アラビア語(セム系言語)

ヘブライ語を勉強するメリット、需要、重要性

2020年12月4日

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ヘブライ語を勉強するメリット、需要、重要性

2020年12月4日

アラビア語や、ペルシア語、 ヘブライ語を勉強しているというと、不思議な目で見られることがある。

何?あんたスパイなの?と言わんばかりの目…。おそらく日本人の多くは、ヘブライ語と聞いてもどこの言語か分からないだろう。

東アフリカのスワヒリ語のように、アフリカの言語と思っているかもしれない。そんなヘブライ語はイスラエルの公用語だ。つまりユダヤ人の言葉である。

この記事ではそんなユダヤ語とも言えそうな、ヘブライ語を学んでどんなメリットがあるのか?という事や、ヘブライ語にまつわる雑学的な部分も見ていこうと思う。

 

①イスラエルの公用語と、アラビア語との関係

まず分かり易く言うと、ヘブライ語が話されているイスラエルという国は、ヨーロッパを中心に世界に散らばったユダヤ人たちが、もともとそこにあったパレスチナというイスラム教の国を占領するかのように、1948年5月14日に建国した国である。

聖書からも分かるように、もともとそこにはユダヤ人の国があった。なので建国してから、最近までイスラエルでは、ユダヤ人の言葉であるヘブライ語以外にも、アラビア語も公用語だった。けれども、2017年5月、数年前から議論されていたアラビア語の公用語的地位を廃止する法案が承認される。

で、ここで注目したいのは、私が実際アラビア語を5年以上学び続け、現在はアラビア語中級レベル、ヘブライ語の初級入門レベルを教えることに携わりながら思うことは、ヘブライ語を知れば知るほど、アラビア語に非常にそっくりという事である。

日本人で、ヘブライ語もアラビア語も同時に勉強している人は少ないので、今まで私はそういう体験談をあまり読んだことはなかったが、自分で勉強してみると、やはり、ヘブライ語もアラビア語も、やはり同じアフロ・アジア語族(言語系統)の、セム語派なんだなと感じる。

これはスペイン語とイタリア語が、インド・ヨーロッパ語族(言語系統)のロマンス諸語であるのと同じである。

つまりアラビア語をある程度理解すれば、ヘブライ語に入るのは非常に優しく、逆も然りである。

 

②実はヘブライ語は、新しい言語である

まず、ヘブライ語には二種類ある。古代、パレスチナに住んでいたヘブライ人が母語として用いていた言語古典ヘブライ語(つまり聖書に書かれているヘブライ語)と、現在イスラエル国で話される現代ヘブライ語とがある。

古典ヘブライ語に関して言えば、ユダヤ人が世界離散(ディアスポラ)したころから次第に話されなくなり、後の時代の離散したユダヤ人は、かわってアラビア語・ラディーノ語・イディッシュ語などの諸言語を日常的に用いて暮らしていた。

なので、厳密にいうと、現在イスラエルで話されているヘブライ語は昔から使われていた言語ではないという意味である。

その後、シオニズム運動(世界に散らばっているユダヤ人が元々聖書に書かれていた地に戻って国を建国しよう!)によって、イスラエルという国が出来たときに、世界に散らばったユダヤ人をまとめるために、古典ヘブライ語をもとにして作られた。と考えれば分かり易いかもしれない。

この偉業を成し遂げたのが、ロシア帝国からパレスチナに移住してきたユダヤ人、エリエゼル・ベン・イェフダーである。

そして、上にも書いたけれども、2019年時点においても、イスラエルにおける民族構成の20%はアラブ人である。そう。ここはもともと最近までパレスチナであり、アラブ人の土地だったのだから。

ということもあり、現代ヘブライ語というのは、アラビア語の影響をかなり受けている。また、同じセム語族なのでそもそも昔から多くの単語を共有していた。とも言えるだろう。

ちなみにアラビア語の影響はすさまじく、ペルシア語、スワヒリ語、ヒンディー語・ウルドゥー語の単語、そしてスペイン語の高級語彙にたくさん使用されている。

「アラビア語を勉強するメリット、需要、重要性」

話はヘブライ語に戻って、一つ確かなことは、話し言葉として何千年もの間使われていなかったヘブライ語が、古典ヘブライ語を元に、現代ヘブライ語を作ったことは、奇跡に近い事であり、他に前例を見ないことなのではないだろうか。

 

 

③これからの時代、話者数は重要ではない

ヘブライ語の話者数は、600万人~700万人ともいわれたり、1000万人程度と言われたりもする。イスラエルには、ロシア語やアラビア語を家庭で話す人口も多いので、イスラエルの人口=ヘブライ語の人口とはならないのは注意。とはいっても、ほとんどの人たちが第二言語として話す事が可能と言われている。

日本人が勉強する主要言語である中国語やフランス語、スペイン語に比べてこの数字は非常に少なく思えるかもしれない。

けれども、ヘブライ語を話せる日本人は本当に一握りであることを考えると、それを商機にしようか考えるのは自分次第であり、また何も言語を商機のためだけに考えるのではなく、

ユダヤの教えが好きだからヘブライ語を勉強してみる。などという理由でもいいだろう。英語がある程度日常会話程度の3000単語で話すことが出来るのであれば、

「世界では常識?日常英会話の90%以上は、OXFORD 3000単語だけで十分な理由」

第二外国語は、自分の好きな言語に熱中するのがコツである。そうすることで語学以外の部分で多くの歴史を知るきっかけになったり、考え方を変えていくことに繋がることもある。

また普通の日本人じゃ繋がれない人と、信頼を構築できるチャンスでもある。

そう考えると、交流するつもりもないのになんとなく人口多そう、ヨーロッパで使えそうと、下手にドイツ語やフランス語を勉強するよりはいいかもしれない。

ヘブライ語だけでなく、英語以外の第二外国語は自分次第で、新しい世界を自ら開くことが出来る。

「フリーになって分かった、英語よりも自分の好きなマイナー言語を学ぶべき理由」

 

④ヘブライ語に特徴的な音

言語を学んでいく上で楽しい事の一つは、新しい発音を習得できる瞬間である。英語と言えば、鼻にかかったような喉からでてくるRの音であったり、中国語であれば、巻舌のShi, Zhi, Chi だったりするのだけれども、ヘブライ語の場合は、ドイツ語の、Ich(イッヒ=私は。の意味)にある、ヒの音のように、喉の奥をこすって鳴らすようなハヒフヘホの音がある。

この音は、これらの文字【ך】【כ】【ח】で表すことが出来る。

ヘブライ語はこの音が特徴的であるため、私の生徒さんはこの音を一生懸命出そうと楽しんでいる。

また、フランス語にあるような、口蓋垂(のどちんこ。のこと)を風で振動させて発するR【ר】の音も、このヘブライ語に入っているので、より楽しめるだろう。

ヘブライ語の発音を学ぶことによって、フランス語のRも、ドイツ語のCHの音も同時に学べるというわけだ。

とはいっても、更に変わった発音を習得したい場合、やはりアラビア語である。アラビア語とヘブライ語は同じセム語族だけれども、ヘブライ語の発音はほぼアラビア語にあるものであるのに対して、アラビア語にはヘブライ語にはない発音が5つ以上はある。

つまりヘブライ語の発音はそれほど難しくない。ましてや、ヘブライ語の母音(あいうえお)は、英語のように母音が日本語と全く変わることもないので、ヘブライ語の発音は日本人にとっては比較的簡単であると言えるだろう。

 

⑤中東におけるイスラエルの存在感

今度、中東情勢がどのように変わっていくかは分からない。けれども、事実としてイスラエルは周辺国との国交正常化を加速しているし、対イランで、アラブ全体とさらに緊密になっていくかもしれない。

今までは行けなかったドバイからテルアビブの便が出来るなど、イスラエルの存在感はこの中東の国々の中でますます上がっていくような気もする。

また、イスラエルは中東で唯一の民主主義国家であり、周辺のアラブとは全く違う空気を持っている。日本ですらまだそれほど受け入れられていないLGBTなども、ここイスラエル最大の都市テルアビブでは、世界でも5本の指に入るほどの聖地となっていることや、イスラエルの最新テクノロジー、スタートアップなどが盛んなこともあってか、中東のシリコンバレー的な地位も得ている。

いずれにしても、ヘブライ語の人口は少なくても、少し知っておくだけでイスラエルで多くの繋がりを作れることは間違いない。

 

⑥決して外すことのできない宗教

世の中は宗教で動いていると言っても過言ではない部分がある。世界の代表的な宗教と言えば、同じ神を信じている3つの宗教(ユダヤ教・キリスト教・イスラム)と、多神教を信じる、仏教・ヒンズー教などに分かれる。

上の三つはそもそもユダヤ教から始まったので、キリスト教徒やイスラム教徒でさえ、ユダヤ教の時代に書かれた旧約聖書を読む。宗教好き、特にユダヤ教に強いこだわりを感じる人にとっては非常に喉から手が出るほど欲しくなる言語である。

また、アイシュタインのように、発明家や偉業を成し遂げてきた人の多くにユダヤ人がいる。言うまでもなく、世界の大富豪にはユダヤ教徒が多いのも事実。

「大富豪上位8人(そのうち半数はユダヤ人)だけで、世界人口の半分以上の純資産を持つ現実」

スペイン語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、英語、オランダ語などを同時に学んだからと言って、同じ言語系統、同じ宗教観。これじゃやっぱりつまらないだろう。

それだったら、英語・ヘブライ語・中国語の組み合わせのほうがいい。

 

⑦ヘブライ語を楽しめるサイト

私はユダヤの教え、特にタルムードの格言的なものが好きなので、以下のようなサイトはかなり時間を忘れて楽しむことが出来ている。

twitter でも紹介したので是非、ご参考に( *´艸`) 私はこの本をいつも大切な人にお勧めしている。インターネット上でも見れるものもあるが、日本語ができるユダヤ人が書いている以下の文庫の方を1ヶ月ほどゆっくり時間をかけながら読むのがお勧め。

<新版>ユダヤ5000年の教え(小学館新書)

また、ヘブライ語に耳慣れしたい場合、以下のチャンネルをお勧め。3分程度の内容もある。イスラエルの公共放送(IPBC)のチャンネル

כאן חדשות

⑧マルチンとヘブライ語交流したい方

現在、以下の外国語フレーズ3ヶ月コースでも、ヘブライ語の基本挨拶フレーズとともに、文字を習得していくサービスも追加済。現在、ロシア語の生徒さんと、ヘブライ語をヘルプ中。

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