マレーシア。日本では旅行先としてはタイほどは人気ではないが移住組などにはとても人気な国。
とはいっても多くの人はこの国の多様性をあまり肌で感じたことがないのできちんと認識できていないのでは?
私はマレーシアに2,3回(旅行や1ヶ月程度の滞在)行っているが、そんな私でさえもふとこの多様性を忘れてしまうくらいなのである。
長くいた土地でも少し考えなくなると人は忘れていくものだ。
この国は東南アジアでも唯一3ヶ月ビザなしでいられる国である上、人種も3つに分かれていて非常に面白い。
再発見をするために私はこの記事を書いている。
マレーシアの人種構成
さて、マレーシアの人種構成は以下のようになるということは多くの人が知っている事実だとは思うが、
67.4%=現地人(ブミプトラ)
24.6%=中華系(客家系がほとんど)=シンガポールと同じ?→
7.3%=インド系(インド南部)
クアラルンプールに行ったことのある人がよくここは中国?と驚くように、都市部は中華系の割合がグっと上がる。
47%(マレー系)/ 41%(中華系)
https://en.wikipedia.org/wiki/Kuala_Lumpur#Demographics
私もクアラルンプールに1ヶ月住んだ時にこれは強く感じ、赤道直下の国で肌の浅黒い人ばかりの国だと思ったら、私よりも肌が白い人がたくさんいたのに非常に驚いたものである。
そして私が今回調査してみたのは、マレーシアの中で中華系がマレー系の人口を上回る都市はあるのか?とうことだった。
この都市を知ることによって中国語学習者はマレーシアに来やすくなると思うし、マレーシアがマレー系だけの国ではないということを強く感じるかもしれない。
また私自身もマレーシアにおける多くの側面が見たいので記事に残すことにした。
以下では比率順でのランキングとする。
ちなみに、私が一つ一つの都市をwikipedia で調べランキング化しているので抜けているところはあると思うのでそこは悪しからず。
※以下、都市名の横に(数字/数字)は、左側が中華系の割合で、右側がマレー系の割合
6位 コタキナバル(20/7)
コタキナバル(50万人)と言えばマレー半島ではなくその東に位置するボルネオ島、つまりマレーシア東部最大の都市である。地理的にはフィリピンに近い。
中心部には漢字で書かれたお店も多く、地理的にはより中国から近いためか中華系の割合も多いが、以下紹介していく都市と一つ違うところは、
バジャウ (サマ人)=16%
カダザンドスン族=15%
という現地の民族が30%以上も占める上、マレー半島とは違うブルネイマレー人が7%+マレー系(ブミプトラ扱い)が17%ほどなので、少し複雑。
この二つのマレー系を足すと20パーセントになり中華系と同じくらいになるが、例外として6位に入れておいた。
いずれにしてもこの街は現地人が30%という上に、中華系20%と、マレー半島とブルネイマレー人が20%となっていて、
マレーシアで一番人種のバランスが取れている街なのでは?という印象を受けた。現地調査をしてそれを実感したいほどだ。
5位 イポー(44/38)
イポー(84万人)はマレーシアで都市圏に組み込まれている都市を除けば人口規模ではクアラルンプール、ジョホールバル、ジョージタウンの次の4位である。
つまりイポーはマレーシアにおける大都市の中でジョージタウンに次いで2番目に中華系比率が高いと言ってもいいかもしれない。
私がこの記事を作ろうと思ったのもイポーのことを調べていてGoogleマップで中心部を徘徊していたら看板のほとんどに繁体字があったからだった。
ちなみに他の都市が客家語系なのに対して、ここには広東語系が集まっているらしい。→その経緯は不明。
4位 ジョージタウン(51/30)
ジョージタウン(79万人)はペナン州最大の都市。いわゆるマレーシアのサンフランシスコともいわれる(私が勝手に思いついた笑)。
ペナン州自体はマレー系(41%)と中華系(40%)と拮抗している構図なのだけど、その中心部ジョージタウンになるとこれだけの差が出てくるのがまた面白い。
ちなみにペナン島にあるジョージタウンだが、この島はよくそのもっと北部にあるランカウイ島と比較されることが多い。
ランカウイ島の方がシンガポールの面積に7万人しか住んでいなく海が綺麗というのが大きな違いではあるが、ランカウイ島では、マレー系(84%)で中華系(5%)であり、同じ国でもペナン島とランカウイ島は全くその中身が違うということがわかる。
これは面白い発見だった。
3位 バターワース (ペナン州)(52/24)
バタワース(10万人)はジョージ・タウンの対岸にある都市であるのだけどジョージタウンほど人口が多くない。
この土地も中華系のほうが多く、簡単に言えば中華系人口が多い街が好きならクアラルンプール空港からすぐに乗り換えてこの2都市圏内に住むのがアリかもしれない。
バタワースの場合は、人口集中しているジョージ・タウンよりも6%ほどマレー系の人口が落ちるのもポイント。
2位 ブキッ ムルタジャム(58/26)
ブキッ ムルタジャム(Bukit Mertajam)(1.3万人)は3位バターワースの背後にあるように存在する街。バターワースに比べ中華系人口は6%ほど高くなる。
イオンモールもあるのでおそらく住みやすいこと間違いなし。
1位 ニボン・テバル(70/18)
ニボン・テバル(Nibong Tebal)は、人口が4万人程度の町。ブキッ ムルタジャムよりさらに下に行ったところにある。
70%というのはもうここは中国の1都市と考えていいレベルの比率だ。
その統計が2010年くらいまでのものしかでていないので現在はどうなっているかはわからないが、youtube 検索してみると、繁体字系の動画が多く出てくるのでおそらく中国人や台湾人にも多く知られている街なのかもしれない。
マレーシアの大都市の中華系比率
ジョホールバル(85万人)(48/34)
クチン(40万人)(36/34)
この辺の大きめの都市は中華系とマレー系の人口が拮抗している構図だ。
今回の調査で判明した事実
中華系住民がマレー系よりも多く占めるエリアの多くがイポー⇄ペナン島エリアであることが判明した。
中国大陸にはビザを取らないと行きずらいし、台湾は日本と近すぎるし小さい国だし。。という場合や、
東南アジアの物価の安い田舎で中華系が多いエリアでノマドしたい、中華料理や、中国語を勉強したい人。
は、このエリアに長期滞在するのがおすすめかもしれない。という結論に至った。
一つの国を一つの側面からみていても理解できないようなことって、どんな国でも深掘りしてくれば出てくる。今回はそんな一例になる記事でした。