガルになれるとは限らない理由

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誰でもマルチリンガルになれるとは限らない理由

現在、英語+10言語以上を初級で教えさせていただき、海外ノマド6年目になるマルチリンガール。当初ブログを書き始めた時は、誰もでもマルチリンガルになれる!のような記事を書いていたが、またそれもある意味では正しいのだけれども、この記事では少し厳し目に違う視点を書いていきたいと思っている。

というのも色んな国で暮らし、多くの外国語が堪能な人を見たり、また日本にいる外国語学習者、私の生徒さんなどを見ている中で、また私も色々学んでいるからである。

何よりも自分に照らし合わせて考えた時に、多くの言語を学んでいる私でさえも多くの壁、ストレス、挫折みたいなものにぶつかってはいつもそこを超えるという果てしなく長い道のりの作業をしていることからも、言語学習はそんなに甘くはない。つまり、マルチリンガルにはある意味だれでもなれるのだけれども、もっと深い意味では全ての人が簡単になれるわけではない。という意味でこの記事を書いていきたいと思う。

やはり、Googleで検索すると、私のようなこういう記事はあまり上に上がってこなく、全て美味しい話、つまり「誰でもマルチリンガルになれる!」ような記事が上位にながってくるが、この記事ではその反対をベースにして書くことで、少し違った視点を発見していただけたらと思う。

 

①言語学習者の80%が挫折

※写真はアルマトイのカフェ

まず一つ言えるのが、どの言語であれ学習者の80%はすぐに諦めてしまう傾向があるということだ。

英語学習者にしても全体の80%は非常に中途半端なレベルで投げ出してしまう。またその中で続けたものでも、ある一定の会話ができるようになってくるとそこで満足してしまいそれ以上伸びないで何年も経ってしまうという現象もある。

そうなると本当にその言語を極められるのは、学習者の1~5%くらいにすぎないのでは?と私はいつも思っている。

私のレッスンには、ある程度話せるけどいつも同じ言い回しだったり発せる語彙が少なかったり文法的な選択肢も少ししかないという人が多い。でもこのレベルに行けば、ある一定の会話ができるという意味で、その言語が一つ話せる。という部分にカウントされる。

つまり私はいつも、あなたの英語力はそれで十分だよ。だって伝わるし、聞き取れるでしょ?と言っている。けれども彼らはもっとアップグレードしたい。多くの人がある程度は行けるレベルで立ち止まりたくない。という思いで私のレッスンに応募をしてくる。

私のレッスンでも、最初はものすごい意気込んでいて始めたはいいけど、2ヶ月目で飛んじゃう人も(外国語レッスンは安いので無断でレッスンに出ないで飛んでしまうケースもたまにある)。

つまり、本当にその言語に自分の時間とエネルギーを費やせるか?を先にしっかり考えることが最も重要な事と言える。

 

②母語でのコミュニケーションすら苦手な人

また、世の中にはコミュニケーションそのものが苦手という人たちがいる。私もむしろこの部類に入る。そして私は動画をみてもわかるように、最初は母語である日本語ですらスラスラ話せなかったのに、練習と場数をこなしたことである程度は克服できた。

多くの人はこれを克服することも可能だが、その人の置かれている環境、例えばその人の職業などによって、克服する必要がないこともあり、母語でさえも人との会話が苦手な人は外国語においても話すという意味での言語習得に大きな壁ができてしまう。

特に電話をあまり使わない、人と交流したり、交渉したりすることのない職業についている人。私もかつてデータ入力しかやっていなかった時は日本語すら話すのが遅く、誰かが何かを聞いてくれない限り自分からずっと話し続けることなんてできなかった。そんな状態では外国語でも相手に意味を理解してもらった状態で早く話すことは難しい。

そのため話すこともできるマルチリンガルを目指すためには自分のことをきちんと分析し、自分のことを説明でき、状況に応じて相手にどんな質問をしたらいいのかなどを察するなど、場数を増やし経験を積んでいくことが重要。

間違って当然でしょう?くらいの感覚で何度も失敗することも。

よく言う純ジャパ、日本にいながらも数カ国語マスター(マスターというのは本人が使うべきものではないが・・)というのは少しおかしな話であり、本来は旅行でもなんでも外国に行って色んな場面に遭遇して辛い経験をたくさんして鍛えていくものでもあるので、こういったタイプの人たちはもっと外に出て自分をそういう環境に置くのもいいかもしれない。

実際私はもともと多くの人の中で話すのが苦手で、今でも一対一じゃない場面ではすぐに疲れてしまう。けれどもたまにそういう場所に行くようにもしている。

 

③実は、その言語の国、人が好きになれていない

英語を何年勉強していても韓流コンテンツのように英語のコンテンツを楽しめない。という生徒さんは今まで何人も見てきた。そして好きになることができる前に学習をやめてしまう。私の生徒さんで眼科医の40代の女性は、もともと英語が大嫌いだけれども韓国語のレッスンから英語のレッスンに切り替えた。彼女は1,2年はゆっくり自分の好きなように勉強したいから、それに付き合ってほしい。ということで、それまで何度も英語が好きになれないとぼやきながら着実に語彙と文法を磨き上げていった。

そして彼女が想定した通り、3年目で英語がとても好きになったのだ。英語でニュースを見てインタビューを楽しむことに当初強いストレスを感じていたが、今はこの発音が、この語源がと私になんでも知らせてくれるようになった。

私もそれは同じである。ロシア語圏を自分の支配下(旅行に自由にいけるという意味で)におきたいとずっと考えていたもののなかなかロシア語の単語を吸収するのが辛すぎて、フランス語やスペイン語のように速度を上げながら学習をすることができなかった。

けれども好きになるためにたくさんその土地を訪れたり自分から友達を増やしたりなどして、今では自分が必要とする言語の5本の指に入っている。

多くの人はマルチリンガルになろうと思い新しい言語を追加しようとしてもなかなか愛着が湧かず中途半端になってしまう場合が多い。むしろ好きになろうとする努力すらせずに、ただ参考書などを最初のページから進めようとして挫折。そういう思考しかないのである。つまり、そういう意味ではその言語を好きになろうとする努力が必要となる。

 

④読み書きマルチリンガルなら誰でも可能

会話には相手を必要とするが読み書きであれば一人でできる。特に検定好きはここが向いているかもしれない。〜級取った。〜スコアになった。などという数字に安心感や達成感を感じるタイプである。これはテストという決まった形式に従ってやっていけばいいので、実際はそんなに難しいことではない。

コミュニケーションを目的としたマルチリンガルになる場合は多くの人と話す努力をしなければならないので、むしろ検定などに専念するタイプは日本人向けとも言えるかもしれない。いずれにしても私はマルチリンガルです。なんていう言い方をしなければいいだけであり、複数の言語を使って検索ができ、チャットができ、それだけでも立派なマルチリンガルである。

マルチリンガルであるかどうかは自分が決めるというよりも周りがこの人マルチリンガルだよね。ということで初めてその人はマルチリンガルというものであると思う。

こういう意味(検定だけ)でマルチリンガルを目指すのももちろんアリ。この場合、会話ができるということにこだわり必要もなく、自分が好きなように好きな言語の検定をどんどん上級まで目指せば良く、話せるようになる!という余計なことを考えずに、検定を取ることだけを考えればいいと私は思う。それによって達成感も味わえるし、余計なことも考えずに済む。

達成感があればいいじゃん。という話。

 

⑤言語別にレベルをつけることと妥協すること

※写真はアルマトイのカフェ

色んな言語をかじっていると、どの言語が自分にとって重要なのかが少しずつわかってくるようになる。私の場合15言語くらいのうち将来的に5~8くらいの言語を会話レベルで今の中国語や韓国語レベルくらいにしようと考えている。

そのほかは90%の正解率(発音)で音読できたり、簡単に読んだりできる程度でいいというふうに分けている。

多くの人はすべての言語を同じレベルまで頑張ろうというよくわからないゴールを設定してしまいがちなので、そういう設定をしっかり設けることで勉強法も変わってくる。つまりどこで妥協するか?というのも一つのスキルである。

上を見ればキリがなく、何事においてもそれぞれの妥協点を持つこと。そして上記のポイントをしっかり見直すことで克服し、少なくても話せるという意味での3言語話者には多くの人がなれるという点も強調したいと思う。そしてほとんどの人が読み書きのマルチリンガルであればそんなに時間をかけずにもなれるというふうに私は思う。

まとまりのない文章になってしまったが以上。

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