世界の人口は2017年の発表によると、76億人もいる。ちょうど18年前の2000年には、60億人だったにもかかわらず、この18年で16億人も増えた。
16億人といえば、中国、韓国、日本などを合わせたくらいの人口だ…。
で、人口が増えている国と言えば、発展途上国である。そしてそれらの国の人々が共通しているのは、肌が黒いということだ。ここでは黒いとか、暗いとか、色々な表現があるものの、記事をわかりやすく書くために、黒いという表現で統一していきたいと思う。
つまり私は何を言いたいかというと、現在地球の人口の半分くらいが、
・中南米
・中東
・アフリカ
・南アジア
・東南アジア
などの発展途上国、もっとわかりやすく言うと肌が黒い人たちなのである。ということは、肌が黒いといことが当たり前の世界であるということなのだ。
以前とは違い、富も白人中心からアジアに流れつつある。そういう中で、西洋では美の基準が日焼けを少しした感じ。というふうな現象も起こっている。
「黒くなりたい白人女性と、白くなりたい日本人女性。その理由とは?【海外の反応】」
この記事では、外国人と言えばずっと白人!と無条件に思ってきた多くの日本人に、もっと肌の黒い人たちの種類を知ってもらおうという気持ちで作成した。
また、この記事は以前書いた以下の白人の種類の黒人版であるとも言える。
「白人には何種類ある?北欧系、南欧系、中東系、インド系、アフリカ系を比較」
まず始めに言っておきたいのは、私がこのタイトルで書いた黒人という意味は、ネグロイド系というよりは、顔が黒い人種を指している。
ネグロイド?と聞いてもピンとこない人がほとんどだろう。世界3大人種というのがあって、それは、
・コーカソイド(ヨーロッパ人などの白人~インド北部まで)
・ネグロイド(アフリカに住む黒人など)
・モンゴロイド(東アジア、東南アジアに住む中華系)
と言われている。それにもう一つ加えると、
・オーストラロイド(インド南部、東南アジア、太平洋諸島)
世界4大人種ということになる。
「アジア人、白人、黒人の骨格の違いが凄すぎる件」
つまり世界にはアフリカ在住の黒人(ネグロイド)以外にも、肌の黒い人たちはいろんな国に住んでいる。例えば、顔は日本人のようなモンゴロイドなのに、真っ黒い肌をしたアフリカの部族なども、今回黒人という枠に入れている。
「意外に知られていない、日本人に顔が似ている民族・国家 TOP20」
つまり、以前書いた白人版では、肌が白いというよりは、コーカソイドに近いという意味での白人を並べてみたけれども、今回はそのような人種別にネグロイド系だけをフォーカスするのではなく、あらゆる国にいる肌の黒い人たちをピックアップすることで、みなところどころ違うのだよ。ということを伝えたいと思うのだ。
でははじめよう。
①オーストラリアの先住民族「アボリジニ」
日本から最も近い先進国というイメージもあるオーストラリアは白人の国と思っている人も多いかもしれない。けれども、本来は白人がこのオーストラリアの地に渡るまでは、この写真のような人たち(日本人からすればおそらく黒人とひとくくりにされる)である。
アボリジニは肌は黒くても、アフリカにいる黒人とは人種的には異なる。この部分を知らない人は結構多い。アボリジニはネグロイドではなく、オーストラロイドに分類される。
けれども、多くの人は、顔が黒ければみなネグロイドだろう。と勘違いしているきらいがあると思う。
アボリジニは現在もオーストラリアに住んでいる。日本で言えば、北海道のアイヌ民族のような先住民とぴう感じだろうか。以下、ウィキペディアの記述を借りるとこんな説明があった。
西洋人がオーストラリアを「発見」した段階では、50万人から100万人ほどのアボリジニがオーストラリア内に生活していた。言語だけでも250、部族数に至っては、700を超えていた。しかし1920年には約7万人にまで減少した。
つまり、イギリスがオーストラリアを植民地化したのは、1788年ころなので、そのころからアボリジニの数は急激に減ったということだ。
というのも、初期イギリス移民の多くを占めた流刑囚がスポーツハンティングとして多くのアボリジニを虐殺したからであり、その記録(日記)は現在も、サウスウエールズ州の図書館に実際に残されているとされている。
オーストラリアにワーホリに行くような人は、ぜひ英語だけでなく、実際にその土地のことを勉強することをおすすめする。
②アンダマン人
http://www.thehindu.com/news/national/Andamanese-tribes-languages-die/article16573196.ece
この写真は、左側のおばちゃんがアンダマン人で、右側のおばちゃんが、インド人である。アンダマン諸島とはインドの29州と連邦直轄領のうちのひとつで、アンダマン・ニコバル諸島連邦直轄領となる。なので、インドなのだ。
同じインドでも顔にこれだけの違いがある。
もうちょっと言うと、右のおばちゃんはインド人だけれども、インドにはこういうおばちゃんではなく、白人のようなおばちゃんもたくさんいるので、インドはやはり人種のるつぼである…。以下をみると、その種類の多さに驚くかもしれない。
「インド人が白人のような顔をしている理由と、インド北東部に日本人のような民族がいる理由」
アンダマン人は実は、日本人と共通する DNA を持つ。ということで有名な民族でもある。
「日本人と同じ【ハプログループ D】を持つ、アンダマン諸島のオンガン人(ジャラワ族、オンゲ族)」
肌は真っ黒なのに、骨格レベルで考えるとアフリカにいるようなネグロイドではない。また、色々調べてみると、このアンダマン人は、ネグリト人に分類されることが分かった。”はぁ!?そんなのオメエ、義務教育で習わなかったのぉ~!?”みたいなメールが私のところに届くこともあるけれど、そんなの知らなかったよぉ~って感じ。そう、私も今このブログを書きながら、知ったのだ。
確かに義務教育でネグリトの存在は触れた気がする。東南アジア人といえば、中華系の人たちやインド人(ヒンドゥー教を東南アジアに伝えたインド人)と、こういった少し黒人に近い人たち(オーストラロイド系)の混血だと私は認識している。
その中でもアンダマン人は非常に肌の色が黒く、ある意味、アフリカにいる普通のアフリカ人よりも色素的には黒い気がする。
ネグリトを言語学からみて分類すると、
・アンダマン諸語
・パプア諸語
・オーストロネシア語族
・オーストロアジア語族
というふうに分けることができる。つまり、インドとマレー半島の間に浮かぶアンダマン諸島、パプアニューギニア、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナムの一部に、言語学からしか推察できないけれども、ネグリトが混ざっているということなのだろう。
東南アジアには中華系の人口も多く、それらのミックスしたと考えれば、現在の東南アジア人は、なぜ少し浅黒いのか?ということは説明できる気もする。
※ちなみに、ネグリトという言葉がでてきたのでちょっと混同してしまったと思うけれども、ネグリドは、4大人種の中では、オーストラロイドである。
ちなみに、日本人に天然パーマが多いのは、このアンダマン諸島系のDNAと関係していると考えている人もいるようだ。(私も癖毛がひどすぎるので…)
「韓国人や中国人に比べて日本人に、「毛深い人」や、「天然パーマ」(癖毛)の人が多い理由」
③インドの黒人
正直、黒人と言っていいのかわからない。けれども最近英語圏の記事を読んでいると、なぜアフリカや、奴隷貿易でアメリカや南米に連れていかれたアフリカの子孫のことのみを指して、Black と言うのか?という疑問が次々とでてきている。
Are Africans The Only Blacks? No! Here Are World’s Non-Afro Dark-Skinned People
そういった中で、
こんな記事のように、黒人は世界中にいる。というような見解が広まりつつある。
インド人がみなこういう顔というわけではないけれど、肌が黒いということを考えれば、黒人というカテゴリに入れることもできそうだ。けれども、この顔を見ると、やはり白人のようなコーカソイドも混ざっている感じがする。
そう。インドって上の記事にもリンクさせたけど、北側はコーカソイド系で、つまり顔が小さい。白人みたいな骨格をしているのですぐにコーカソイド系だとわかる。
これはヒンディー語がインド・ヨーロッパ語族に分類されるのに対して、南部で影響力の強いタミル語が、ドラヴィダ語族に分類されることからも、北部のインド人は、ヨーロッパ人と同じ言語系統なのである。
上の写真の顔を白くしたら、あきらかに白人だ…(;^_^A
④コイサン人(南アフリカ)
この顔を見ると、肌は黒いのに、なんか日本人っぽい感じがしない??こういう顔の人って日本にいてもおかしくない気もする。実はコイサン人は南アフリカにいる部族で、アジア人に似ているとかなり有名である。
こんな記事ができるくらい、なぜ東アジア人に似ているの?とアフリカ人の間では言われている。
Are Africans The Only Blacks? No! Here Are World’s Non-Afro Dark-Skinned People
いずれにしても、顔が日本人に近いこともあってか、なんだか近寄りやすいという感じがする。
この記事の上のほうに、日本人のDNAの一部を共有しているアンダマン人を載せたけれども、むしろそれよりも、日本人に近い感じがしないだろうか?目が一重瞼であるということは、やはり近いものを感じる。
ちなみにコイサン人は、スウェーデンの少数民族(サーミ人)と同様、モンゴロイド人種以外で、一重瞼をもつ珍しい民族でもあり、日本人に似ていると言われることがある。
「白人や黒人なのに、「一重まぶた」で日本人や韓国人に似ている!?「内眼角贅皮」になる理由」
⑤トゥピ族(ブラジルの先住民)
https://www.videoblocks.com/video/native-brazilian-girl-from-tupi-guarani-tribe-taking-selfie-photo-brazil-sa1aa-xybj213zk3y
https://forums.civfanatics.com/threads/leaderhead-preview-tupi-leader.308842/
南米に分散しているトゥピ族は、顔が日本人に近いものの、やはり黒い。日本人がこういう人たちを見るとおそらく分類不明…。という感じになってしまうのではないだろうか?
勝手に彼らはフィリピン人だろうか?という感じで終わってしまうのかもしれない。いずれにしても、南米のインディアン系部族はとても興味深く、私もいつか彼らと生活してみたいわ…。
それにしても、上の女性の髪の毛が透き通るような綺麗さなのは、何か秘密があるのかしら…(;^_^A
⑥欧米に散らばった黒人の子孫
写真は、先日イギリス王室のヘンリー王子と結婚した米国の女優、メーガン・マークルである。この感じの女性は、アメリカやヨーロッパにかなり多い。
特にアメリカのエンターテインメント界の多くは、こういった人たちに支えられている。というのも、黒人の血が少しでも入るだけでカッコイイ!となるからである。
特に男性はモテるし、女性なら歌唱力が買われる場合も多い。
そもそもヨーロッパにもアメリカにも黒人は本来いなかったけれども、奴隷貿易で連れてこられた黒人と、ヨーロッパ系の白人が結びつくことで、メーガン・マークルや、誰でも知っている歌手で例えると、マライアキャリーのような、黒人と白人のミックスが増えた。
世界的に一番有名でもあると言えるあのイギリス王室に、黒人女性が入った。と、当初話題になったが、実際にメーガン・マークルは、生粋の黒人というわけではなく、白人も半分入っているということなのだ。
それはオバマ大統領も同じで、オバマ大統領も純粋の黒人ではない。白人と黒人のミックスなのである。
⑦エチオピア人
これはエチオピア人女性である。エチオピアはアフリカだけれども、アフリカと中東の中間あたりに位置し、エチオピア人は美人が多いことで有名。
おそらくアフリカ系と中東系のハーフにあたるからであろうか?それは以前紹介したアフリカ人のいくつかの顔を見ても、エチオピア人の平均顔が、いわゆる美女と思えることからも分かるだろう。
以下、ご参考に(^_-)-☆
「日本人女性は話題にもならない?世界40ヶ国、女性の平均顔が比較されていた件【海外の反応】」
⑧ガーナ系
http://www.gistmania.com/talk/topic,71633.0.html
ガーナ人女性。ある意味、この感じが、誰もが想像する黒人に典型的な感じだと思う。しかも、彼女は、美人。アメリカの HIP HOP 系の曲にも、こういう女性は結構出てくる。
明らかにエチオピア人の写真のほうは、白人っぽさ(コーカソイド)が少し入っていそうで、ガーナ人のほうは全く入っていなさそうな感じである。
特に唇の厚さがそれを象徴しているのかもしれない。またタイ人やベトナム人に特徴的なように、鼻が横に広がっている。これは、寒いエリアだと鼻から冷気が入ると体に悪いので鼻が小さくなり、南部では逆に鼻の穴が大きくなる?ということなのかもしれない。
気候などによって人の顔って何年もかけて変わってゆくのかもしれない…。
⑨フィリピンの黒人
http://taga-bangka.tumblr.com/post/34279579963/origin-of-discrimination-against-afro-filipinos
フィリピンにもこのように、ネグリトがいる。上にも書いたが、ネグリトとは人種で分けると、オーストラロイドに分類され、アフリカに住むネグロイドとは違うタイプの黒人だ。
ちなみにこの系統は、パプアニューギニアなどの人種とも近い感じがする。→ネグリトという意味では。
現在のフィリピンは、こういったネグリト、スペイン人、アメリカ人、中華系などがミックスしている。と言われている。
ちなみにパプアニューギニアのあるニューギニア島は、東がパプアニューギニアという国で、西側がインドネシアの西パプア州となっているが、私がインドネシアに住んで感じたことは、パプア州からきた感じの、つまり上のような人種ってインドネシア人の中でも、差別の対象にあっているのではないか。と感じた。(街全体を見渡して私が思った感想なのだけど…)
それは以下にも書いた。
「生活してみて分かった、日本人が知らない、インドネシアからみた世界と、不思議な部分 TOP10」
ちなみに、インドネシアって日本人が想像する以上の多様性があり、ものすごくエキサイティングな場所である。
⑩アイヌ民族(日本)
一部、英語圏のサイトでは日本のアイヌ民族も黒人扱いされていた。けれども私が知る限りアイヌの中には白い人も多いので、何とも言えないところである。
そもそもアイヌ民族というのは、私的に言うとひとくくりにできない気がしている。オホーツク系の、シベリアのモンゴロイドっぽいアイヌもいれば、ユダヤ人みたいな白人系のアイヌもいれば、東南アジア系のように見えるアイヌもいるので、思っているよりもかなり混血している可能性すらある。また、オホーツク系のアイヌは、彫が浅い人も多いように思える。
この写真では白黒でわかりづらいのだけれども、確かに外で働いていて日焼けしていた人もいたのだろう。それに加え彫が深いので、どうしても白黒写真だと黒人っぽく見えるというのがあるのかもしれない。
アイヌ民族に関しては以下に詳しく書いた。
「世界に存在していた国 TOP10に、日本の「蝦夷共和国」がランクインしていたことと、東北の蝦夷とアイヌの関係」
けど、私が感じるのは、アイヌ民族は朝廷側(京都を中心とした天皇家)から排除されていた人たちであるとともに、そういう朝廷側に従わないいろんな民族が混ざった結果の民族な気がしていて、どうりでアイヌ民族の中にもいろんな系統の顔がいるわけだ。と思ってくるわけだ。
以下、よく問い合わせのある質問だったので、追記。(2019年6月5日)
オーストラロイドと、オーストロネシアの違い
オーストロネシア人とは、オーストロネシア語族を話す民族の総称であるが、その典型例が、インドネシア人、マレーシア人、フィリピン人、台湾の少数民族など、東南アジアのインドシナ(タイ・ミャンマー、カンボジア、ベトナム、ラオスなど)を含めない部分である。
台湾→フィリピン→インドネシア→太平洋方面、マダガスカルへと拡散したと言われている。
もともと、パプワニューギニア人がものすごく真っ黒いことからもわかるように、東南アジア一帯にはオーストラロイド系の人たちが住んでいたが、オーストロネシア系(モンゴロイド系に近い)の人たちが東南アジアに南下し、ミックスしたのが今の状態というふうに考えることができそう。
いずれにしても、オーストロネシア系の言語であるインドネシア語をしっかり学ぶと、タガログ語、マレー語、マダガスカル語まで範囲を広げられるので、チャンスだよ( ゚Д゚)//
「インドネシア語・マレー語を勉強するメリット、需要、重要性」
最後に。
また地球上には黒い人のほうが多いのだから、それが当たりまえと考えることのほうが正しいと思った。つまり、白人や東アジアなどの肌が明るい人たちのほうが現在は、少数派だということだ。
ということを考えても、世の中の見方をもっと変えていく必要があると思った。