5年近くも継続しているアラビア語レッスン。その中で最近2年目になった生徒さんとあるお話をしていた。ちなみにその生徒さんは子育て+仕事もバリバリしながらアラビア語を頑張っているが、10年後くらいを見据えてビジネスに繋げようとコツコツ継続している模様。
「1名限定。アラビア語3ヶ月で「頻出200~300フレーズ」暗記サポート
その生徒さんとお話ししていたことは、アラビア語の学習を継続しているもの(ほぼ毎日触れているものを表している)からみれば、学習者がどんどん淘汰されていくのがわかるよね。というお話しだった。
それは私も日々感じていることで、例えば私がアラビア語を学習した当初参考にしていたブログはもうアラビア語の事について更新していないし、YouTubeチャンネルなんかも動画の更新が止まってしまったり、また周りの中でアラビア語を勉強していた。という人さえも、今は勉強していない。など、
100人のアラビア語学習者がいるとするなら、まるで20と80の法則に当てはまるのかのように、20人が継続でき、80人が淘汰され諦めていくのか?とも思わされる。もっと言えば、100人いて継続できるのは、10人くらいだと私は思っている。
ちょっと気分転換にアラビア語に手を出してしまったもの、あまり強い動機がないためにすぐに脱落しやすいのかもしれない。
上の生徒さんとは他の生徒さんも、現在4ヶ月目に突入するが、最初はあんなに張り切っていたのに、ノートの提出が遅くなったりなど、明らかに倦怠期状態だったりもする。私は何年間もこの症状をみてきているし自分自身が経験していることなので、生徒さんには毎回、「4ヶ月くらい過ぎると飽きがくるからそこを乗り越えられるかどうかだよ。」と言ってるが、やはり人の気持ちというものはそんな強くないことがわかる。
私はアラビア語を5年勉強しています。と言ったとしても、1週間に1時間くらいしか勉強しない人と、毎日きちんと勉強している人とではかなりの差がある。
さて、この記事では私が、コーランを絶対に読むべき理由を書いていきたい(読解において、アラビア語の初級から脱した人向け)。
①アラビア語学習における私の変化
まず簡単に言ってしまうと、アラビア語を29歳(2016年7月)に開始して以来約6年になった今、日常会話における使えるフレーズや、文法構造、発音構造の説明もある程度できるようになった今、私が次に進む道はコーランの解読だということを悟ったということ。
この道は避けられないと考えている。
私はアラビア語をコミュニケーションの手段、つまり日常生活における会話や、そこで生活したいから生きたアラビア語、つまりそれぞれの国の方言などを学びたいというよりは、この言語の宗教的な権威や、音、他の言語と全く違うところ、などに惹かれて勉強しているので、どちらかというと、話すと言うよりは読める。に主眼を置いている。
それでも日常フレーズは今でも何人かの生徒さんに教えているように、そこはそこで強化・深化させつつ、やはり最終的にはアラビア語を読める、解読できる。にフォーカスする方向。そうなった時に一番効果的なものは何か。
それはやはりコーランであると感じている。
②コーランがアラビア語学習に最適な理由
コーランはアラビア語圏の人たちの共通の聖典である。例えば彼らがアラビア語を理解していなくても、その本を一冊持ち歩いて、スーラ(コーランで114ある章)の、アーヤ(スーラの中の項目)に●●が書かれているよね〜。とパっと言えるだけで、お互いに同じ教えを理解していることで共感し合えるとか、色々なメリットがある。
また、コーランの中にはさまざまなストーリーがあり、その内容を理解し合うだけでも、また変わってくる。
これは、動画でも語った「聖書で英語を理解することが重要的な話」とも共通した勉強法。私はフランスで、フランス語の聖書と、アラビア語のコーランを両方購入。多分、長い付き合いになると思う。
'https://www.youtube.com/watch?v=2yC9Z3gUOSs
フランスには思ったよりも、マグレブ系(北アフリカ人)が非常に多く、彼らはムスリムなため、フランス滞在や、普段ノマドしている国がイスラム系の国々が多いことからも、コーランをスーツケースに持ち歩くのは必須になるとこの3年くらいで確信した。
③コーランは全部が同じ(19億人が読む本)
私はフランスの地方都市で購入1冊のコーランを購入した。3000円くらいのフランス語とアラビア語で同時に書いてあるものを選んだ。その方が、二つの解釈を照合して自分で考えることもできると思ったことや、2言語を同時に触れられるという意味でも良いと思ったからだ。
以下のコーランというサイトには、音声付きですべてのスーラとアーヤがわかりやすく載っている。
つまり、どのコーランを買っても同じ表現で書かれているので、アラビア語で書かれているものは全て同じということになる。実際私がフランスで購入したコーランとこのサイトのコーランの文章は同じだった。ここは統一されていていいと思った。もし気に入った文言があれば、それをそのまま暗記してムスリムに言うこともできるし、楽しいだろうと思う。
なので暇な時やパソコンの前にいたくないときなどにどんどん本で解読していって、気分転換にネットの音声に合わせて自分も暗唱していく。という感じでやっていくと楽しいのではないか?と思っている。
④フスハーの理解はさらに進む
人間、お金に余裕、または英語力が高まってくると他の言語を本気でやろうと思うようになる。特に経済成長が著しいアセアンなどはイスラム教徒の国。あのような国ではアラビア語の学校が以前より増えてきている。
マレーシア、インドネシアではそのように感じたが、キルギスでは経済発展の波に乗っていないのでアラビア語が学べる場所もあるが、そこまで人気ではないように思う。
つまりイスラムの世界では特に教育を受けた層の中では、社会的ステータスを得るためにフスハーを学ぶ人がさらに増えていくということなのである。また、話せる人は尊敬されるので、単に方言の勉強をするよりも、アラビア語が話されていない国でさえも、一目置かれるのではないかと思う。→一目置かれたい私(笑)。
そのようなワクワクする未来を見据えながらフスハーに今のうちに投資できている私はやはり間違っていなかったと、イスラム教徒の国をノマドしながら常に思っているのである。
⑤コーランを勉強に取り入れる時の注意点
コーランでアラビア語を勉強しようとするなら、アラビア語の語彙数は最低でも500。アラビア文字をみてすぐに理解できるという意味で500は欲しい。また、カーナ、インナ、アンナなどの知識は求められるのでそこはまずある程度学習してからがいい。初級レベルの文法に求められる部品が欠如していると、おそらくコーラン研究も挫折してしまう。
私は以前コーランなんて読む気もなかったが、アラビア語のレベルが上がったことによって、これを読むのが止められなくなってしまっている。
勉強が止められなくなった時。それが次のステージへの扉を開いたのと同じであり、そこまでいくのに多くのものが脱落してしまうのが現実。中国語や韓国語は日本語と似ている部分が多いのでそこまで辿り着くものが他の言語に比べて多いが、アラビア語やロシア語ではそこに辿り着くものは、一握り。
⑥日々の蓄積のご褒美
読解においては、語彙力、文法力があがると、もうその言語で読むのを止められないくらい楽しくなる。スピーキングに走りがちな現在、じっくり一冊の本をその言語でよむ力をつけるのも悪くはないのでは?
来年、私はコーランの1年になるかもしれない(笑)