多言語話者として現在海外の拠点から英語と複数言語を教えさせていただいているMULTILINGIRLです。twitterなどに動画(日本語以外の6言語を話している)も載せていますので気軽に絡んでください('ω')ノ
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さて、イタリアといえば、人によってそのイメージは違うかもしれない。ファッション、グルメ、芸術、サッカー、宗教。と、イタリアにはいろいろなものが混在している。またそんなイタリアの言語でもあるイタリア語は、そのほとんどが趣味として学ばれているというのはご存知だろうか。
フランスやスペイン語はその国際的地位や、人口の多さからビジネスで学ぶ人も多い。またドイツ語に関してはヨーロッパの経済大国という部分や、ドイツに多くの大企業があるため、就職に有利という点で、世界中で学ばれているわけである。
つまり、
・フランス語→フランス好きや、国際派、アフリカの人口の多さで学ばれている
・スペイン語→人口の多さで学ばれている
・ドイツ語→ドイツ好きや、経済的な理由で学ばれている
・イタリア語→イタリアが好きだから学んでいる人が多い
という感じではないだろうか?それは、アメリカで人気な外国語をみても分かると思う。
「アメリカにおける人気外国語TOP5。気になる日本語は何位?」
つまり、イタリア語の場合は、完全に趣味で学んでいる人が多いという部分をまず理解することが必要だと思う。
で、ビジネスでは使えなさそうなこのイタリア語。経済もいいイメージがないし、イタリア語って一体学んでいて何かメリットってあんの?と思っている人も多いはず。けれども、まず初めに言っておこう。
学んでおいて損をする言語というものなんてまずない。むしろ多くの人は、いろんな言語に手を出したりするものの、そのほとんどが中途半端に終わってしまって、結局その言語そのものを楽しめていないどころか、生かすことさえできていない。
という意味でも、ひとつの言語をある程度習得することによって得られるメリットは必ずあるはずだろう。
この記事では、イタリア語を勉強することで得られるメリットは何なのか?ということを、イタリア語を勉強している私の目線から書いていきたいと思う。
①イタリア語が話せる日本人が非常に少ない
(近代化してきているミラン市)
Reference Site
http://www.luxuryestate.com/blog/2014/06/new-improved-high-end-neighborhoods-milan/
イタリアという国はヨーロッパ好きの日本人からすると、フランスやドイツ、イギリスをイメージするときにも一緒についてくる国である。
そんなイタリア語は実は日本でそれほど多くは学ばれていない。
「受験者数を比較。英語、フランス語、中国語、韓国語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ロシア語、アラビア語」
受験者数でみれば、スペイン語よりも学ばれていない言語である。けれどもイタリアは人口6000万人も有する先進国であり、明らかに1000万人くらいの人口規模のスウェーデン語や、1700万人規模のオランダ語よりも、人口的に考えれば、お得な言語である。
また、もっと重要なのが、イタリア人にイタリア語で返事をすると素直に喜んでくれる点である。
先ほども書いたが、フランス語はフランスだけの言語ではない。今フランス語を最も話すエリアはアフリカだ。またフランス語の場合、アフリカ以外のマダガスカル、カナダ、太平洋諸島など、世界中の国を巻き込んだ言語であり、フランス人は外国人がフランス語を話してもそれほど喜ばない。むしろ、フランス語を話せて当然でしょ?という人もいる。
また日本人がフランス語を話した場合に、下手な発音だと見下されたという話しも聞く。
ドイツ語の場合、これまたドイツに出稼ぎにやってくる周辺国、特にスペイン人やイタリア人が一生懸命ドイツ語を勉強してドイツにやってくるし、ドイツの大学や、ドイツ企業に就職しようと、ドイツ語を勉強する人が多いため、ドイツ人は、日本人がドイツ語を話したところで、驚きもせず、またドイツ語が下手な日本人に対しては、日本人がドイツ語で質問したとしても、英語で返事が返ってくることがあるという話しもよく聞く。
でもイタリア語は違う。
イタリアは経済大国でもなく、フランスやスペインのように植民地支配した国がいまだに自国の言葉を使ってくれているわけでもない。そんなイタリア人に対してイタリア語で話すと当然喜び、イタリア語で返事をしてくれるどころか、イタリア人と仲良くなる。ということも、それほど難しくないということなのだ。
イタリア人は日本人のように言葉一つ一つに気を使うというよりは、身体で、表情で表現する人を重んじるため、そのように身振り手振りで片言のイタリア語を話してみてはどうだろうか。
②イタリアには世界レベルの長寿エリアがある
イタリアといえば、イタリアン(イタリア料理)でしょう。実はこのイタリア料理とは結構、最近確立されたものだったというのはご存知だっただろうか。
歴史をみてみると、フランスでは宮廷文化があったのでシェフが競い合って料理が洗練されていった。一方イタリアはただの田舎だったので、イタリア料理はなかなか洗練されなかったそうだ。
けれども、近代に入ってからフランス料理のように何か産業を作るために、イタリアが国をあげてイタリア料理を改良していったというのが現在のイタリア料理の確立に繋がったそうだ。
そんなイタリアは気候に恵まれている。北にはアルプス。南には暖かいビーチ(南はほぼ北アフリカなので…)。
そのためドイツなどとは違い、北は寒く、南は暖かいという、ふたつを同時に手に入れることができる。
イタリアの南部には、チレントという地区があり、ここにはセンテナリアン(100歳以上生きる人たち)が多く住んでいる。
こういうところから学べることは多く、イタリア語を理解できると、イタリア旅行がスムーズにできるだけでなく、人生での最大の関心事の一つでもある健康と食、生き方について学ぶこともできる。
③イタリア人が伊太利亜にこだわる理由
イタリアは、ほかのヨーロッパの国にはない地形を持っている。ブーツのように細長く、海に囲まれている。誰もが欲しがるあの地中海の大部分を手にしている。また、北部のほうをみるとわかるのだけれども、山でほかのヨーロッパとは塞がれており、自分たちは特別な存在だと感じている。
そんなイタリア人はフランス人に負けないくらい自国に対してのプライドが高いと言われている。彼らは日本人のように、国のGDPが高いから凄いという考えはなく、日本人と似ている部分があるとすれば、伝統を重んじる部分だ。
つまり、伝統に関しては結構うるさく、日本の伝統産業はイタリアで成功する潜在があると言える。彼らのもの作りに対する情熱というか、そのプロセスを知りたがる国民性と言われ、そういう意味で日本人と共通するものを持っていると言えるだろう。
④イタリアにバチカンがある意味
このイタリアにはバチカンがある。というのは、つまり、どういうことなのか?西洋国家のほとんどは、キリスト教徒だ。
例えば、日本人に根付いている神道の象徴みたいなものが、天皇陛下なわけだけれども、西洋国家で象徴となる人物といえば、ローマ教皇しかいない。つまり、イタリアのローマにあるバチカンは、キリスト教徒であれば、誰もが行ってみたい場所であり、そんな国で話されているイタリア語が話せること自体、その人にブランド的な価値がつくというわけだ。
これはフランス語が話せる人にブランド的価値がつく現象に少し似ている。
ドイツ語やスペイン語が流暢でもそれほど、凄い。っていうふうにはならないが、フランス語やイタリア語だと無条件で、ファッショナブルとか、お金持ちそう。とか、その人のブランド価値を引き上げる力を持っていると私は思う。
世界の主要言語の中でも特に、
・フランス語
・アラビア語
・イタリア語
は、その人のブランド価値を上げる不思議な力があると思う。(私の勝手な想像)
いずれにしても、イメージとしては人口規模が理由で学ばれているスペイン語よりも、イタリア語のほうがブランド価値は高いと思う。
なんていたって、ローマ法王だってイタリア語が話せるからね…。
⑤イタリア語に1番近い言語はスペイン語
(美しいトリノの景色)
よくイタリア語ってフランス語とスペイン語どっちに近いの?って話題になることがある。で、英語圏で色々調べてみると、フランス語よりもスペイン語に近いようだ。
最近スペイン語はスペインの言語と言うよりも、アメリカのカリフォルニア州をはじめとする多くの州や、メキシコ、中南米の言語として認知されている。
そのためか、スペイン語を勉強したほうが有利なのではないか?と迷ってしまう人が多い。もちろんスペイン語を学習することにはメリットもたくさんあるでしょう。
けれども、イタリア語をマスターするくらい頑張って、イタリアという第二の故郷を手に入れるということも、捨てがたい。イタリア語が分かれば、スペイン語で書かれたものは、ある程度読めるようになることからも、
スペイン語、イタリア語、どちらを学ぶか?という判断に迫られる人が非常に多い気がする?
世界の多くの国で使用されているスペイン語を学んでイタリア語をある程度読めるようにするのか、イタリア語を学んでスペイン語を読めるようにしておくのか、どっちを選ぶのかは自分次第。
⑥イタリアと韓国の関連性
ある意味、朝鮮半島のようにイタリアも半島だ。韓国では韓国とイタリアは似ていると思っているものさえいる。また人口にしても、
・イタリア=6000万人
・朝鮮半島は=7400万人
と似通っている。国家としてこれくらいのサイズが好きっていう人にはちょうどいい国である。また、よく韓国人は情熱的と言われるけれども、そういう点でイタリアと韓国には共通点があるとも言われている。
一方で上でも述べた通り、イタリアは日本のように職人文化が根付いている国でもあり、伝統や家族を重んじる国である。特に、モノづくりに対してとても熱心な国であり、イタリア製のものしか買わないというくらい、イタリアの手作り製品に夢中な人もいると聞く。
ここで強調したいのはやはり結局言語を学んでも自分が一生のうちに使う頻度や、使う相手の数は限られているのだから、言語人口が多いスペインではなくても、イタリア語でもいいのでは?ということだ。
また余談だけれども、イタリア語の Chao! という表現は非常に便利で、
・はじめまして
・こんにちは(朝昼晩)
・バイバイ
などいろんな意味で使え、この点は韓国語のアンニョン(安寧)と似ている。アンニョンも上記3つの意味で使えるからだ。
⑦話す言語によって人は変わる
私が今まで多言語を学んで感じるのは、外国語を話すと自分が変わる気がするということである。コアな部分は変わらないけれども、話し方や態度は確実に変わる。
たとえば、中国語を話すときは、中国人に負けないくらい強くいようっていう気持ちになるし、英語を話すときは、よりロジカルに伝えようという普段の自分とはちょっと違う性格になり、韓国語を話すときは、話す相手は親しい人ばかりと言うこともありちょっと甘えたな感じになる。
またアラビア語のを話したり勉強しているときは、国際政治をもっと知ろうというふうな自分になる。正義感に駆られるというか…。
なので私はそのときの学ぶ言語によって話題にするブログの記事の種類も変わる。
で、現在イタリア語勉強中の私は、料理とファッションに目覚め始めてきてる。私はもともとファッションなんて興味がないのに…。なんでしょう。自分でもびっくり。
これは、学ぶ言語によって、その文化を知ろうとする動きなのかもしれない。つまり、話す言語によって自分にとっての関心事も変わってくるわけだ。
ということはイタリア料理を勉強している人は当然イタリア語を勉強したほうがいい。
⑧イタリア語と日本語の発音が類似している件
・イタリア語(シラブル・タイミング)
・英語(ストレス・タイミング)であり、日本語は一つ一つ発音するのに対して、イタリア語は音節ごとに発音するため、日本語とものすごく似ているわけでもないのだ。
けれども一つ言えるのは、英語のように、ストレスのかかる部分だけをきちんと発音し、それ以外の部分は緩く発音するといった日本人に一番苦手な部分はこのイタリア語にはなく、しかも、母音の種類も日本語のカタカナとほぼ対応できるので、スペイン語と同様、イタリア語は発音するうえで、日本人にとってはおいしい言語である。
Italian phonology
⑨イタリア語の勉強方法
私が考えるイタリア語を学ぶ始めるステップとしては、まず友達を作ることである。これが手っ取り早い。というのも、かなり踏ん張らないと、一人では2年も3年も勉強できないものなので、まず友達を作ることをお勧め。イタリア語を学んでいる共通の友達でもいいし、イタリア人の友達でもいいので、とにかく仲間を探そう。
たとえば、meetup に参加して、イタリア語系のイベントに行ってみるとか。イタリア料理系のバイトをやってみるとか、アパレル系でイタリアのブランドなどでバイトしてみるとかという方法もある。
こういうところには同じくイタリアが大好きな人がいたりする。また、フェイスブックとは使い方さえ間違えなければ非常に便利なもので、イタリア語を勉強している日本人同士の交流がしたければ、このようなグループもあるし、
・イタリア語を勉強している(したことがある)日本人と日本に来たいイタリア人のコミュ
イタリア人の友達が直接欲しければ、1万人以上も加入しているこんなグループもある。
・Giappone per tutti - Consigli di viaggio
・Giappone: viaggi, vita e amicizieこのように探す場所さえ間違えなければ、日本好きのイタリア人を簡単にゲットすることができるのだ。(私は結構ゲットしちゃったよぉ~♪)
⑩最後に、まとめると
まずイタリア語を話せると、その人のブランド価値が上がる。つまり周りから少し見られ方が変わるということだ。これはフランス語が話せるというのに少し似ている。
また、スペイン語、フランス語など、世界を巻き込んでいる言語とは違い、イタリア語を学ぶことで、イタリアを第二の故郷のようにできる。
そのうえ、イタリア語は、発音が簡単で入りやすく、イタリアには日本人が好きな芸術、職人、料理、音楽などがそろっているため、モチベーションが低下しにくいと考える。
もう一つ言えるとしたら、スイスの人口の8.4%はイタリア語を話すので、イタリアだけでなく、スイス南部でも通じるということだろうか。
Languages of Switzerland
いずれにしても、イタリアを愛しているなら、ぜひイタリア語の挨拶フレーズレベルくらいは覚えておこう。
以下の会話本もお勧め。
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