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ヒエラルキーの頂点?差別され、虐殺され、インドネシアで怯えながら暮らす華人・華僑「中華系インドネシア人」に関する疑問 TOP10

2019年3月30日

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ヒエラルキーの頂点?差別され、虐殺され、インドネシアで怯えながら暮らす華人・華僑「中華系インドネシア人」に関する疑問 TOP10

2019年3月30日


私は現在、インドネシア第二の都市スラバヤに住んでいる。ここが結構気に入ってしまってね…。現在住んでいるコンドミニアムは、スラバヤで一番大きいモールに併設されているのだけれども、ここにはLittle Tokyo や、SOGO、ユニクロ、ベスト電器、なんていう日本のものも沢山あり、モールにやってくる人の70%くらいは中華系インドネシア人。

そのため、ここは中国か。と思うくらい肌の白い人たちばかりが行き交っている。(華人と中国人は全く違うということは前回紹介したので、以下をご参考に…)

「プラナカン、トトック、苦力。東南アジアの華人(華僑)について日本人が知っておくべきこと TOP10」

私が住んでいるコンドミニアムにも、日本人?と思ってしまうくらい日本のファッションをしたギャル男や、渋谷に普通にいそうな日サロ系のギャル、また韓国人ファッションをした女性と、外見やスタイルも、日本の平均よりも上なのが不思議でならない…。

やはり富裕層にくっつく女性たちはレベルが高いのか?そのたびに、エレベーターで一緒になるとやけに変な緊張感が走る。

あちらも、私の顔が、インドネシアにいる華人の平均顔からかけ離れているせいか、チラリチラリと見ているのが分かるし…。

インドネシアという浅黒い人種でもあるジャワ人が多数を占めるこの国ではやはり東アジア系の人たちがいるだけで、同じもの同士気にしてしまうのだ。

そんな中華系インドネシア人はグーグル画像検索でググってみても、彼らがどういう様相なのか分かりづらい。そんな私もインドネシアに住むようになる前までは、インドネシアにいる華人の実態を全く知らなく、どんな顔をしているのかも知らなかった。

けど、一言で言うと、彼らは日本人の平均よりも肌が白い…。これは非常に不思議なのである。

ということで、この記事では私が知っていること、調べ上げてみたことをTOP10にまとめ、より中華系インドネシア人を理解できるような記事にしていきたいと思う。

①虐殺に何度も遭い、現在も差別されている理由

虐殺の話は以下でも書いたのだけど、

「なぜインドネシアは日本に占領されたのに、中国人が嫌いで日本人のことは好きなのですか?【海外の反応】」

中華系インドネシア人は1998年の暴動まで数回現地のインドネシア人から虐殺されている。それはやはり、この国の富を華人だけで90%も握っている。という嫉妬心もあるだろうが、やはり根底には、外見的、肌の色、宗教的な違い、いろんなことが絡み合っているのではないかとも思う。

これはインドネシアに行ったことのある人しかわからないのだけど、現地のインドネシア人はやはり東アジア人に劣等感を抱いている部分があると思う。ある程度の富を有し、自分に自信のあるものや、外見で人を判断しない少数派は違うけどね。

けど、人間の大部分は外見によって惑わされる生き物なので…。このインドネシアにおける中華系の現状は、南アフリカに入植した白人と少し重ね合わせることができると思う。

もともと南アフリカは黒人(コイコイ人、バントゥー人)の土地であるわけだが、そこに白人が住み着き、アパルトヘイトまでして黒人を奴隷化状態にまでもっていった。

インドネシアではそれは起きなかったが、もともとジャワ島の原住民でもない華人が、明時代以降や、オランダ植民地時代に労働力としてこの島にやってきて、イスラム教にも改宗せず、中国人同士で固まって、しかも、富を蓄積し始めて、インドネシアの経済を握り始めた…。となると、やはり現地人にとっては許せないわけである。

また、お金の考え方についても違っていて、イスラム教はお金を追求するより、人々に親切にする(分け与える)などを学ぶ一方、中華系は、諺に富という言葉が多く出てくることからも分かるように、お金を追求する民族であること。という意味でも考え方が全く違う。

※インドネシアでは、貧乏でも、交通整備を自主的にやり出して、車からお金を差し出してもらうのを待つものや、傘を買い、傘のない人に貸す商売、バスの中で勝手にギター片手に歌い、カンパをするなど、こういう助け合い的な商売が発達している。

なので、本来日本人も、中華系のように拝金主義的な人が多いので、インドネシア人から嫌われてもおかしくないのだが、日本人の評判はインドネシアではナンバーワンである。これは私が強くそう感じる。

「日本は何位?ロシア、アメリカ、ヨーロッパ、東南アジア、インド、中韓が信用・信頼できる国 TOP5」

②二種類いる中華系インドネシア人

私がインドネシアに住んで気づいたのは、中華系インドネシア人はジャワ人などを中心とする現地インドネシア人よりもリッチな人が多いのは確かなのだが、中華系インドネシア人の中にも、リッチじゃない人も結構いるという点。

そういう人は、たまにバイクに乗りながら街を見渡していると、ジャワ人などに紛れて生活している。また服装などもジャワ人と似ているのに、顔は中国人みたいな不思議な感じ…。

 

③中華系がリッチになった理由

まず、なぜインドネシアには1000万人(台湾の人口の半分くらい)の中華系インドネシア人が住んでいるのかということを知る必要がある。

その多くが、現在アフリカに入植している中国人のように、インドネシアがオランダの植民地の際にやってきたと言われているが、明の時代から現在のインドネシアにやってきた人も結構いて、彼らは自分たちのことを民族性は中国人と認識し、中国人の価値観を受け継いでいる。そして、自分たちはインドネシア人である。という強い誇りを持っているという点である。

また宗教、人種が全く異なることからも、同じもの同士で固まり暮らしている。

で、一般のインドネシア人はイスラム教徒なので、お祈りをしたり、イスラム教徒の行事に参加したりなどかなり大忙しなのに対して、中華系には仕事に没頭したり勉強したりする時間がたくさんある。

また戦後、中国語を話すのを禁止され、現在の中華系は中国語が話せないわけであるが、その反動もあってか、インドネシアで暮らしていくには人一倍頭がよくならないとだめだ。と気づき、イスラム教徒がお祈りをしたり遊んでいる間に、塾講師を雇って成績を上げたりなどの違いが見られるという。それが現在の結果に繋がっているのだと指摘する声が多かった。

⑤SOGOで買い物をし、高級コンドミニアムに住み、ギャルの格好をする中華系

そんなリッチな中華系は、その中でも一部ではあるが、日本人の平均以上に金持ちで、肌が日本人の平均よりも色白も多く、SOGO、ユニクロ、ベスト電器などで買い物をし、中国大陸からくる中国人とは全く違い、インドネシアにやってくる日本人や韓国人の駐在員が食する輸入品を主に食べながら暮らしている。

また彼らはどう考えても、ネイティブ・インドネシア人(ジャワ人・スンダ人など)ではないにも関わらず、自分たちのことを生粋のインドネシア人と主張する。

※中国大陸の中国人とは違うの!という強いプライドがある

また、中国語の勉強をしているものもいるが、この国で何かが起きたときのために、逃げ場として英語を最優先している感がある。それは、私がいつも彼らと英語で話していてわかる。

富を持っている人ほど英語が流暢で、楽しそうに話す。そりゃそうだろう、マレー語をもとに戦後作られたインドネシア語よりも、良いに決まってる…。

中華系の富裕層はきっと、本音ではこのインドネシアにおける経済特権階級を維持したいのだろうが、1998年のような華人虐殺がまた起こるのであれば、このジャワ島という地を捨て、シンガポールや欧米に移住することも視野に入れているのではないかと私は感じる。とはいっても、最近は以前のようにお金さえ払えば簡単に移住できる時代でもなくなってきているのだけどね…。

⑥彼らが恐れていることはインドネシアのイスラム化

そんな彼らが困るのは、政治が変わってしまうことである。例えば政府がインドネシアの多宗教というのをやめ、アチェ州のような厳格なイスラム教国家にしよう。と言い出したら、中華系インドネシア人はイスラム教に改宗しなければならない。

 

⑦見下されていると感じているジャワ人

JKT48の中で、10人は完全な華人であると言われている。

この3人も、華人にしか見えない…。

https://www.tapatalk.com/groups/anthroscape/chinese-members-of-jkt48-t79350.html

※この黄色い背景の男性の写真は、中華系インドネシア人男性で、一番多いタイプの顔である。こういう大柄な男性が、めちゃくちゃ脚の細く、顔の小さい中華系美女とカップルな場合が非常に多かった…。

で、本題に入ろう…。

1998年のあの暴動が起きてからもう15年以上は経つ。その間何が起きたかと言えば、中国大陸の経済が急激に発展してしまったことだ。2008年の北京オリンピックが終わるまでは、日本人ですら中国のことを全然下に見ていた。けれども、その後経済成長のペースは続き、中国にかなり大量の富裕層がうまれたので、ようやく日本人も中国の大都市などは、今凄いんだよね。というイメージに変わった。

想像できる?1990年の一人当たりのGDPをみると、日本が251万円、インドネシアが7.7万円、中国が3.4万円。つい、30年前の話なの。インドネシアのほうが中国よりも、経済的に豊かな国だったのだよ…。

また参考に、2018年の数字は、日本が400万円、中国が96万円、インドネシアが41万円。となっている。

これを見ても中国経済がどれほど急速に発展したかが分かるだろう。同時に、インドネシア人では戦後、中華系は見下されていた立場(戦前は、オランダ植民地化の下でも、ジャワ人などよりも稼いでいる人が多かった)であったが、現在は世界における華人ネットワーク、世界における中国語の普及、中国人ブランドの影響力拡大、多くのことが作用して、もはやインドネシア人が中華系を見下すことができなくなった。

むしろ、中華系は戦後、貧しいところから這い上がり、その間ジャワ人はダラけていた。とインドネシア人が言うくらいである。

逆に私が何人かのジャワ人に中華系に対する本音を聞きだしたところ、彼らは不満そうに、あいつらは俺らを見下している。というふうに言っていた。

けど、こういうことって日本人の私にだから言えることであって、ジャワ人同士では絶対に言わないだろう。俺らは見下されてるなんて思いたくないからだ。

つまりタブーになっているのでネット上でもあまり見ない…。

 

⑧華人とユダヤ人が似ている理由

華人、ここでは特に東南アジアに昔中国大陸から移り住んだ中国人で、今現在は大陸とは全く関係のない華人である。反対に、華僑というのは、「中国国籍を持ったまま海外に居住する」人たちを指している。→教授教示の違いも分からないような現代の世代が、どちらかわからず使っているのが現状なのだけどね…。

ユダヤ人は何百年も自分の国がなく、ヨーロッパや北アフリカなどに散らばっていったが、ユダヤの教えはずっと守ってきた。またお金を稼ぐことは良いこととされている。

中国の場合は、今もアフリカに移住する中国人が多いことからも分かるように、

「勤勉、信頼、尊敬?アフリカ人は中国人についてどう思う?【アフリカの反応】」

積極的に海外に散らばって財を成そうとする。これは中国の教えに、お金がたくさん出てくることからではないだろうか。

この財や新天地を求めて世界に出ていこうとするという点で、ユダヤ人と華人は似ているのかもしれない。(本屋でも、ユダヤの教えとか、華僑の教えというのが日本人の間で流行っている…)

ちなみに、イスラム教はキリスト教のように、お金を稼ぐことは悪!という考えがなく、貧しいものを助けるために稼ぐことがヨシとされている。

⑨一部の日本人は見下されているのは本当だと思う

インドネシアに住む華人、その中でも物価の高いところに集まる富裕層は、中国大陸でみてきた中国人とは印象がかなり違う。中国語は話さないし、割と自信をもって英語が話せる。また、中国語が話せないのであの独特な声調の入った田舎臭い英語ではない。

上では、インドネシアの人口の大部分を占めるジャワ人の一人が、中華系に見下されていると感じている。という話を紹介したが、これは日本人や韓国人であった場合でも、同じではないかと感じた。

要するに、収入や教育の格差によって日本国内でも上下勝手に決めつけてる人がいるのと同じで、国籍人種関係なしに、日本でも見下されるような人が彼らの前に立つと、見下されてしまう可能性があるということである…。

けど、こういう日本人がジャワ人に見下されるか?というとまたそれは違う…。ジャワ人と日本人は完全に人種が違うので、ライバル関係にもならないからだ…。

同様に、中華系インドネシア人の間でもお互いに自分が一番という感じで見下しあっているという書き込みをしていた中華系インドネシア人もいた。

気を付けたいのは、日本人はどうしても東南アジアに来ると、アジア人の中で自分たちが一番序列で上だと思ってしまう傾向にあること。

「誰も言えない、欧米、東アジア、東南アジア、国籍や人種間におけるタブーな序列(ヒエラルキー)日本人は何位?」

けど、私のように、ヒエラルキーの頂点の日本人がインドネシアに来てやったわよぉ~!みたいに、スラバヤに住んでみたはいいけど、

一般の日本人よりも豊かで、肌が白く、英語を話し、輸入品を食し、ホテルのようなマンションに暮らし、日本のデパートで悠々と買い物をする中華系インドネシア人をみて、ライバル心、嫉妬心のような、考えてもいなかった変な感情が沸き立つこともあるかもしれない。

それは心のどこかで今でも日本人は東南アジアで一番。と思っている錯覚にあると私はお思う。けど、今や若者の間では韓国人だからね。これは、前々から聞いていたけどインドネシアに来て、韓国人の若者の影響力がかなり強いことを悟ったよ…。

「東南アジアで日本人がモテる時代は終わった。韓国人と富裕層の出現が原因?日本人が気付くべきこと TOP10」

 

⑩彼らが住んでいるエリア

最後に、彼らが多く住んでいるエリアを書いて終わりにしよう。

現在、世界でも一番華人が多く住む国がインドネシアだということはあまり知られていないが、2010年の調査によると、283万人住んでいるという。けれども、これは表上の数字で、実際は1000万人もの華人が住んでいることが明らかになった。なので、以下の英語版を見ても、283万人と書いてあるが、私が今書いたことと同じように、1000万人というのが現在通説になっている。

以下は、283万人だという調査から割り当てられた数字なので、実際はその4~5倍だと考えればよいかもしれない。


ジャカルタ都市圏 63.2万人
西カリマンタン州 35.8万人
北スマトラ州 34万人
西ジャワ州 25.4万人
東ジャワ州 24.4万人

Tionghoa-Indonesia

北スマトラ州のメダンという大都市は、中華系の人たちがものすごく多いとも聞くし、私が住んでいたスラバヤは、完全に中華系がヒエラルキーのトップに君臨していた。

Reference
Do native Indonesians resent Indonesian Chinese for being richer?

最後に…

この1ヶ月半ちょっと、ここスラバヤで生活し、この富の格差を目の当たりにしてドっと疲れてしまった。ものすごく変な言い方をすると、不思議と少数派の中華系が普通の人たちで、貧しいジャワ人などが、ただ働いていないだらけ者のように見えてしまう点も不思議でならない。これは日本から来た日本人の価値観からみた感想なのだけど、もしジャワ人などが熱心に勉強をして、資産運用を勉強したり、ITスキルをもっと学べば、この富の格差は減っていくのかなと思った。けれども、そのためにはやはり教育資金がないとダメなのだけどね…。

いずれにしても、私はここでは肌が明るく目立ち、しかも富裕層に見えてしまうので、逆に私が彼らを見下しているように見えているのではないか。ともいつも思っていたり、日本や韓国では全く体験できないことを体験できたような気がする…(;^_^A

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