現在、ウクライナ滞在。私は滞在のことを住む。と読んでいるのだけど、もっと具体的に言うとノマドしている。最近外国語の生徒さん25名の対応や、YouTube動画撮影など、自分の勉強も多かったので記事が書けていなかったが少しずつ増やしていこう。
さて、現在私が住んでいるオデッサの高級住宅街の話は別の記事で書いたのだけれども、
「ノマドの生活目線で見たウクライナ第2の都市「オデッサ」。高層マンションでも格安生活?」
私としてはウクライナのオデッサに限らず、色んな都市に行ってもっとウクライナからみた世界観が知りたい。そして2年ほど前のカザフスタンやウラジオストク、キルギス時代から続けているロシア語力もさらに高めたいという気持ちだ。
ところでウクライナに来る前2ヵ月ほどトルコにアパートを借りていたが、そういう過程で色々調べて驚愕したのは、トルコには、1815人もの日本人が住んでいるのに対して、ウクライナにはたったの200人ほどなのである。
https://twitter.com/_multilingirl_/status/1367596523115151360
人口で言えばトルコは8200万人で、ウクライナは、4200万人ほど(これらの数字は全て2020年基準)なのでウクライナにモ日本人が、900人くらいはいてもおかしくない気がするのだけど、そうではない。
つまり日本人が全然住んでいないトルコよりも人口比で言えば日本人がかなり少ない国なのである。
また決定的にウクライナが日本人に人気がない証拠は、隣国のポーランドは3800万人しかいないのにもかかわらず、1600人もの日本人がいるということである。
ウクライナとポーランドを比較した記事は次回作る事にしよう。
私がウクライナについて意識し始めたのが、2016年頃、その頃ウクライナは物価が安い、美女が多い、ノマドにはいい場所など、ネットの記事などは色々見てきたが、実際に200人ちょっとしかいない(短期滞在含めていない数字)というのはやはり驚きだ。
そういう意味で、なぜウクライナは日本人にこれほど人気がないのか。考えてみた。
①直行便がない
隣国のポーランド(ワルシャワ)や、ロシア(モスクワ)、トルコ(イスタンブール)には日本からの直行便があり割と気軽に行けるイメージがある。
けれどもウクライナ最大の都市キエフと東京は直行便で結ばれていない。けど、私はウクライナに日本人が少ないのは単に直行便だけが理由とは思っていない。
例えば、日本人がほとんどいない中央アジアのキルギス(日本からの直行便なし)でさえ、人口が631万人しかいないのに140人のに日本人が住んでいるという事だ。
これは闇が深い…。
で、その中で考えられるのは、ウクライナに対するネガティブなイメージではないだろうか。
②飛行機墜落のイメージ
ウクライナにはネガティブなイメージが付きまとう。その一つが、飛行機墜落ではないだろうか。私もウクライナに来るまでに非常に悩んだ要素だったのだけど、2020年1月8日に、イスラム革命防衛隊による誤認による撃墜「ウクライナ国際航空752便撃墜事件」と、
それからおよそ6年前の2014年7月17日に起きた、がウクライナ東部上空を飛行中に撃墜され、乗客283人と乗組員15人の全員が死亡した「マレーシア航空17便撃墜事件」
この二つ以外にも、
①1992年アントノフAn-124墜落事故
③シベリア航空機撃墜事件
④プルコボ航空612便墜落事故
⑤リヴィウ航空ショー墜落事故
とあり、特に②は、2019年に起きた事故で、乗員乗客8人中5人が死亡したとされる。これは検索にあまりひっかかってこないのが謎。
③クリミア危機・ウクライナ東部紛争
※地図は、濃い青になるほど、ロシア語が優勢なエリア。つまりウクライナはロシア語がかなり優勢な国である。
ウクライナ東部紛争。これはウクライナ東部にはロシア系住民が多く住んでおり、簡単に言えば、独立をしようとしている。ということ。
事実、ドネツク人民共和国
2014年4月7日にドネツク人民共和国(DNR)が親ロシア派の住民によって、2014年4月27日、ルガンスク人民共和国(LNR)が建国されている。
ここはウクライナ政府の管轄が及んでいない地域であり、在ウクライナ日本大使館でも、渡航禁止に指定されている。
また有名どころではクリミア半島。そもそもクリミア半島もロシア系住民が多かったのでそういう事情で住民投票で多数決した。
つまりウクライナという国は、南北朝鮮に例えていうのなら、韓国に北朝鮮人の人口が25%ほどいる状態だというイメージに近い。
ウクライナ東部ではロシア語の割合が多いのもそういう理由である。このように、一つの国にウクライナ人だけが住んでいるというわけではなく、2001年のデータしかないのだけれども、17.3%、およそ5人に1人がロシア系住民であり、キエフやハリコフ、オデッサという大都市ではいまだに日常会話でもロシア語優勢という状況。
http://www.ucipr.org.ua/publicdocs/RussophoneIdentity_EN.pdf
④ウクライナ21
私がウクライナに興味を持つ前、ウクライナに対するイメージと言えば、この殺人事件である「ウクライナ21」だった。
ドニプロペトロウシク州に住む若者たちが、21名の男性らを殺害し、それを録画した。という、非常にネガティブなニュースである。
この内容は、この記事では触れるつもりはないが、私のイメージではウクライナ=貧困でお酒ばかり飲んで、頭が悪く、こういう殺害事件がよく起こる。という勝手なイメージを持っていた。
私はそれからウクライナのことをもっと調べたりしたので、少なからず、多くの日本人にはこういうイメージがあるのかもしれない。と思っている。
⑤チェルノブイリ原発事故
ウクライナに行くことになればまずキエフに行くことになる人が多いと思うのだけど、チェルノブイリは意外とキエフから近く、80kmくらいの場所にある。
そのためキエフ人は被爆している人が多いのではないか?のような心配、またはネガティブな印象が付きまとう。
事実、twitter でウクライナ在住の日本人の会話の中で、そういう疑問を呟いていた人もいたので、キエフ在住の人にとっては身近な問題に思える。
⑥ウクライナ美女に興味がない
ウクライナと言えば、これでもか。というほどウクライナ美女という話題になる。YouTube動画だったり、ウクライナに来るメリット系の動画だったり、ウクライナに来るメリットは美女しかないのか。というくらい、釣り的な発信はやはり多い。
確かに女に興味のない私でさえ、ウクライナの街を歩いていると化粧バッチリでスタイルが良い女性しか歩いていない。と言いたくなるほど、顔と体のバランス、外に出る時はきっちり化粧するウクライナ美女には感心するしかないほどだ。
けど、日本人男性の多くはウクライナ美女に関心があってもそれは少数派であり、またそれよりも東南アジアなどの近い人種などのほうに惹かれる人のほうが多いのではないか。と私は見ている。
とはいってもウクライナは白人女性が好きな人にはたまらない場所だろうと思うし、もし私が白人女性が普通な普通のストレート男性だったなら、ウクライナに物凄く惹かれているのかもしれない。
⑦周辺国に魅力的な国が多すぎる
ウクライナと言えば東南アジアで生活するのと変わらない物価水準。それなのに人気がない。それはポーランドという日本人の東欧マニアが好きな大国と、ロシアというこれまたユーラシアマニアが好む大国の間にあり、地理的に非常に微妙な場所にあるからではないだろうか。
例えばロシア語を勉強したい人は本場ロシアに行くことが多いし、またポーランドという国の存在が一番影響していると考える理由は、ウクライナと物価水準が少し変わる程度なのに、EUの国なのでパスポートなしでフランスやドイツまで行けるという立地の良さ。
こういう現象が重なり、自ずとウクライナという国は日本人が少なく、私のように日本人社会でゴチャゴチャになりたくない人には向いている国なのかもしれない。と考えている…。
⑧最後に
ウクライナ安い!美女多い!など色んなポジティブな情報をだけを見てきてみた私も、ウクライナのネガティブな部分、社会問題、そちらのほうを更に理解して、それを知ったうえで、この地で少し長く住んでみたいという気持ちでいる。
個人的にはそれくらい今ウクライナが気に入った。(トルコだと、私の知らないトルコ在住の日本人から結構嫌われてるみたいだしね…)(笑)
引き続き、この国についての知識を深めていきたい。