無知な事ほど怖いものはない。私は約数ヶ月前にウクライナにいた時、まさかノヴォシビルスクに行くとは想定すらしていなかった(恥ずかしながら、ロシアといえばモスクワとサンクトペテルブルク以外に何があるの?と思っていたので・・・)。
ロシアは広いが一部の大都市で十分と思っていた。けれども今回、ウラジオストク、イルクーツク、ウランウデ、そして現在ノヴォシビルスクでこれを書いているが、地図を眺めてもその位置すら全然知らなかった街に1ヶ月近く留まるとは想定すらしていなかった。
つまり何が言いたいかというと、このノヴォシビルスクという街。非常に快適だということを体験しているのである。現在ノヴォシにあるタワマンの20階あたりから街の景色を眺めながら執筆中(笑)
この記事では1ヶ月Airbnbでアパートを借りて住んでみて、この都市を毎日歩いてみて感じた事、生活する上での情報を私なりに簡単にまとめていきたいと思う。
このブログで使っているスクリーンショットには以下の素晴らしい動画の一部があるので、動画も貼り付けさせていただく。多分、この動画みただけでノヴォシビルスクに対するイメージは一瞬に変わってしまうかもしれない。
さて始めよう。
①ノヴォシビルスクが、何もないよ。と言われる理由
まずノヴォシビルスク(日本語では「ノボシビルスク」とも書く)とは人口的にロシア第3の都市であり、人口は150万程度。この程度なのだけれども実質的にシベリアの首都である。私もそうだったが、来る前はこれといったイメージのない都市であり、すぐに忘れられてしまう名古屋のようなのである。
モスクワやサンクトペテルブルクなどの華やかなイメージのある大都市に比べ、ヴォルガ川を越えた、ウラル山脈を越えた、極寒の地にあるシベリアというイメージ。これは夏のノヴォシビルスクに来ると一瞬でそのイメージが吹っ飛んでしまう。
実際、ノヴォシビルスクよりも更に北東に位置し、世界で一番極寒とも言われているサハ共和国のメル友には、
「ノヴォシビルスクは何もないよ。」とまで言われたし、
英語やロシア語で情報を収集していてもノヴォシビルスクはシベリアで1番の大都会のみならず、ロシアで3番目に大きな都市だけれども、みるところは動物園くらいしかない。ということも調査済み。
ノヴォシビルスクには、特にシベリア特有の民族が多く住んでいるわけでもなく、モスクワのような多民族都市でもなく、サンクトペテルブルクのようにパリを彷彿させるような華やかさもない。日本人からすれば、日本から一番近く極東地区(シベリアはロシアの真ん中の方なので極東とは違う)最大の都市、ウラジオストクのほうが目につきやすい。
つまり、ノヴォシビルスクはまだ日本人にとって目立たないけれども、結構静かに数ヶ月間暮らしたい人には向いている都市だという事。他のシベリアの都市よりもインフラが整っており、ノマドとして仕事をするには結構便利な場所。その1番の理由は物価の安さではないだろうか?
②物価の安さを比較してみる
まず、最初に思いつくモスクワと比較してみた。いつも参考にさせてもらっている「https://www.numbeo.com」というサイト。このサイトでロシアの大都市を比較してみると、モスクワよりも、37%も全体の物価が安く、サンクトペテルブルクよりも20%ほど安いとでてきた。
もちろん住む地区にもよるのだけれども、ノボシビルスクでは私のように中心部にタワマンを借りても7万円くらいで借りれる。モスクワだと郊外に出ないとこの価格では借りれない。また借りれたとしても、12万くらいする感じ。イルクーツクやウラジオストクには、逆にタワマンなどが市の中心部には全然ない。
食べ物の物価はロシアのどの都市もあまり変わらないので、住宅だけみると、いいタワマンに住んで近くの高級スーパーで買い物したい人にはものすごく理想的なノボシビルスク。中心部もこじんまりとしていて移動も結構楽。
一週間試し住みしてみて気に入った部屋
ホストがドイツ語話すのだけど、それに触発されて最近私もドイツ語脳育ち始めてきてる笑
利便性が良すぎて私の中でシベリアのシンガポールになり始めてる笑
ちなみに生徒さんの一人が、今日ウラジオストクに到着する予定。行動力凄っ😵 pic.twitter.com/0sPUp6sRNA
— MULTILINGIRL🌳20言語勉強中のノマド (@_multilingirl_) July 18, 2021
私が借りているこの部屋は、月割りで6万円ちょっとくらいだった。パソコン作業に疲れたらベランダから外の景色を見ることができるので、ストレスが溜まりにくいのがタワマンの良いところ。
③ノヴォシビルスクに来てわかった、二つの地区の違い
ノヴォシビルスクの地図を見ると、地図上に「ノヴォシビルスク」と書かれてあるほうと、「ツェントラリニ ライオン」と書かれているほうに分かれている。私はどちらとも同じように栄えているのかと思ったら、それは違った。この川を挟んで南側の大きい丸はほとんどが住宅街であり、ノヴォシビルスクと書かれてあるところにいくつかのショッピングセンターが集まっている。
とはいってもその周辺が地下鉄駅の最終駅なので、札幌でいえば新札幌のような感じがある。つまりそこ以外は全て、フルシチョフカなどの低層住宅しかない。
そしてその下に、イケアと書かれてある場所は、ノヴォシビルスク最大の大型ショッピングモールを兼ね備えた複合施設である。とはいっても地下鉄駅からは歩いて2km 以上あるので、車かバスを駆使しないといけない。
以下の写真を見てもわかるように、5階建てくらいのフルシチョフカばかり。フルシチョフカと贅沢なほど広い庭。ここが日本とは全然街の設計が違うということがわかる。ずっと同じ景色が続いているようなのが、まさに川を挟んで南である。
これらの街並みを見てもわかるように日本ならこれら5階建ての低層住宅が縦になって建っていて、こんなに庭もないので、人口密度が高くなるが、ノヴォシビルスクの南側は一人当たりの面積が非常に広いことになる。
一方、ツェントル(川を挟んで北)の方は、色々な性格を持ち合わせた地区がひしめき合っている。通常、ノボシビルスクを観光する場合、このツェントル周辺である。川を挟んで南には、観光ではほぼ来ることはないだろう。
以下の写真は、ツェントルというよりも川を挟んで北側の地区の川沿いのみを映したものなのでわかりにくいけど、中心部はもっと栄えている。南側よりは人口密度は高くなるものの、人口規模が近い札幌のように、札幌駅〜ススキノまでに密集したような街の作り方をしていないので、少し人口密度は下がる。とはいっても道路が広く快適で、地下鉄も2本交差して走っている。
シベリアに来る前まで1ヶ月住んでいた京都とは非常に対照的で、パソコン作業の後に街を歩くのが非常に快適。公園の中を散歩しているような感覚。ロシアではアメリカでいう、その都市の中心部であるダウンタウンのことを、ツェントルというのだけど、私が住んでいた部屋からの景色は、ちょうど地下鉄が交差するSibirskaya(シビルスカヤ駅)の徒歩圏内で、こんな感じ。以下の写真、なんか、札幌在住の生徒さんに送ったら、私が思っていた、中島公園あたりから札幌駅方面を見た時の景色っぽい。という意見で一致した・・。
また、ツェントルの近くを歩いていたら、ちょうどS7(シベリア航空)の本社ビルと夕日が絵になったので写真も撮ってみた。いずれにしても、日本人がイメージしているシベリアとは随分かけ離れていることがこの二つの写真からわかったと思う。
シベリアに来る前、京都で健康診断の看護師さんにシベリア行くって言ったら、あんな凄いところ行くの?って驚かれて、お腹丈夫なんだねって言われた
来てみると、普通に日本と変わらない印象。来てみて経験して初めて分かる事なのだけど、
自分がどれだけ経験不足なのかを感じさせられる😅 pic.twitter.com/rNi0ylgM8e
— MULTILINGIRL🌳20言語勉強中のノマド (@_multilingirl_) July 27, 2021
④治安は、良いの?
ロシアは全体的に言えば下手にパリと比較するよりも治安が悪くない。その中でもよく語られるのは、モスクワよりも治安がいいと言われている事。私が感じたのは、私が現在借りているアパート、つまりツェントルのど真ん中だけど、ここは夜歩いていても何も危ない感じはしない。けれども季節による可能性もある。夏は皆気分が良いし、白夜なので、夜22時あたりでも明るいのでそういう犯罪が起きないだけで、冬は寒さや、感情の変化で犯罪に合いやすいのかもしれない。
一つ気づいたのは、私が住んでいるアパートの周辺と、上の地図にあるノヴォシビルスクって書いてあるエリアの中心部(地下鉄の終着駅)あたりは、少し人の層がやはり貧困っぽくないっていた。これは私が住んでいる中心部とは非常に対照的。カザフっぽい、というか中央アジアからの出稼ぎ系?の人もそちらの地区にはたくさんいた。
ロシア語で得た情報を下に作成した、以下の危険都市ランキングは一種の参考になるかもしれない。
「ロシアで治安の悪い危険都市(犯罪率の高い都市)TOP 10」
⑤つくば都市開発の参考になった「アカデムゴロドク」が気に入った理由
アカデムゴロドク。シベリアでずっと来たかった場所。ノボシ郊外の森の中かと思ったら意外と大規模高級スーパーがあって長期滞在に向いてる事が分かって嬉しい
このビルの隣で一泊😋
勉強に集中できそうな場所
歩いてる人、芝生の匂い、広い道路、全部、ネットで見てた古いイメージと違ってた… pic.twitter.com/5OyCdLS73V
— MULTILINGIRL🌳20言語勉強中のノマド (@_multilingirl_) July 19, 2021
ノヴォシビルスクはよくできた都市だと思う。中心にオピ川が流れ、左側は空港と住宅街、川を渡ったその北側は市街地かと思えば、その南にずっと行くと、つくばのような科学都市があるのだから。
筑波研究学園都市のモデルにもなったと言われている「アカデムゴロドク」とは、ロシア語で「アカデミーの町」という意味なのだけど、シベリアの教育・科学のセンターであり、1950年代にソ連科学アカデミーによって建設された学園都市。私は一泊だけこの周辺泊まってみた。
写真は全て以下にある。あまりにも写真の質がよすぎてうっとりする。カナダにある平和などこかの都市?と思えるほど。
https://gelio.livejournal.com/150377.html
で、実際に行った写真はtwitterでも紹介したのだけど、とにかく思っていた森だけしかないイメージとは違い、中心部には大型ショッピングセンターがあり、人口は12万人ほどいるようだ。そしてポイントはここに住む人たちの所得が意外と高いのか、ノヴォシビルスクに数店舗しかないあの高級スーパーもある。
この高級スーパーには欧州から輸入したものや、デリーの充実、ケーキの美味しさなど、他のスーパーとは品揃えや内装が違うので、やはり所得高そうな人が大勢買い物に来ていた。またAirbnbでも、6万円(1ヶ月の割引で)くらいで借りれる部屋があったので、1ヶ月籠るにはいい場所かもしれない。
ちなみにその高級スーパーの名前は、「Бахетле」。Googleマップで検索する限り、ノヴォシビルスクに3店舗くらいある模様。ここだけモスクワのデパ地下に行ったかのような雰囲気に変わる。
⑥大型ショッピングモールが多い
毎回その都市に行くとショッピングモールの雰囲気を抑えているのだけれども、ノヴォシビルスクの代表的なショッピングモールは4つある。まず、MEGAはロシアのどの都市に行っても展開している巨大な複合施設みたいなもの(IKEAが必ず入っている)、Gallery Novosibirsk は、実質上、ノヴォシビルスクの中心的存在。このショッピングセンターの目の前には中央市場みたいな場所もある。
TRCアウラは地下鉄からはアクセスしづらいのだけど、中心部に住む人たちが集うショッピングセンターという感じで、近くには大型のコンドミニアムなどもあり、所得高そうな人が多いイメージ。
シビルスキーモルルは東側の住宅街にあり、あまり高級感は感じられない。TRCとの差は歴然。ヴェルサリは、IKEAを除けば、川を渡って南側の最大ショッピングモールで地下鉄とも繋がっているので、実質上、そっちの地区の中心的存在。
以下の数字は口コミ数。
MEGA=25821(バスや車でしか行けない場所)
Gallery Novosibirsk = 17255(地下鉄が交差する中心部)
TRC アウラ=15666(地下鉄駅から離れているが、中心部の南東部)=地元民多いイメージ
シビルスキー・モルル=13075(地下鉄の一番東側にある)
Версаль(ヴェルサリ)=10000 ここはあまり新しい感じではない。けど一応、川を渡って南側の中心地区的存在。
こんな感じで口コミ数と、実際に行った規模感は一致するので、口コミ数多いところから見てみることをおすすめ。3日くらいの小旅行であれば、 Gallery Novosibirsk だけで十分。1週間くらいの滞在なら、南側の雰囲気を味わうために、Версаль(ヴェルサリ)周辺を歩くことをおすすめする。
⑦ノヴォシビルスク生活で気になった、航空機の多さの理由
「речной вокзал новосибирск」とGoogleマップで検索すると、その周辺にはオピ川を眺める公園がある。ここがノヴォシビルスクでもゆっくり時間が流れる人気の公園。ノヴォシビルスクに離着陸する航空機は、この川の上を通るのはウランウデからノヴォシビルスクに来るときにわかったが、この公園を歩いていると、5分に一度くらいの感覚で、航空機が通過する。
こんなに航空機が通過する都市は見たことがない。東京ですら5分に1度ってないんじゃないか?と思ってずっと腑に落ちなかった。色々調べてみると、ノヴォシビルスクは貨物機のハブ空港になっている点。欧州からアジアに飛ぶときに、燃料の関係でノヴォシビルスクに一旦着陸するみたいなことが英語圏にサイトに書かれてあった。
そして、ノマドとしてここにいるメリットは、モスクワ、エカテリンブルク、カザフスタン、ビシュケクや、オシュ(キルギス)、イルクーツクなど、フライトの拠点となる場所。なので直行便で片道2万円くらいでこれらの都市に容易にアクセスできる点。これはエカテリンブルクやカザンを拠点にするとできないことかもしれない。
以下の写真は、アパート借りる前に借りてたアパートメントホテルからの景色。貨物船がこんなに長いのが何度もそこを通過していた。ヨーロッパから中国に向けたものの移動だろうね。。ちなみにこれを撮影したのは、夜の22時過ぎ。夏のシベリアちゃんはこんなに明るいのだ。
⑧アジア系ロシア人は多い?
私がシベリアの移動で楽しみにしているのはアジア系ロシア人との遭遇。イルクーツク市内は10人に1人の割合、ウランウデ市内は、10人に3〜4人。こんな感覚だった。ノヴォシビルスクは、50人に1人くらいの感覚でかなり減る印象。
ロシア人ばかり。けど、ここに住むものはヨーロッパロシアと自分たちは違うロシア人という変なアイデンティティがあるようにも思えてそれもまた面白い。そのシベリア人のアイデンテティについては他の記事で書いていきたい。
ちなみにイルクーツクはもっとアジア人率多いので、白人だけのノヴォシビルスクよりも少しアジア人多めの都市がいい!人はイルクーツクをおすすめ。
「シベリアのパリ「イルクーツク」で1週間ノマド生活してみて感じた事」
⑨1週間の旅行でもあり
昨日から泊まってるホテル。アパート借りる前に3日限定。今日はレッスンまた5時間😅
やっぱり景色良いと、色々捗る。仕事しながら空も見れるし
時間帯によって空の色も違ってて、何度もピシャリしてた😅 pic.twitter.com/8CjTDD69OC
— MULTILINGIRL🌳20言語勉強中のノマド (@_multilingirl_) July 8, 2021
多くの人はノヴォシビルスクには1ヶ月は滞在できないだろう。私のようにロシア語が好きで、今後もシベリアを行き来したいと思っていない限りは。そういう人は1週間で長いと感じてしまうと思う。実際1週間もあれば隅々まである程度理解できる都市規模。
私が最初借りてたアパートメントホテル、こういうのがノヴォシビルスクには充実していて、少し割高だけれども、月々7万円〜8万円くらい。日割りだと2500円くらいかな。眺めもよく、エアコンもガンガン、壁も薄くなく、充実したプライベートライフが満喫できるのでおすすめ。