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韓国人はなぜ近距離で話す?パーソナルスペース(プロクシミクス)が広い国と狭い国 TOP20

2015年11月26日

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韓国人はなぜ近距離で話す?パーソナルスペース(プロクシミクス)が広い国と狭い国 TOP20

2015年11月26日


日本のエレベーターの中が異常に緊張する人、結構多いのではないだろうか。特に男性の場合、近くに女性がいたら、別に性的には何も魅力を感じてもいないにもかかわらず緊張しているのは、自分の危険が脅かされているからという強い衝動に駆られているからなのかもしれない。と私はよく思うことがある。

また女性の場合は、セクハラをされたらどうしよう。と思うだろう。特に日本では、性犯罪が他の国に比べて少ない分、セクハラや痴漢が多いといわれている。

これは社会が作り上げた日本人男性特有の問題かもしれない。

一方、男性も女性に嫌悪感を感じることももちろんある。

私のようなオカマは例外かもしれないけど(外は普通の男性だけれども)、近くに女性がくっついてくるのは非常に不快である。(満員電車の中では特に、男性は私に寄りかかってこないのに、女性は平気で寄りかかってくることがあるので…)

一部には、女性だから何でも許されると考える層がいて、見た目的にそういう人に限って、私に寄りかかってきたりする。


けれども私の場合、これが韓国や中国だと、この緊張がグッと下がる。むしろ安心感さえ覚えるというか、嫌な感じが全くしない。

実はこれ、日本ではあまり話題にならないけれども、英語圏ではよく話題になっており、「なぜアルゼンチン人はあんなにぶつかってくるのか。」というような内容で、話題になる。

ちなみにアルゼンチンという国は、南米にありながらも、国民の多くがヨーロッパ系の白人であり、南米のヨーロッパとも比喩されたりすることがある。

にもかかわらず、白人の世界からは見下しの対象になることがあるという…。

「欧米人がロシア人やアルゼンチン人を見下す理由」

 

①パーソナルスペースが広い国と狭い国

順位国名cm
1アルゼンチン77cm
2ペルー80cm
3ブルガリア81cm
4ウクライナ86cm
5オーストリア88cm
6スロバキア89cm
7ロシア89cm
8ギリシャ91cm
9セルビア92cm
10イタリア93cm
11中国116cm
12香港116cm
13コロンビア117cm
14エストニア118cm
15パキスタン120cm
16ウガンダ122cm
17トルコ123cm
18サウジアラビア127cm
19ハンガリー131cm
20ルーマニア140cm

ここには韓国や日本という国名は出てこない。調査対象には入れてもらえなかったのだろう。このランキングが掲載されていた、イギリス紙のテレグラフだ。

Why do Argentinians love invading your personal space?

この数字から読み取れるのは、アルゼンチン人がパーソナルスペースを一番気にしない国民性だということがわかる。

またブルガリア、ウクライナ、スロバキア、オーストリア、ロシア、ギリシャなどの東欧の国々もこの傾向にあるようだ。

サウジアラビアのようなイスラム系国家は、相手との距離があることもわかった。

また同じアジアの国でもある中国人。なんと、イタリア人と相手との距離間があまり変わらないということにも驚いたのではないだろか?

無論、私は中国に住んでいたので驚いてはいないが…。むしろ、中国人男子が私の近くに立ってきた時、ドキっとしたくらい( ´艸`)

 

②日本人が思っているほど、西洋人はパーソナルスペースを気にする

こちらの表はもっとわかりやすいが、拡大しても文字が鮮明ではないので、読み取りづらい。

左側から、「利害関係のある社会的距離」、「知人との距離」、「親密な相手との距離」に分類されている。国ごとによって、TPO(ティーピーオー)別で相手との距離が違うことが分かる。

特に日本人は、アメリカ人ってオープンでフレンドリーだから相手との距離も近いと思っているのではないだろうか。アメリカ人はイギリス人よりも、社交的な相手との距離を取っているという結果になっている。

その中でも、極端な例がドイツ人である。ドイツ人の場合、社会的距離はアメリカと変わらないのに、親密な相手との距離は、グッと縮まる。

これはアメリカ人がドイツ人を考察するときによく話題になる。なぜ、ドイツ人はあんなに距離が近いの?って…。

「日本人はどっちに似ている?ドイツ人とアメリカ人の違い TOP20」

また、お隣の韓国は、アジアの国々で一番社会的距離が近い。そしてこの表でも日本の社会的距離は書いていなかった。

③日本語におけるパーソナルスペース

英語圏、日本語圏の両方で検索をかけても、なぜか日本の距離データはみつからなかったけれども、個人的には日本人こそがルーマニアなどと同じで世界でも一番パーソナルスペースを気にする民族だと思っている。

それは韓国・中国・アメリカ(カナダ)・フランス(イギリス)を訪れた私が感じることだ。

残念ながら、日本におけるパーソナルスペースの情報は、英語圏にはそれほどなかったが、多くの外国人が大まかな概念で日本人同士のパーソナルスペースが狭いと決めつけていることが分かった。

けれども、以下の記事は私も頷ける内容だったので紹介しよう。

A community built resource for cross-cultural etiquette and understanding

日本では腕一本分くらいの距離を保つことが良いとされている。けれどもこれは、お互い知っている場合である。腕一本分は、250フィート(76.2cm)~300フィート(91cm)と仮定。けれども、これが初対面や、他人であった場合、その距離はもっと広くなる。

この数字を見る限り、ルーマニアくらい日本人のパーソナルスペースも広いと感じる。

しかし、注意しなければならないのは日本は都市に住むものが多く、電車やスーパーマーケットなどで日々、人とくっつかざるを得ない生活をしているのが日本人である。

そのこととだけを取り上げて日本は人と人との距離が近い。とだけ論ずるものも多く、実際に他人と話すときのスペースは取り上げない場合が多い。

④韓国に来る外国人が驚く韓国人のパーソナルスペース感覚

日本人で韓国に旅行に行くものは多いが、長期間住んでいるものは少ない。私は2年ほど韓国に住んだ時期があり、旅行者ならみないような光景をいくつも見てきた。

その中で一番、日本との違いを感じたのが、韓国人は相手が誰であろうと、ものすごく距離が近ということだ。

もちろんこれは同性代の同性の場合が多い。以下の記事にも書かれているのだけれども、

Stepping into a completely foreign culture is one of the most challenging aspects about life in South Korea, but fear not, we will do our best to help you overcome the culture shock.

韓国は地理的に狭く、ソウルのような大都市は人が多いため、常日頃から人と人との距離が近いと論じている。けれども問題はそこではなく、日本人と違い、相手が自分のパーソナルスペースに入ってきてもあまり気にしないのが韓国人なのである。
つまり、私は韓国がアジアにおけるアルゼンチンの感覚に近いのではないか。と思ったりするのだ。

たとえば、日本では見知らぬ人の肩を触るのは、絶対にできないけれども、私は韓国でよく通勤ラッシュの時に、エスカレーターで上がるときに1人だけ片方側に立っていたので、そのオジサンの肩を触って横にやったことがある。

けれども、韓国に住んでいると、このように勝手に人を触ってもいいのだという意識が生まれて無意識のうちにやるのだと思う。

⑤韓国では「パーソナルスペース障害」という言葉まで生まれている

ある大学教授の英語で書かれた記事を「コリアタイムス」の英語版で発見。この内容をざっくり書くと、

ソウルと東京は都市圏人口はあまり変わらないのに、韓国では地下鉄などでぶつかったりしても謝らない(特に若者や大人の女性)は異常だ

ということを主張している。

Personal space disorder By Chang Soon-hee

欧米でも人にぶつかったら必ず謝るのが当たり前なのだけれども、なぜか韓国ではこの大学教授が指摘するように、謝らない人が多い。日本人であれば、ごめんなさい。とは言わなくても、頭を下げて自分が悪かったということを認める行動を取ることが多いだろう。

韓国で生活をしたことのある人と気づくかもしれないのだけど、電車に乗ってほかの人を見たりするのも、日本にいるときと違って抵抗がなくできるようになる。

アイコンタクトについてはまた別のジャンルになってしまうけれども、こういう比較は非常に面白いと感じる。以前、以下の記事にまとめたことがある。

「誰も教えてくれない、韓国に住んで私が感じた日本では体験できない不思議な行動パターンTOP10」

で、話は戻って韓国人がぶつかってもあまり謝らないのは、現地の韓国人がお互いに何も気にせずに他人を見つめたり、ぶつかったりしている文化がもともとあったからではないか。とも思う。目上の人の目を見るのはいけないことだけれども、韓国人は仲良くなるとパーソナルスペースがグッと縮まるお国柄でもあるので。

この大学教授は日本に留学したことのあるようなのだけれども、英文の記事の中で、異常なパーソナルスペース障害について、その異常さを訴えてる。

 

⑥動物にすら存在するパーソナルスペースという観念

この記事では、パーソナルスペースという言葉をたくさん使ったけれども、これを簡単に表現すると、上の図の中心が自分の立っている位置だと仮定して、自分と相手との距離がどれだけあるか?ということである。

ちなみに、こういう研究分野をプロクシミクス(近接対人空間学)という。

GOO辞書をお借りして説明すると、

人に近接した空間領域の文化的研究。他人との距離のとり方は意思の伝達手段の一つで、お互いの親密度や属する文化によって異なるというもの。1960年に米国の人類学者E=T=ホールが提唱。近接対人空間学。

となっている。

オレンジ色の部分、半径45cm あたりまでは、自分の空間(パーソナルスペース)と呼ばれている。以下、ウィキペディアの「パーソナルスペース」からの抜粋だけれども、

 

■密接距離

ごく親しい人に許される空間。

近接相(0〜15cm)

抱きしめられる距離。

遠方相(15〜45cm)

頭や腰、脚が簡単に触れ合うことはないが、手で相手に触れるくらいの距離。

個体距離

相手の表情が読み取れる空間。

近接相(45〜75cm)

相手を捕まえられる距離。

遠方相(75〜120cm)

両方が手を伸ばせば指先が触れあうことができる距離。

■社会距離

相手に手は届きづらいが、容易に会話ができる空間。

近接相(1.2〜2m)

知らない人同士が会話をしたり、商談をする場合に用いられる距離。

■遠方相(2〜3.5m)

公式な商談で用いられる距離。

■公共距離

複数の相手が見渡せる空間。

近接相(3.5〜7m)

2者の関係が個人的なものではなく、講演者と聴衆と言うような場合の距離。

遠方相(7m以上)

一般人が社会的な要職にある人物と面会するような場合におかれる距離。

このように区別できるようだ。

これは動物でも同じで、人間が猫の近くに寄ってくれば逃げたりする。けれども猫が相手の人間を親密な関係と認めているときは近寄っても逃げないのである。

 

⑦日本と韓国の違いはただ一つだけ

日本は東京・関西などの大都市圏を中心に、多くの人が普段から電車、公共の場で狭苦しい思いをしている。お隣の韓国も同じで、ソウルも世界有数の大都市圏であり、国の半分以上の人口がソウルに集中しているため、公共の場において一人当たりのパーソナルスペースは狭いということになる。

「東京とソウルどっちが大都会で国際都市?!」

日本の場合、電車の中で目のやりどころに困ったり、誰かが触ってきたとか、ぶつかってきたとか、新聞の音がうるさいなど神経質になったりする人が多い。

電車の中で新聞を広げる人、開くドアの前に寄りかかっている人、見てもいないのに、見られた。のような態度を示してくる見知らぬ人。など、都会に住んでいると色々な場面に遭遇する。

日本では、他人に迷惑をかけてはいけない。という教えもあってか、他人に迷惑をかけるような相手を徹底的に攻撃するきらいがある。筆者の私も結構そうだったりする。

つまり日本では、無意識のうちに自分のパーソナルスペースを主張しているのだ。

私のパーソナルスペースに入ってこないで!って。

一方、韓国は日本よりそれが強くない。ぶつかってもくっついても、あまり日本人のように嫌な顔をしてこないのだ。

やはり、これは歴史的な背景があるのとしか思えないのだ。こういう文化の違いがまた面白い。今後も、研究していきたいと思う。( ´艸`)

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