このほど、中国のグーグル検索ともいわれる百度の検索エンジンで、「北京と上海はどちらが発展しているのか?また、どっちが好き?」という、日本人も興味のありそうな話題を見つけた。
私も北京と上海を訪れる前までは、「どっちが一体、中国で最大の都市なの?」とか、どっちが日本における東京と同じ位置づけなのかしら?みたいな感じで考えていたことがあった。
というのも、
イギリス=ロンドン
フランス=パリ
アメリカ=ニューヨーク
韓国=ソウル
のように、だいたいどこの国にも巨大な都市は1つくらいしかない。けれども、中国という国は異常なほどの人口を抱えているので、その分、大都市が何個もあったりする。
なんて言ったって、中国は13億人以上も抱える巨大国家。人口にして言えば、EUのおよそ2倍以上であり、アメリカの5倍…。
なので、
北方=北京
南方=広州
という南北を代表する大都市がありながら、その中間に上海という中国最大の国際都市が存在する。
ちなみに、上の北京vs広州だけれども、以下のような形で、気質がかなり違い、どっちの都市も行ってみると全然違うことが分かって面白いよん( ゚Д゚)/
「中国の北方人と南方人の気質・外見的特徴を比較!男性と女性、付き合うとこうなる!【海外の反応】」
ちなみに、上海と東京は同等規模の都市圏と言ってもいいかもしれない。今現在上海の西部にある衛星都市(蘇州・無錫)が上海の地下鉄とどんどん繋がっていっているので、上海の都市圏は拡大していく模様。
「東京、上海、香港。ソウル、北京、シンガポール。どれが東アジアで1番の大都市圏?」
世界最大の都市圏を持つ東京。という名は次第に薄まっていくかもしれない…。
「東京バイバイ。2025年→2050年→2075→2100年、首都圏(東京)に取って代わる世界最大の都市圏はどこ?」
skyrisecities.com/news/2016/01/viewfinder-guangzhou-skyline
この写真は広東省の中心、広州。香港からも近い広州は、日本ではあまり旅行先としても人気度が少ないと思う。中国では、広州と言えば、中国の中でも上海と競い合えるくらいの巨大な都市として認知されている。
日本人は香港にばかり行くので、勢いよく発展してきている深センや広州のことをあまり知らない場合が多い。
そんな広州は、アジア太平洋地区最大の黒人街があり、問題になっている。
またこの高層ビル群をみてもわかるように、経済力においても、すでに広州市のある広東省のGDPが大韓民国やメキシコのGDPと同等になりつつある。
「大韓民国 VS 関東(日本)。人口や経済力(GDP)などを比較した場合、どっちが強いの?【韓国の反応】」
www.china.org.cn/business/2014-01/06/content_31103265.htm
また、中国の場合、
北京には天津
上海には蘇州
広州には深センまたは香港
などが隣接していて、巨大な都市圏、経済圏を持っている。つまり、イメージ的に言えば、日本における関東エリアが中国に3つ存在するといったイメージかもしれない。
けれども、内陸部には重慶という巨大な都市圏も存在する…。
それはさておき、中国人の中では、こんな巨大な広州はあまり憧れの対象にならない場合が多い。広州だったら香港に住みたいと思うのがその理由であると思う。
なので、この記事ではまず北京と上海に対する中国人の反応をまとめてみた。
調査してみると、中国では上海と同じくらい、北京に住みたいという人が多い。ちなみに、日本には北京みたいな場所がない。
もし北京が日本にあるとすれば、今の京都が四倍拡大され、また天皇家がその中心にあり、京都弁が日本語における標準語的な地位になっていた場合、これがもっとも中国人が考える北京の感覚に近いかもしれない。
なので、もちろん伝統を重んじるような人たちは北京に行きたいと思う。またテレビ局、銀行、政府系の企業、大学、あらゆる最高の機関が北京にあるので、そういう意味もあってか北京を目指す人が多いと思う。
一方、上海に行きたい人は外資系で働きたいとか、もともと中国が好きではない、というか、もっと開けた都市に行きたいという、外国人肌の中国人が多い気がする。
そういう私は、実は、北京のほうが好き。だって、北京にいたほうが本当の中国を感じているような気がするし、おせっかい野郎が多いというのも特徴。
上海は文化面では東京に似ていて、あっさりしている。またお金も大好きでよく働く。ま、一概には言えないけれども、私は北京のほうが好きなのだ…(笑)
北京・上海に対する中国人の反応
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職業選択においていうのなら、
北京の場合、文化、芸術、教育、科学研究、IT、金融(管理)、起業など。
上海の場合、貿易、物流、金融(実行)、小売、外国買弁資本など。
スタイルを比較するのなら
北京の場合、外観はとてもきれいな都市。けれども、暗黙の了解によってできないことがたくさんある。なので、もし北京に住むのなら北京で数年くらしてこの街の感覚を理解しなければならない。
上海の場合、外観は一般的ですが、物事はスムーズに進みやすい。どこにでもルールがあり、新しく上海に来たものでも、このルールを簡単に覚えることができる。
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北京に行け!けど、もし仕事探すなら上海に行け!で、起業したいなら深センに行け!でもやはり総合的に考えて一番いいのは、経済発展していて、空気がきれいで、気候が良い、中くらいの都市だろうね。もちろん、中国にはそんな都市がないってことくらいわかってるさ。
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私は外国に住んでいましたが、中国に帰ってきてから、上海だけが秩序や社会性が保たれていると感じる。明らかに他の中国の都市とは違い、なんだか中国にいるのとは違うような感覚を覚える。
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私は北京人です。今16歳ですが、北京がやはり一番居心地がいい。以前、上海に行ったのですが、間違った場所にきたと感じたくらい。
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上海人は上海以外の中国をすべて田舎と考えているのに対して、北京人は北京以外の中国を草の根っこだと考えている。つまり上海人は高層ビルや外国人、また都市圏人口の多さから、上海以外は何もないと思っていて、北京人は自分たちが一番高いところにいると錯覚しているんだ。
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もしあなたの家庭が裕福でお金があり、教育も受けられるいわゆるブルジョワなら、上海に絶対に来たほうがいい。もし、投資や投機、ベンチャー企業などを作りたい。というように、1から自分自身で富を築きたいのならば、北京に来たほうがいい。
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もし北京が首都でなければ、北京と西安は同じくらいのレベルの都市だと思います。
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もし住むなら私は上海を選びます。なぜなら南方の気候は生活するのに適しているから。
もし仕事をするのなら北京を選びます。なぜなら首都だし、あらゆる情報の中心だから。
もし結婚するなら上海を選びます。上海人は自分の家を持っている。
もし旅行するのなら北京を選びます。北京は中国人にとっての歴史的な故郷と言っても過言ではないから。
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お金があり、しかも環境汚染を気にしない人で、友達とワイワイしたい人。そういう人は北京に行ったほうがいい。人々のムードはかなり濃く、人間関係を楽しむことができる。
同じようにお金があり、また将来における自分自身の発展や周辺の環境などを考慮している人で、割と静かな人なら、上海に留まっているほうがいいかもしれない。
上海は冷たい都市のように見えるけれども、いい言い方をすれば、理性的な都市。
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北京の場合、友達を作ろうと思ったらすぐに仲良くなれる。その代わりおせっかい焼き。けれども上海の場合、本当の友達を作ろうと思ったとき、ドイツや日本のように少々時間がかかるのが特徴。
以上いかがでしたか。簡単でしたが、中国語のサイトからちょっと調べてみました♩
以下、追記。(2018年7月31日)
中国で若者が大好きな5大都市が中国系のニュースサイトにでていたので、ご紹介することにする。以下を知ると、現在の中国人、つまり若い世代の人たちが中国のどの大都市に憧れているのか?という順位がざっくりわかるかもしれない。
中国人の若者が最も憧れる5都市、あなたはどれ?
上のURLによると、
5位 深セン
4位 広州
3位 武漢
2位 北京
1位 上海
となっていた。深センは科学技術や金融なども発達しており、また国際性のある都市として大人気。給料も高く、多くの若者が憧れる場所である。
また立地的にも中国南部最大の都市広州や、東アジアナンバーワンの金融都市香港が目の前にあり、中国人の間でも深センに住んでいるということはブランド的なステータスを得ることでもある。
それに、広州が嫌いな人はあまりいない。と言われるくらい広州は外のものを受け入れる器を持っている。例えば北京や上海は中国人同士でも好き、嫌いが分かれるけれども、広州があまり悪く言われることはない。また広州といえば、広東省(韓国のGDPに匹敵する)の中心都市であり、また広東語を守り続けていて、特に北方中国人から見ると、少し外国のような感じがする。と、よく中国人から聞くことがある。
私も広州の、誰でも受け入れるあの空気がものすごく好きだ。すべてを包み込んでくれるような、北京にはない雰囲気で、北京と広州はそういう雰囲気で言えばまったく対照的かもしれない。
3位の武漢はかなり意外。
(写真は、武漢)
重慶とか、大連とかがくるかな?と思ったら意外な武漢でビックリした。上のサイトによると武漢は、毎年100万人以上の大学卒業者を出すそうで、その多くが武漢に留まり仕事をするのだそう。また武漢は中国四代科学教育の中心都市(北京、上海、武漢、南京)としても知られているようで、武漢の景気もかなり上がってきている。GDPとしては中国の都市の中で8位だそうだ。
北京は中国1のブランド的な存在。ここに長い間いろんな時代の都があったことや、中国共産党がここにある。ということ、つまりフランスでいえば、不動のパリのような感覚なのだろう。
上海は、中国共産党誕生の土地。これは私もこの記事を書きながら知った。中国で上海と言えば、中国最大の都市であり、中国の中心部であり、給料も高く、金融、貿易、輸送、科学技術、国際経済などすべてにおいてトップの都市である。
私も上海に結構住んでいたことがあるけれども、日本とあまり変わらなくて正直、面白みを感じない。というのが本音なのだけれどね…。
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