あまり知られていないペルシア語。
いや、一生学ばれることもないだろう言語。なんたってあの制裁されているイランの言語だ。
とはいってもペルシア語ってウズベキスタン南部の1000万人やタジキスタン、アフガニスタン北部でも話されている言語だ。
可能性はある。
ということは以下に書いたこともある。
さて、ペルシア語という言語はフランス語に似ていると言われることがある。
けど具体的にどう似ているのか?ということは私もおろそかにしたままだった。ざっくりなイメージで言うと、優雅に聞こえる。とか、優しく聞こえるとか、教養があるとか。そういう意味でフランス語とペルシア語は共通しているのだけど、もっと深掘りしたいということでこの記事を書くことに。
以前パリから私のペルシア語レッスンを受けていた女性もいたが、それくらいペルシア語って未知の、また気になる言語である。
ということが、この記事を読んで理解していただければ幸いだ。
①言語系統は同じ
※写真は、タジキスタンのお家の庭。これ結構一般的。おしゃれです。。。
さて、この二つの言語は以下のように共通している部分がある。
ペルシア語=インド・ヨーロッパ語族>インド・イラン語派の言語
フランス語=インド・ヨーロッパ語族>イタリック語派の言語
ペルシア語はヒンディー語などに近い言語であり、そもそもペルシア語やヒンディー語は根底の部分で割とロシア語に近い言語ということも最近わかってきている。→というより私がロシア語とヒンディー語を同時に勉強している中で発見した部分を以前書いた。
「ロシア語とヒンディー語が似ている理由と、そのいくつかの共通点」
下層のグループは違ってもやはりフランス語と日本語などに比べれば、フランス語とペルシア語のほうが文法的にも共通している部分はしっかりある。
特に19世紀末から20世紀初頭にかけて現在のペルシア語にはフランス語から多くの単語が流入した。
これはすでにウィキペディアなどでも公開されていて、こういうリストを見るだけでもペルシア語の親近感を持つことができると思う。
②Vous と、Tu の区別が一緒
※写真はドゥシャンベに向かう道中。。天空の上にいた気分でしたわよ。・・
ロシア語と同じで、ペルシア語もT–V distinction がある言語である。これは、あなた。っていう時に、尊敬を対象とするか、そうじゃないか。ま、だいたい多くの言語に採用されてるのだけど、英語にはない。
とはいっても英語にも昔、Thou と You というように、Thou のほうが、今のフランス語でいう Vousがあったが、シンプル化され、Youがいろんな意味を持つようになった。
ペルシア語にもこのような区別がある。という意味ではフランス語と共通はしている。
無理やりすぎ?笑
③発音が柔らかい、かつシラブル・タイミング
ペルシア語は文字通り発音するので発音がしやすい。これはヒンディー語にも近いと言われている言語でありながら、かつ発音のしやすい言語という点で学びやすい言語である。
一方フランス語は文字通り読めない。
が、どちらの言語もソフトに話すということがポイントになる。
ドイツ語や英語などのようにあがったりさがったりするストレスタイミングではなくシラブルタイミング言語。
このシラブルタイミング言語というのを理解していない人が多いのだけど、そのことは noteで公開した。
「英語と日本語のリズムが著しく違う理由=(ストレス、シラブル、モーラ)タイミングについて」
言語系統は違えど同じ文字を使うアラビア語圏の人たちはペルシア語を美しい言語と認識しており、それはアラビア語に強い子音の音が多いからだ。
アメリカ英語をアラビア語に例えた場合、フランス語がペルシア語。
これはほぼほぼ間違いないと思う。
アラビア語は子音だけでも通じるように作られた言語であり、英語もそれに近いところがある。
フランス語やペルシア語は母音ベースなので日本人の耳にも残りやすい。
ないものねだりなのか、日本人は日本人が苦手な英語に憧れを抱き、アメリカ人はフランス語に憧れを抱く。面白いよね。
ちなみにこの動画は2時間くらいあるものなのだけど、聞き流しにちょうどいい内容であり、ペルシア語がどういう言語か聞いてみるのにちょうどいい動画だと思う。
④フランス語とペルシア語のイメージ
英語、つまりイギリス英語からアメリカ英語に派生していったわけだけど、そのイギリス英語がまさに半分以上の語彙がフランス語からきているという事実は英語圏でも当たり前の事実として知られている。
つまり英語話者からすればフランス語は上位言語。
というのが基本的な考え方。
そもそもフランス語というのは世界で初めて統一した言語を作ったとも言われている。
なので英語話者にとっては先輩みたいなものであり、アート、歴史、美食、哲学、詩的、ロマンチック、文学、教養、優雅。英語圏ではフランス語と聞くとこういうものを思い浮かべる場合が多い。
というのは英語圏での常識。。→スペイン語はその分下に見られるのが面白い。
これは面白いことにペルシア語に対しても多くの人が抱いているのがこのイメージなのである。
ペルシアの建築や、ペルシアの美人、ペルシア絨毯、そこにある真似できないような文化など、やはりペルシアでイメージするものは、イランという響きでイメージするものとは全く違う。
これがイラン語となった場合、イメージはかなり変わる。おそらく言語の格下げが起きると思う・・。
それだけペルシア。という名前の持つ力は強いと思っている。
⑤自国の言葉に強い誇りがある
フランス語話者もペルシア語話者も自国の言葉に非常に強い誇りがあり、自分たちの言語が一番美しいと信じてやまない。
かつ、美意識が強い。これはイランだけじゃなくタジキスタンやウズベキスタン南部のタジク人にも共通する。
中央アジアも何から何までペルシアの美に支配されているのは、そこに住んで感じた。→割とロシアもフランスやペルシアの美的感覚に支配されてるかも。
※タジキスタンで撮影したもの。ロシア語圏では高級コンドにはこういう家具があり、おそらくペルシアを強くイメージしたものだと思う。中央アジアではこういう家具がスタンダードになっていて、かつロシア人もこういうのが好き。私がイメージするペルシアがまさにこれ・・。
また面白いのは言語とは違うが、フランスは唯一NATOの中でも米軍が駐留していなく、外交的にアメリカとは独立した行動が取れること。
もう一つはイランが唯一アメリカに反抗している国の一つということだ。
そういう意味でも、この二つの国は共通しているかもしれない。おもしろいでしょう?・・
フランス語、ロシア語、ペルシア語が全て話せると最強かもね?笑
⑥最後に
ウズベキスタン南部、タジキスタンで話されているタジク語もペルシア語である。私はちょうど1年前の2023年春にいたタジキスタンのことを思い出しながらこの記事を書いた。
今まで少しずつ温めてきたこのペルシア語を今年は少しまた一定レベル引き上げたいと思っている。
その時には軽い自己紹介動画くらいは作れそう。と自分に期待しているところだ。