2022年秋、私はパリからソウルに飛んでいた。
「2回目のパリと、シャルルドゴール空港の近くにある田舎で1泊した話」
このとき2週間くらい仁川のアパートにもいたのだけどそのことはまた違う記事で書こう。
さて、この時のことは非常に印象的だった。
つまりこのソウルに行く前に私は1ヶ月半の間フランス、モロッコ、ドイツ、スイス、イタリア、モンテネグロの22都市を回っていて、その後にみた北東アジアという世界(ここではソウル)が今までみたことのない感覚で見えたからである。
ちなみに、その前にいたフランス、ドイツ、スイスの三国国境地帯にあるミュルーズでのことは以下に書いた。
「フランスの「ミュルーズ」で2週間取り組んだ事と、訪れた周辺の5都市(ドイツ・スイス)」
さて、日本人にも人気が高いパリとソウルは私にはどのように見えたのか書いていこうと思う。
ちなみにパリは今までで2回目、ソウルは20回以上という感じ。
①アパートの完璧さ
ヨーロッパからすれば断然ソウルのアパートは安く見える。
フランスの中でも物価の安い街として知られるミュルーズでも、一番安い部屋は10万円くらいだった(運がよくこの部屋を借りれたのだけど=上のURLに載せてある)。しかもお部屋は広くお屋敷の中の一部屋(アパート)なのだけど、ネズミが出る(見えないレベルに速い)は、目の前が道路なので深夜3時まで眠れないわ。で大変だった。
ネズミが出なければ道路の騒音に関しては金額に見合っているということで割と完璧レベルのお部屋だったのでもちろんフランスのアパートに対して文句があるわけではない。
とはいってももっと狭くてもいいから機能的で安いお部屋がいい。といった場合、ソウル郊外にはワンルームサイズの非常に便利なワンルームアパート(コシテル)はたくさんある。
これは日本よりも便利で、Airbnbなどでソウル郊外だと7万円くらいで借りれる。
物価が日本よりも高いと言われているソウルではソウル中心部の不動産は高いものの地方の家賃は結構安い。
パリの郊外だとソウルの2倍以上はして、しかも質はソウルほど良くなく、治安も悪い。という意味でノマドにはパリは向いていないということもわかる。
私はフランスのゆったりとした田舎で部屋を借りるのは好きだけどわざわざ治安の悪いパリに部屋を借りたいとは思わない。
②ソウルや東京はパリよりも、洗練されている?
パリもソウルもどちらも洗練されている。とはいってもおそらく世界中の人がどちらが洗練されている?と言えばパリである。
いまだに外国人の中には東京の物価が世界一だと思っている人もいるように、人々の情報って20年前や30年前のものが焼き付いていることも多い。
さてパリの場合、低層のビルが多くて建築も古いながらもリノベーションし、こだわりのある文化や古いものと新しいものを融合させた街。
とはいっても京都のように高さ規制もあり建物を壊せないような規制も一部あるためパリとソウルを比較することはできない。
ソウルの場合、メイン通り沿いにたくさんの高層建築を建ていかにも先進国に見えるような街づくりにしたためか、路地に入ると古き良きソウルが今でも残っている場合も少なくない。
と、街の印象を書いたが、ライフスタイルに関して言えばパリの方が自由である。
けれども自由は一人一人が責任を伴うものである。そのため貧富の差も激しいし治安も悪い。
一方ソウルは韓国の中では一番自由な都市であるものの、色がない。昔よりはマシになったが東京に比べて個性も色もなく皆だいたい同じような髪型、服装、同じスタンダードの中で競い合って、嫉妬しながら生きている。
けれども街は韓国人の見栄文化もあってか人々の外見(お金をかけているという意味で)、人々がよく訪れる地区などをみてもパリと比較しても全く引けを取らない街だという印象だ。
ヨーロッパ人からみたソウルというのはそういうハードウェア(物理的なもの)的な意味としてヨーロッパより進んでいて、ソフトウェア(メンタル的なもの)はヨーロッパが進んでいるという感じに見えると思う。
ソウルはそういう意味でパリの10年後といった感じかもしれない。
空港、地下鉄、ショッピングモール、街並み、トイレ、バスなどそういうハードな部分はソウルも東京もパリより断然上である。
けれどもソフトウェア的な部分はおそらくソウルがパリよりも10年くらい遅れているのでは?という印象を受けた。つまり自由。という意味では。
けれども自由というものを求めないの国もあるのでここはなんとも言えないところ。かもしれない。
若者を見ていると案外、日本や韓国の方がヨーロッパ人よりも自由に見えたりもするけどね。。
③スタイル(美のスタンダード)。人の層や種類(観光客)
上にも書いたがフランスは自由な発想で様々な色があるイメージ。色がありすぎて美のスタンダードもかなり幅広く、ソウルのように一つの美を追求しない。という意味で非常に楽さを感じる。
けど責任は自分で持ちなさいねという空気感。
欧州のど真ん中にあり多くの欧州人で溢れかえっていて、所得の高い人も普通に旅行していたりするのがパリの光景。
フランスの地方の貧しい人がわざわざパリに行くというような感覚ではないのもポイント。つまり田舎の人にとってもパリは別世界であるわけだ。
一方ソウルに集まる観光客は客のレベルは低いというか、言わんとしていることはここで書かなくてもわかると思う。
それはすぐに分かってしまうレベルなので・・。
今の時代になっても、まだ日本の若者が明洞のど真ん中で、ウチラニホンジンデースみたいな感じでどでかい声で日本語を喋っているのには品のなさを感じましたわ。
日本人も日本から出ると羽目外してる人多いのでね..。
東南アジア人の前では非常に偉そうにしている日本人を沢山見てきた私(私もたまに怒鳴ったりするけどそれは仕方ない。相手がとぼけたりすることも多い国柄なので・・)。
一方でパリの観光客は皆楽しそう。ワクワク、ドキドキ、いろんなところを夢中に写真を撮る人たち。。
本当にこだわりがあって旅行しに来てるというか、フランスにある程度のリスペクトがあってその金は惜しまないという感じで来ている人たちが多かった。
昔は中国人などアジア人が多い印象のあったパリだったけれども、2022年秋に行ったときはそんな感じでもなかった。
パリは中心部以外は危ない場所も多いし、そりゃソウルのほうが全体的には断然安全な街なのだけど、ソウルの中心部は個性や色がない。
そんな個性のない無機質なものが現在アジアで流行っているわけなのだけどね。
それはそれで今まで欧米スタンダードのスタイルを押し付けられてきた世界中の人たちに北東アジアのトレンドという選択肢を与える意味で私は全然いいとは思っている。
つまりもう一度言うけれども欧米に比べればソウルは人間のスタイル、建物のスタイル、そういうものに個性がなく、簡単に言えばインフラなどはシンガポールっぽくて無機質なイメージがあり、人間も同じような色の服を着て同じ髪型であり、日本以上にロボットみたいな感じがした。
※東京に限っていうなら、割と東京は多様に満ちていてそれは欧米からもそういう部分は評価されていると思う。のでソウルとはまた違う。
けど、こういう街って私みたいなノマド生活者からすると非常に住みやすいのよ。物事がシンプルというか、お店も同じようなチェーン店しかなく、同じような人たち、同じような製品、と言う感じである意味多くのことを考えなくて良い社会なので・・。
でもソウルのほうが断然ヨーロッパのどの都市よりも便利なのことは確か。深夜営業しているお店の数などは東京以上にある(ここもノマド生活者としてはポイント高い)し(日本以上に夜型社会)。
どっちがどっちではなく、パリはパリらしさ。ソウルはソウルらしさでいいのでは?と思う。
④フランスから見えた北東アジア(ソウルや東京)
西洋人が見る東アジアは数十年前とは全く変わった。
ソウルに飛ぶ前、私は長らくヨーロッパ(1ヶ月)に留まっていたので、その後にソウルに行く感覚は未来都市に行くような感覚で、ワクワクだった。
パリから乗っていた他のフランス人たちの行動を見てもそういう感じだった。
いまだに日本人はヨーロッパが優れていてアジアは遅れていると思っているかもしれないが、インフラ面やその他多くの分野でヨーロッパより進んでいるものが北東アジアには多い。
特にフランスの若者はそういったことを上の世代より理解している感じもあった。
明らかに治安や都市の便利さなどの意味ではソウルや東京はパリを超えている。
またヨーロッパから見た北東アジア(日本や韓国)というのは中国という巨大な国(もちろんここも言論は何せよインフラや多くの面で評価されている)の向こうにある東側にあるヨーロッパと同水準の国という感じに見えるのだと今回実際に感じたことだ。